アメリカ空軍は2026年7月、フィリピン海で実施された多国間演習「バリアントシールド2026」において、F-15EX「イーグルII」と無人戦闘機MQ-28「ゴーストバット」が編隊飛行する写真を公開しました。
一見すると演習を記念した写真のようにも見えます。
MQ-28は、ボーイング・ディフェンス・オーストラリアが開発した無人戦闘機です。当初は「Loyal Wingman(忠実な僚機)」計画としてスタートし、有人戦闘機と連携して能力を高めることを目的に開発されました。この考え方は近年開発が進む多くの無人戦闘機にも共通しており、アメリカ空軍ではCCA(Collaborative Combat Aircraft:協調戦闘航空機)計画として具体化が進められています。
また、日本・イギリス・イタリアが共同開発を進める次期戦闘機「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」でも、無人機との連携を前提とした運用構想が盛り込まれており、有人機と無人機が協力して戦うという考え方は、今後の航空戦力の世界的な潮流になりつつあります。
F-15EXが「空飛ぶ司令塔」になる日アメリカ空軍は公開した写真の説明で、無人機システムを「Force Multiplier(戦力倍増要素)」と表現しています。これは無人機そのものが主役になるという意味ではなく、有人戦闘機の能力を大幅に引き上げる存在であることを意味しています。
例えばMQ-28が前方で偵察や監視を行い、敵レーダーを探知したり、電子戦や将来的には兵器運搬などを担ったりすれば、有人機は危険な空域へ深く侵入することなく任務を遂行できます。無人機はパイロットの「目」や「耳」、さらには「手足」を前方へ延ばす存在となり、有人機全体の戦闘能力を高めることが期待されています。
そのような有人・無人チーミングという視点で見ると、今回、F-15EXがMQ-28と編隊飛行を行ったことにも注目したいところです。
もちろん、AIや自律制御技術が進歩すれば、将来的には単座戦闘機でも複数の無人機を運用することが可能になるでしょう。しかし、その過渡期においては、F-15EXのような大型の複座戦闘機は、無人機を統率するプラットフォームとして大きな可能性を秘めています。
現時点でMQ-28の導入が進められているのは、開発国であるオーストラリア空軍のみで、アメリカ空軍では複数企業による競争試作と段階的な導入・開発が進められています。そのため、今回の編隊飛行が将来の運用形態そのものを示したものと断定することはできません。
しかし、米空軍が今回のキャプションで掲げた「戦域における人間と機械のチーム運用の未来」という言葉は、有人機と無人機が一体となって戦う将来像を象徴したメッセージだったといえるでしょう。

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