2026-27欧州サッカー注目クラブフォーメーション 日本人所属クラブ編
欧州サッカー新シーズンの日本人選手は、CL出場チームへ移籍した選手たちをはじめ、毎週のプレーが気になるところ。今季もその活躍でファンを喜ばせてくれるだろうか。
>>前編「欧州サッカー注目ビッグクラブのフォーメーション」
クリスタル・パレス
FW:ヨルゲン・ストランド・ラーセン(ジャン=フィリップ・マテタ)
MF:ジェレミ・ピノ(エドワード・エンケティア)(ドワイト・マクニール)、鎌田大地(イスマイラ・サール)(ダリオ・オソリオ)
MF:タイリック・ミッチェル(ベン・チルウェル)、アダム・ウォートン(ウィル・ヒューズ)、クインテン・ティンバー(ジェフェルソン・レルマ)、アナン・ハライリ(オスカル・ミンゲサ)
DF:ジェイディー・カンボ(オネスト・アーノル)、アクセル・ディサシ(シャディ・リアド)、クリス・リチャーズ(冨安健洋)
GK:ディーン・ヘンダーソン(ワルテル・ベニテス)
一昨季のFAカップ、昨季のUEFAカンファレンスリーグでチームを優勝に導いたオリバー・グラスナー監督が去り、後任には昨季にランスでフランスカップを制すなど、こちらもカップ戦に強いピエール・サージュ監督を招聘した。現在47歳のフランス人指揮官は、前任者がもたらしたクラブの最盛期を維持するという難しいタスクに挑む。
ディフェンスリーダーだったマクサンス・ラクロワを放出した最終ラインには、冨安健洋や元フランス代表アクセル・ディサシ、18歳のイタリア代表オネスト・アーノルを加えたが、いずれも前任者ほどの耐久性とクオリティーを担保できるかどうかわからない。
今夏のクラブ最高額となる推定移籍金2580万ユーロ(約46億円)で加入した元イングランド代表ドワイト・マクニールや、ローンで加わったチリ代表ダリオ・オソリオら、攻撃陣のニューカマーは序盤戦を見るかぎり、チームに馴染むまでに時間を要しそうだ。オランダ代表MFクインテン・ティンバーを迎えたため、鎌田大地は2列目で起用されることも多くなるか。
アストン・ヴィラ
FW:ニコラス・ジャクソン(タミー・アブラハム)
MF:ジョージ・ヘミングス(アレハンドロ・ガルナチョ)、エミリアーノ・ブエンディア(ヨハン・マンザンビ)、ジョン・マッギン(イブラヒム・エンバイエ)(アリソン・エドワード)
MF:ジョアン・ゴメス(ラマーレ・ボガルデ)(レオン・ゴレツカ)、ブバカル・カマラ(ロス・バークリー)
DF:イアン・マートセン(マッテオ・ルッジェーリ)、パウ・トーレス(タイロン・ミングス)、ビクトル・リンデロフ(テイラー・ハーウッド=ベリス)、マテイ・キャッシュ(アーロン・ワン=ビサカ)
GK:鈴木彩艶(マルコ・ビゾット)
昨季はプレミアリーグを4位で終え、ヨーロッパリーグを制すなど、成功を収めたが、その後にチームは様変わりした。プレミアリーグとチャンピオンズリーグの財政規定を遵守するため、モーガン・ロジャーズ、エズリ・コンサ、オリー・ワトキンス、ユーリ・ティーレマンス、エミリアーノ・マルティネス、リュカ・ディーニュら、攻守の主力をごっそり放出。
逆にセネガル代表FWニコラス・ジャクソン、同代表FWイブラヒム・エンバイエ、スイス代表FWヨハン・マンザンビ、ブラジル人MFジョアン・ゴメス、鈴木彩艶、元イングランド代表DFテイラー・ハーウッド=ベリス、イタリア人SBマッテオ・ルッジェーリらを迎えているものの、変貌したチームはまだ機能性に乏しく、プレミアリーグでは開幕から4試合で1分3敗と白星がない。
鈴木は好セーブと高精度キックを披露しているが、チームはリーグでまだ1得点と、新生アストン・ヴィラは攻撃の形を模索中だ。
イプスウィッチ
FW:エメルソン(チュバ・アクポム)
MF:前田大然(ジャック・クラーク)(ジェイデン・フィロジェネ)、フリオ・エンシーソ(ジアン・フレミング)、アブドゥル・ファタウ(ケイシー・マカティアー)(シンドレ・ワレ・エゲリ)
MF:マルセリーノ・ヌニェス(エセキエル・パラシオス)、サシャ・ルキッチ(フロレンティーノ・ルイス)(アゾル・マトゥシワ)
