マンション主力の「長谷工コーポレーション」木造ゼネコン機能を拡充へ 不足機能をM&Aで補完する可能性も

マンション建設を主力に不動産や管理運営などを手がける長谷工コーポレーション<1808>が進める木造ゼネコン機能(原木生産から製材、物流、建築までをグループ内で連携させる機能)の拡大が、新たな段階に入ってきた。

2026年8月に公表した統合報告書2026では、木造ゼネコン機能の拡大に向けた基盤構築が進んだとし、今後はスピード感を持って拡充し、各エリアで収益力の向上につなげる方針を示した。

同社は2020年に木造戸建て住宅の施工などを手がける細田工務店、2025年に製材や戸建て住宅の施工、販売などを手がけるウッドフレンズをそれぞれ買収し、木造ゼネコン機能の基盤となる木造施工や製材などを取り込んできた。

今後、木造ゼネコン機能を拡充する中で、不足する機能をM&Aで補完することもありそうだ。

細田工務店とウッドフレンズで基盤形成

長谷工コーポレーションは、2026年8月に公表した統合報告書2026で、「木造ゼネコン機能」という言葉を用いた。

同社はこれまでも木造化・木質化に力を入れ、2020年に細田工務店を買収して以来、マンションの木造共用棟や木造とRC造(鉄筋コンクリート造)のハイブリッド構造を採用した賃貸マンションの施工などを進めてきた。

さらに、2025年にはウッドフレンズを買収し、製材や戸建て住宅の施工、販売などの機能を取り込んだ。

長谷工コーポレーションは統合報告書2026で、ウッドフレンズの加入によって原木生産から製材、物流、建築までのサプライチェーンの基盤が整ったとしている。

長谷工コーポレーションは、ウッドフレンズの製材技術と細田工務店の木造施工実績を連携させ、両社が蓄積した木造建築技術を応用する方針を示していた。

2026年4月には、ウッドフレンズ、細田工務店、長谷工ホームの3社を事業再編し、長谷工ホームホールディングスを設立した。

これによって、戸建て事業以外にも分譲マンションの共用部工事、木造賃貸レジデンス(木造の賃貸住宅)工事など、木造ゼネコン機能の拡大に向けた基盤構築が進んだとしている。

新規事業・M&Aに1000億円

長谷工コーポレーションはこれまでもM&Aを活用して事業領域を広げてきた。

2013年には介護施設を運営する生活科学ホールディングスを買収する一方、千葉や京都などでホテルを運営するブライトンコーポレーションを譲渡した。

2015年にはマンション分譲などを手がける総合地所を買収したほか、マンション分譲のジョイント・コーポレーションを子会社化した。

木造分野でもM&Aを活用し、細田工務店とウッドフレンズを傘下に収め、木造施工や製材などの機能を取り込んできた。

2031年3月期を最終年とする5年間の中期経営計画では、成長戦略投資として4000億円を設定し、このうち新規事業、M&Aなどに1000億円を充てる計画だ。

木造ゼネコン機能を拡充する過程で新たに必要となる機能が生じれば、M&Aを活用して補完することもありそうだ。

マンション主力の「長谷工コーポレーション」木造ゼネコン機能を拡充へ 不足機能をM&Aで補完する可能性も
長谷工コーポレーションの主なM&A

売上高の64%を占める建設関連事業に変化も

長谷工コーポレーションの2026年3月期の売上高は前年度比8.1%増の1兆2731億3600万円、営業利益は16.6%増の987億4300万円だった。

売上高構成比は、建設関連事業が全体の64.4%を占め、不動産関連事業が22.8%、管理運営事業が12.5%、海外事業が0.3%だった。

長谷工コーポレーション単体では、民間分譲マンションの売上高が約5000億円に達しており、マンション建設を中心とする事業構造となっている。

木造ゼネコン機能が拡大すれば、マンション建設を主力とする建設関連事業の施工対象が、戸建て住宅や木造賃貸レジデンスなどへさらに広がることになる。

今後は、こうした事業構造を維持しながらも、木造分野で収益力を高める局面を迎えることになりそうだ。

マンション主力の「長谷工コーポレーション」木造ゼネコン機能を拡充へ 不足機能をM&Aで補完する可能性も
長谷工コーポレーションの売上高構成比

文:M&A Online記者 松本亮一

マンション主力の「長谷工コーポレーション」木造ゼネコン機能を拡充へ 不足機能をM&Aで補完する可能性も
M&Aが生み出すビジネス革新
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