去年1年間で起きたモバイルバッテリーによる火災は482件(ゴミ収集車・ゴミ処理施設からの出火を除く)。
年々急増している中、通販サイトに出回る“粗悪品”が問題となっています。
私たちは、半年にわたって海外製品を徹底調査。粗悪バッテリーの闇に迫りました。
「下手をすると、家が全焼して、自分は死んでいたかもしれない」 九死に一生を得た男性
3月8日、日曜日。都内に住む30代の男性は、趣味の野球観戦を終え、自宅で深い眠りについていましたが、耳元でバチバチという音を聞いて飛び起きました。
「ずいぶんうるさいなと思って、アイマスクを取ったら、まぶしい炎が目の前にあった」
枕元に置いていたモバイルバッテリーから、1メートル近い炎が立ち上っていました。
別の部屋にいた家族に助けを求め、すぐに消しとめましたが、消火活動の際に指をやけどしたほか、部屋のカーテンなどが燃えました。
「なぜ燃えたのか分からない」
男性のバッテリーは、暑い場所に放置していたこともなければ、落としたり、水没したりといった事故を起こしたこともなく、なぜ燃えたのか心当たりがないといいます。
その後の消防の調査でも、原因は不明。それでも、メーカーと話し合い、納得のいく補償が得られたといいます。
中には“連絡の取れない業者”も…登記簿を取って実際に訪ねてみると
男性はメーカーとすぐに話し合いをすることができましが、一方で、中には連絡すら取れない業者も。
モバイルバッテリーによる火災が相次いでいることを受け、経済産業省は去年、リチウムイオン電池製品などを扱う業者のうち、連絡の取れない業者を公表しました。電話やメールで3回、連絡をしても一切返答がなかったといいます。
これらの業者の多くは、海外製のモバイルバッテリーを輸入する日本国内の業者とみられています。
私たちは実態を調べるため、全ての業者の登記簿を取得。
東海地方にある、とある業者。
(記者)
「住んでいる気配がないですね…」
所在地はマンションの一室になっていますが、呼び鈴を押しても返答はありません。この物件を扱う不動産業者を訪ねたところ、半年以上前に退去し、いまは空き家だということでした。
同じような業者は、関東地方にも。
所在地になっているマンションの一室に住んでいたのは、無関係の男性。物件のオーナーに聞くと…
(物件のオーナー)
「出国したよ。前はここにいたけど、もういまはいないですよ。どこに出国したかは分からない」
32社のうち、すでに引っ越していたり、空き家になっていた業者は7社に上りました。こうした実態について、法人登記を専門に扱う司法書士は…
(永田町司法書士事務所 加藤麻里布代表)
「実際は変更があった日から2週間以内に登記を変更しなければならないが、これが行われていない状態というのがまず一つ考えられる」
会社法上、本店所在地が変わった際には2週間以内に登記を変更しなければなりませんが、それを怠っているケースは少なくないといいます。
“虚偽登記”も横行か…登記は『4階』なのにマンションは『3階建て』
さらに、関東地方の別の業者。登記簿の住所はマンションの『4階』になっていますが…
(同じマンションの住人)
「401はないですよ」
マンションは『3階建て』で4階はそもそも存在しません。
司法書士によると、こうしたケースは、登記を変更していないということではなく、『虚偽登記』が疑われる可能性が極めて高く、公正証書原本不実記載という刑法上の犯罪に抵触する可能性は極めて高いということでした。
私たちはこうした業者に対して、業務の実態を訪ねる手紙を出しましたが、多くが「届け先が存在しない」として、届くことすら無く、送り返されました。
“存在しない業者の製品”が、なぜ市場に出回っているのか…
「黒に近いグレー」販売業者を直撃
これらの業者のモバイルバッテリーを通販サイトで売っている人物が、匿名を条件に私たちの取材に応じました。
(販売業者)
「別の通販サイトで仕入れて販売しているだけなので、実際には割高で販売しているだけです」
いわゆる転売をしているという男性。バッテリーにはリストの業者の名前が刻印されていますが、“実態の無い会社”だと断言します。
(販売業者)
「モバイルバッテリーに会社の名前を印字しないと販売できないという法律の縛りがありますので。バッテリーを販売するためだけに名義だけを刻印して流通している、言い方悪いけど悪質業者みたいな感じ」