DF:リーフ・デイビス(アブドゥル・ウアッタラ)、ジェイコブ・グリーブス(セドリック・キプレ)、イッサ・ディオプ、ダラ・オシェイ(ダーネル・フーロン)
GK:キエル・シェルペン(クリスチャン・ウォルトン)
昇格してきたばかりのイプスウィッチを率いるガリー・オニール新監督は、新加入の前田大然をプレミアリーグ開幕から3試合、左ウイングの先発に起用し、直近のクリスタル・パレスとの第4節には途中投入。同じポジションを争うジェイデン・フィロジェネが負傷離脱しているものの、ジャック・クラークは開幕戦で得点している。
それでも現在28歳の前田により大きな信頼を置いているのは、守備面の貢献が期待できるからだ。強者たちが集うプレミアリーグで昇格組がまず残留を狙うには、慎重に戦わざるを得ず、まだ得点やアシストを記録していなくとも、前田の価値は大いにある。
1シーズンで降格した一昨季の繰り返しを避けるべく、フロントは前田を含め、大量補強を敢行。創造性のあるパラグアイ代表MFフリオ・エンシーソやブラジル人FWエメルソンに特別な期待が寄せられる。
リール
FW:上田綺世(オリビエ・ジルー)
MF:ガエタン・ペラン(バサル・オナル)(オサメ・サハラウィ)、ハウコン・アルナル・ハラルドソン、イーサン・エムバペ(ディラン・バクワ)
MF:ナビル・ベンタレブ(ヌガラエル・ムカウ)、バンジャマン・アンドレ(マウリッツ・ケアゴール)
DF:ロマン・ペロー(カルビン・フェルドンク)、アレクサンドロ(タンギ・クアシ)、ネイサン・ヌゴイ(イザック・コシエ)、チアゴ・サントス(ロン・スルダノビッチ)
GK:ベルケ・エゼル(オルランド・ヒル)
ブラジル代表を率いる御大カルロ・アンチェロッティの息子で、長きにわたって父の英才教育を受けてきたダビデ・アンチェロッティを新監督に迎えたチームは、リーグアン第4節終了時で首位に立っている。移籍市場最終日に今夏のクラブ最高額となる推定移籍金1500万ユーロ(約27億円)で入団した上田綺世は、新天地デビューとなった第3節トゥールーズ戦で決勝点を奪うなど、この躍進にひと役買っている。
続くチャンピオンズリーグのベティス戦では、キリアン・エムバペの弟、19歳のイーサン・エムバペのアシストから先制点を奪うも、試合には敗れた。また同じポジションの大ベテラン、オリビエ・ジルーから学ぶところもありそうだ。
加えて、UEFAのA級コーチライセンスを首席で取得した指揮官にも成長を促してもらえれば、強豪との一戦で得点が少ないという批判を鎮め、ひいては日本代表にもより多くのものを還元できるかもしれない。
PSV
FW:ルベン・ファン・ボメル(アミル・ブーハムディ)、リカード・ペピ(スベン・マイナンス)、イバン・ペリシッチ(エスミル・バイラクタレビッチ)(デニス・マン)
MF:パウル・ワナー(ノア・フェルナンデス)、フース・ティル、佐野航大
DF:マウロ・ジュニオール(フィリップ・コスティッチ)、アルマンド・オビスポ(ヤレク・ガシオロウスキ)、ルチャレル・ヘールトライダ(ライアン・フラミンゴ)、セルジーニョ・デスト
GK:マチェイ・コバール(ニック・オリジ)
NECでの3シーズンで着実に成長を遂げた佐野航大は、オランダ王者PSVに今夏のクラブ最高額となる推定移籍金1500万ユーロ(約27億円)で引き抜かれた。1990年代にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)でプレーしたピーター・ボス監督が就任してから、リーグを3連覇しているPSVでもすんなりとアンカーのレギュラーとなり、第2節からの5連勝に寄与している。ボルシア・ドルトムントに引き抜かれたヨエイ・フェールマンの抜けた穴がすんなりと埋まって、指揮官も満足していることだろう。
北中米W杯で活躍したイスマエル・サイバリを高額でバイエルンに放出したが、その影響をあまり感じさせないチームは、リーグ4連覇とチャンピオンズリーグの決勝トーナメント入りを目指している。
井川洋一●文 text by Yoichi Igawa

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