NEXCO各社などは、お盆期間にあたる2026年8月7日から16日までの10日間に、10km以上の渋滞が上下線あわせて436回発生すると予測しています。前年のお盆期間の実績345回より91回多い見込みで、下りは8日と盆入りの13日、上りは14日と15日が山場とされています。
こうした行楽シーズンに悩まされるのが「自然渋滞」です。事故も工事もないのに、いつのまにか車列がノロノロと詰まっていく、あのイライラする渋滞です。
NEXCO西日本の公式WEBサイトによると、交通集中による渋滞は全国の全渋滞の約64%を占めています。事故や工事によるものより、交通が集中することで起きる渋滞が最も多いのです。
では、なぜクルマが多いと詰まるのでしょうか。その大きな引き金になっているのが、意外な場所です。
NEXCO東日本によると、同社管内で2024年に発生した渋滞のうち約7割が交通集中によるもので、その発生箇所の内訳では、上り坂およびサグ部が約6割と大部分を占めていました。交通集中渋滞のなかでも、上り坂やサグ部が特に大きな割合を占めているのです。
サグとは、道路が下り坂から上り坂へと切り替わる、ゆるやかに凹んだ部分のこと。ここが渋滞の一大発生源になっています。
なぜ上り坂やサグ部で渋滞が起きるのでしょうか。鍵は、ドライバー自身も気づいていない「無意識の速度低下」にあります。
高速道路の上り坂やサグ部では、勾配の変化に気づきにくく、無意識に速度が低下することがあります。すると後続車との車間が縮まり、後ろの車がブレーキを踏みます。その減速がさらに後ろへ次々と伝わることで、渋滞が発生していきます。
NEXCO東日本も、この流れを「上り坂やサグでの無意識の速度低下」「後続車のブレーキ」「次々と後続へ伝わる」という段階で説明しています。そのため、事故や工事がなくても、減速の影響が後方へ伝わり、車列が長く伸びていくことがあるのです。
合流や車線変更も引き金に? 渋滞を減らす“意外な運転”減速の連鎖は、上り坂だけで起きるわけではありません。インターチェンジなどの合流部や、むやみな車線変更でも同じような現象が起こります。
インターチェンジなどの合流部では、分岐や合流のために走行車線の速度が低下します。すると、希望する速度で走りたい車が追越車線へ移り、そこに車が集中して車群ができてしまいます。
同社は、追越車線への車両の偏りを抑えることで、渋滞の発生を未然に防ぐ効果が確認されているとしています。合流後しばらくはむやみな車線変更を控え、走行車線を有効に使うことが、結果的に流れを保つのです。
では、私たちにできることは何でしょうか。
同社は渋滞予防のポイントとして、無意識な速度低下への注意、車間距離の確保、むやみな車線変更を控えること、渋滞時の速やかな速度回復を挙げています。混雑時は前の車の約2秒後ろを走るのが目安で、適度な車間がクッションとなり、ブレーキが後続車へ伝わるのを抑えます。なお、悪天候時などは、さらに余裕のある車間時間が必要です。
事故も工事もない交通集中渋滞では、小さな速度低下やブレーキが後続車へ伝わり、渋滞につながることがあります。十分な車間距離をとり、上り坂やサグ部で無意識に速度が落ちていないか意識する。そんな小さな心がけが、渋滞を減らす一歩になるのかもしれません。

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