【192人食中毒】「清潔で品数の多い感じのいいレストラン」静岡のスポーツ宿泊施設内で集団発症…合宿・遠征の「集団での食事」に知っておきたい予防策
【192人食中毒】「清潔で品数の多い感じのいいレストラン」静岡のスポーツ宿泊施設内で集団発症…合宿・遠征の「集団での食事」に知っておきたい予防策

夏休みに入り、部活動やクラブチームの合宿、スポーツ大会への遠征などで、大人数が同じ宿泊施設を利用する機会も増えている。そんななか、静岡県御殿場市のスポーツ宿泊施設内にある飲食店で、利用者192人が腹痛や下痢、発熱などを訴える集団食中毒が発生した。

品数の多いビュッフェで起きた食中毒

8月6日、静岡県の発表によると、7月25日に同店を利用した8グループ347人のうち、8グループ192人が翌26日午前9時ごろから症状を訴えた。

患者は7歳から55歳までで、男性185人、女性7人。77人が医療機関を受診し、そのうち1人が入院したという。県の発表時点では、患者全員が快方に向かっている。

御殿場保健所は、患者に共通する食事がこの施設で提供されたものに限られていたことや、患者の便から「病原大腸菌O146」が検出されたこと、医師から食中毒の届け出があったことなどから、7月25日の夕食を原因とする食中毒と断定した。

県によると、患者便68検体を調べたところ、13検体から病原大腸菌O146が検出された。病因物質については「病原大腸菌O146(疑い)」としている。

当日の主なメニューには、カットグリルチキン、ハンバーグ、ジャーマンポテトなどが含まれていたが、現時点で個別のどの料理が原因だったのかまで特定されていない。

毎年、同施設で夏にサッカーの合宿を行なうという30代男性が話す。

「食中毒が発生したとされるビュッフェスタイルのレストランは毎年夏、利用していました。一度に大勢の貸切や団体が利用できる席数の多い大きな施設です。とにかく広くて一度に大勢のお客さんが利用できるけど、清潔に保たれて品数の多い感じのいいレストランでした。

衛生管理に不安を感じる場面はなかったので食中毒のニュースは驚いています。

今は営業休止中だそうですが、9月に予定している合宿で営業が再開したら、利用するつもりです」

保健所は8月6日から、原因施設となった飲食店に対し当分の間の営業禁止を命じた。事業者側も行政処分を受け入れ、厨房や器具、客席の消毒、従業員の検便、衛生教育などを進めるとしている。

一方、処分の対象は施設内の特定の飲食店に限定され、事業者によれば、ほかの飲食店や宿泊施設、温浴施設などは通常営業を続けている。

夏場の食中毒、「つけない・増やさない・やっつける」

気温が高い時期は、細菌による食中毒への警戒が欠かせない。

厚生労働省は、細菌性食中毒を防ぐ基本として、細菌を食品に「つけない」、食品の中で「増やさない」、加熱などで「やっつける」という3原則を挙げている。

加熱する食品については、中心部を75度で1分間以上加熱することが一つの目安だ。また、調理済みの料理を室温に長時間放置しないことや、調理前・食事前の手洗いも重要になる。

特にスポーツ合宿や大会では、多数の参加者が同じ時間帯に同じ料理を食べる。そのため、ひとたび食品が汚染されれば、多くの人が一度に体調を崩す可能性がある。

夏休み後半も、遠征や合宿を予定している家庭は少なくないだろう。本人や子どもが宿泊先で食事をしたあとに激しい腹痛や繰り返す下痢、発熱などを訴えた場合、「疲れただけ」と決めつけず、症状に応じて医療機関に相談したい。厚労省も、腹痛や下痢、吐き気などが生じた場合には医師への相談を呼びかけている。

取材・文/集英社オンライン編集部

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