国は、電化製品の事故を防ぐため、モバイルバッテリーなど約450品目の製品に、
安全検査を行った証である「PSEマーク」と社名を印字するよう義務付けています。
しかし、モバイルバッテリーに関しては「自主検査」で第三者による検査は行われていません。
リストの会社は、法律を守っているよう見せかけるためのダミー会社だというのです。
さらに…
(販売業者)
「特にこういう4万mAなどの大きいバッテリーになると実際の容量とかなり違うのが実態かな」
業者の口から語られたのは、「容量の偽装」。業者が扱うバッテリーを含め、実際の容量が記載よりはるかに小さいものが、多くで回っているといいます。容量偽装は違法ではないかと尋ねると…
(販売業者)
「グレーゾーンじゃないですか、黒に近いのかなと思うこともありますけど」
海外製モバイルバッテリーを徹底検査 浮かび上がった“疑惑”とは…
業者の言うことは真実なのか…
私たちは、連絡がつかなかった業者や、口コミで容量偽装の指摘が多かったバッテリーをあわせて6つを購入。半導体や医療機器などの信頼性評価を行う検査機関「OKIエンジニアリング」に持ち込みました。
X線を使って内部に異物が混入していないか、火災に繋がる過剰な電流が流れていないかなど、3か月かけて5項目を検査。
(OKIエンジニアリング 小岩賢太郎さん)
「金属異物の混入ですとか形が変形しているというような不具合、異常というところは、今回の検査では確認されませんでした」
事故につながる危険を示す4つの項目については、異常は見つかりませんでした。
(OKIエンジニアリング 小岩賢太郎さん)
「意図的にやっているかは弊社では判断がつかないのですが、かなり多い数字を書いている印象です」
6つのうち5つで、容量が記載より少ないという結果に。中には、記載の10分の1しか容量がない製品も…
製品には、いずれも『PSEマーク』が付けられていました。
適切な検査を行った証のはずですが、いま、『ニセPSE』が増えているといいます。
“ニセPSE”の駆け込み寺を取材 消費者が見分けるのは「困難」
滋賀県に「総合技術センター」と呼ばれる会社の倉庫があります。
輸入業者などに代わって、PSEに関する検査を行うこの会社、『ニセPSE』が付いた製品の駆け込み寺だといいます。
(総合技術センター 吉田範人代表)
「正規の認証だと思って販売していたのが偽物だとバレて、販売停止になったものが持ち込まれる。駆け込み寺じゃないですけど、弊社の方に助けを求めて『再度認証を取りたい』と」
悪意を持ってニセのPSEを付けていたのか、それとも、充分な検査をしたつもりでPSEを付けていたのかは分かりませんが、こうした製品が急増しているワケは「コスト」にあると話します。
(総合技術センター 技術責任者 劉徳宝さん)
「1個あたりの検査料金で4000~5000円ぐらいの差が出ますので」
この会社によると、一般的なモバイルバッテリーのPSE取得にかかる費用は約30万円。
検査費用に加えて、検査を行うサンプルを多数用意する必要もあります。
検査を一切行っていないものと比べると、1個あたりの販売価格で4000円から5000円もの差が出るといいます。
こうしたコストを削減するために『ニセPSE』が出回ってしまうというのです。
ニセの表示は、歴とした法律違反ですが、消費者が本物か偽物かを見分けるのは難しいといいます。
(総合技術センター 吉田範人代表)
「一般の人は知識が無いので、PSEマークが本物かどうかというのは分からないですね。極端に安いものに関しては、少し疑いの目で見た方がよろしいのかなとは思っております」
一旦火が出ると消すのが困難で大事故に繋がりかねないモバイルバッテリー。
しかし、その安全性や容量に疑惑のあるものが溢れかえっているのです。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)
![[コロンブス] キレイな状態をキープ 長時間撥水 アメダス 防水・防汚スプレー420mL](https://m.media-amazon.com/images/I/31RInZEF7ZL._SL500_.jpg)







![名探偵コナン 106 絵コンテカードセット付き特装版 ([特装版コミック])](https://m.media-amazon.com/images/I/01MKUOLsA5L._SL500_.gif)