住民を悩ませる「巨大な山」。“ごみ”なのか“資源”なのか…実態は?
愛知県豊橋市、田畑が広がる一角に突如現れた「青い巨大な山」。
(中島胡桃記者)
「ごみのような塊が奥までずっと続いています。よく見ると紙や布やビニールのようなものが押し固まっています」
青いネットをかぶせられ、高さは3、4メートル。一見、ごみの塊のような山が広がっています。これは一体なんなのか?地元の住民は、以前から問題視していました。
(自治会長 名倉道長さん)
「かなり長期間放置されているので、草も生えている。場所によっては木も生えている」
梱包体が置かれ始めたのは約5年前
市民病院のすぐそばで野積みが始まったのは約5年前。
(名倉さん)
「元々はウナギの養殖場だった。(土地を)売って出られて、しばらくすると埋め立てて、何をするんだと思っていたら梱包体を置き始めて」
あっという間に野積みは大きくなり、いまや1万トン近くに達しています。
4年前の2022年、ヘリからの撮影映像にはすでに今と変わらないほどの量が確認できます。
(名倉さん)
「管理されているとは言い難い。この間みたいに台風などが来ると、飛散してくる恐れがあり心配。市民病院が近いので、万が一火がついて火事になると、プラスチックなので、一度火がつくと消えにくいので施設に影響が出ると思う」
豊橋市内で8か所 崩落した所も…
実はこうした野積みは、ここを含め豊橋市内に8か所 あわせて約3万2000トンが確認されていて、全て同じ企業グループが管理しています。別の場所では、ことし5月…
(近くに住む 村松孝祥さん)
「茶色い梱包体が置かれている所が全部崩れてきて」
近くに住む村松さんが、崩落直後に撮影した動画には…
(5月26日 撮影:村松さん)
「河川が埋まっています。道にも出てます」
村松さんが豊橋市に連絡したところ、その日のうちに業者が片付けたということです。
(村松さん)
「ガラスや茶碗の破片が飛び散って危ない状態でした」
「油を取るための原料」業者が住民に説明
そのすぐそばの住宅では、生け垣のギリギリにまで野積みが迫り、2階のベランダに出ると見渡す限りの野積みが。また、別の家でも…
(近隣住民)
「網戸を開けるとすごく臭くて、開けられないときがあった」
「ちょっと臭いがするときがありますね。(洗濯物は)外には干しません」
周辺住民は、「野積み廃プラから町民を守る会」を設立。5月に開いた住民説明会には、100人あまりが参加しました。
業者側は「ごみではなく、油を取るためのプラスチック原料」と説明したといいます。それでも、靴や木材・段ボールなどがごちゃ混ぜになっていて、産業廃棄物のようにも見えます。
プラスチックから油を生成 業者「私たちにとっては原料」
実態はどうなのか、関連する業者を訪ねると…
(SHINKA 西田勝志社長)
「うちの装置は、かごの中にプラスチック系の物を詰めて装置の上にかければ、油が約50%・炭が約15%取り出せる装置。住民の方々からの目線からすれば、ごみとしか見えないと思います。私たちにとっては原料なんで」
見せられたのは、プラスチックなどを熱分解し油を作り出すという巨大な装置。この日、装置の稼働は確認できませんでしたが、6時間程度でプラスチックから油ができると説明します。タイヤなどから作ったという油で発電する実演も…
(西田社長)
「この照明だったら約20個つきます。この装置は まだまだ小さな装置で、1日何十トンも(処理)できませんが、これを大型化して1日100トンの処理を目指す」
事業化すれば「画期的なリサイクル」 実現の目処は?
今後、10倍ほどの規模の装置を作り事業化を目指していると話します。1日100トン処理できれば、市内置かれた3万2000トンは1年ほどで処理される計算です。
野積みになっているものは、グループ企業が別の業者からお金をもらって引き取った産業廃棄物。
しかし今は、リサイクル用の「資源」という位置づけだとしています。
(西田社長)
「年内にという目標はあったものの、四半期くらいはずれる。来年のこの時期には、フィールドテストは終えている気はする」
市が行政指導も… 「野積みは違法とまでは言えない」
最大で6年間放置されてきた野積みは、本当になくなるのか…。住民は不安を口にします。
(自治会長 名倉さん)
「どこか1か所でもリサイクルしているというのが分かれば、徐々に減ったり新しい物が入り古い物がなくなって回転しているのであれば、業者が言うことも納得できるが、そういうところは見たことがない。ほとんど放置状態で、本当にリサイクルする気があるのか」
何度も住民の相談を受けている豊橋市は、これまで崩落や飛散などを確認し行政指導を繰り返し行ってきました。リサイクル装置が本当に油を作るのかどうかは確認していませんが、野積みそのものは違法とまでは言えないと話します。
(豊橋市 廃棄物対策課 丸山憲治さん)
「(業者が)ネットをかけて保管されている。物が多く飛散する、強い悪臭がない状態なので、直ちに廃棄物と断定できる状態ではないと考えている」
野積みになった膨大な元産廃は、「資源」なのか「ごみ」なのか。地域住民の不安と不信は大きくなっています。

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