タイタニックが沈む位置は水深約3800m! しかし世界にはもっと深い位置に沈む船が存在する

 映画『タイタニック』が2026年9月4日と9月11日の2週にわたり、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送されます。同作で悲劇の舞台となる客船「タイタニック号」の残骸は、水深約3800mの海底に横たわっています。

これは深海の中でも「深海帯」と呼ばれる、かなり水圧の強い場所です。

タイタニックより3000m以上深い!「世界最深」の沈没艦 戦...の画像はこちら >>

 この深海に、同作の監督であるジェームス・キャメロン氏は自ら潜水艇で複数回潜航し、撮影や調査のためにタイタニック号に関する情報を収集しました。この深度では、潜水艇にわずかな不備があっただけでも、強大な水圧によって艇が圧壊し、乗組員の命が危険にさらされる可能性があるということで、細心の注意が払われました。実際、2023年6月18日には、タイタニック号の探索ツアーに向かった潜水艇「タイタン」が圧壊する事故を起こし、乗っていた5人が亡くなっており、深海の怖さを知らしめる事故となりました。

 ただ、世界にはタイタニック号よりもさらに深い場所に沈んでいる船が多数存在し、調査が続けられています。

 2026年現在、確認されている中で最も深い場所に沈んでいる船は、タイタニック号よりさらに3000m以上深い、水深約7000mの海底に沈んでいます。それが、アメリカ海軍の護衛駆逐艦「サミュエル・B・ロバーツ」です。

 同艦は第2次世界大戦中の1944年10月25日、レイテ沖海戦の一環として行われたサマール沖海戦で戦没しました。海戦が行われたサマール島沖にはフィリピン海溝があり、他の海域に比べて海底がかなり深くなっています。

「大和」含む日本海軍艦艇と戦った駆逐艦

 日本海軍との遭遇戦となったこの海戦で、同艦は、所属していた第77任務部隊第4群第3集団(タフィ3)の要である護衛空母を守るため、栗田艦隊の戦艦「大和」を含む大型艦からの砲撃を受けながらも積極的に前に出て、盾となりました。その間も果敢に砲撃を続け、沈没したことから、アメリカ海軍では「戦艦のように戦った護衛駆逐艦」と称えられ、伝説的な扱いを受けています。

タイタニックより3000m以上深い!「世界最深」の沈没艦 戦艦「大和」とも砲火を交えた米海軍伝説の船
サマール沖海戦において、日本海軍艦艇の砲撃を受け、護衛空母を守るため、アメリカ海軍の駆逐艦と護衛駆逐艦が煙幕はる様子(画像:アメリカ海軍)

 また、その称賛は艦そのものだけではなく、乗組員にも送られています。

後部5インチ砲塔を担当したポール・H・カー兵曹は、325発もの砲弾を発射し、最後の一発を抱えたまま戦死したとされます。その勇敢さを称え、オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの1隻が、兵曹にちなみ「カー」と名付けられたこともあります。

 実は、同艦の沈没場所が特定されたのは2022年6月25日と、比較的最近のことです。探検家のビクター・ベスコボ氏が、潜水艇を提供した企業カラダン・オーシャニックとの共同探査によって明らかにしました。

 ちなみに、同艦が発見される以前に「最も深い場所に沈む船」の記録を持っていたアメリカ海軍フレッチャー級駆逐艦「ジョンストン」も、このチームによって同じ海域の水深約6500m地点で発見されています。そして「サミュエル・B・ロバーツ」「ジョンストン」と同じくサマール沖海戦で沈んだ護衛空母「ガンビア・ベイ」は、さらに深い場所に沈んでいるとされており、調査が続けられています。しかし、いまだ発見には至っていません。

 なお、「サミュエル・B・ロバーツ」が沈んでいる地点では、約700気圧の水圧がかかることになります。これは、1平方センチメートルあたりに約700kgの力がかかる計算で、小指の先ほどの面積に軽自動車1台分ほどの荷重がかかるのと同じです。調査に使われた有人潜水艇「リミティング・ファクター」は、水深1万4000mまで耐えられる設計になっているそうですが、困難を伴う探査であることは間違いありません。それでも、沈没艦船に関する資料の収集・整理・活用や、乗組員などの慰霊・顕彰を目的として、調査が続けられています。

【見つけた!】これが、世界最深部で発見された駆逐艦「サミュエル・B・ロバーツ」です(動画)

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