最近では大音量の音楽などが引き金となり、神奈川県逗子市で海の家を夜間に営業することを禁じる条例が出来たりと、人気の浜辺では多くの観光客が集まるために問題も起きていますが、海に来る人だけでなく、海自体にも生活を脅かす「塩害」があります。所有している自転車や自動車にサビが発生し、大事にしていた植物が枯れてしまうなんて被害も……。海の近くに住んでいる人たちは、これらの被害に対して、どのような対策を取っているのでしょうか?
海に近いエリアに家を構えると、一体何が傷んでしまうのか。そして、家自体への被害はどれ位で目に見えてわかってくるのか。この疑問を解決すべく、不動産仲介透明化フォーラムの吉川克弥氏に話を伺い、びっくりする回答をもらいました。
塩害被害は当たり前! でも……
海沿いに住んでいれば塩害を受けて当たり前。この考えは建設を行う業者も、注文住宅を建てようとしたり、既に建てられている家への入居を考えている人も、共通した考えだそうです。なので、注文住宅を建てる際は業者側から塩害に関する対策について、いくつか提案が出されるそうです。確かに、自分の建てた家がすぐに傷んでしまったら、お客からクレームの連絡が届き、最悪の場合は欠陥住宅として訴訟を起こされてしまうリスクが生まれるなど、大変なことになってしまいます。このような事が起きないためにも、お互い綿密な計画を建てたうえで、海辺での家の建築に着手するようです。
また、建物に発生する塩害については、少なくとも5年から10年間は目に見えて現れてこないそう。先程も書いたとおり、塩分が建物に付着する事を織り込んだ上で注文住宅を建てたりするので、その分対策もきちんと行われているとのこと。
塩害よりも心配されるあの災害
塩害の話について詳しく伺おうと思っていたのですが、吉川さんはある別の話題についても詳しく話してくれました。それは津波に対する話題です。
かつては海沿いに住もうとしている人の建物に対する心配事と言えば、塩害に関するものがメインだったそうですが、津波の影響についての質問が増えたそうです。東日本大震災によって発生し、東北の東部を中心に各地で被害を生んだあの津波の映像。最近では放送自体が行われなかったり、注意書きとともに放送されたりと、津波の映像についてもかなり敏感な扱いが行われていますが、やはりそれだけショッキングな映像を見てしまった事によって、海岸沿いでの暮らしについて少なからずとも不安を抱えていると、吉川さんは指摘しています。
もちろん、震災以降に官民が一体となってさまざまな法律が成立・改正されたり、保険の対象範囲が増えたりと、海沿いに住む人への補償は徐々に拡充されています。自身もいざというときの備えを行い、避難所などの確認を行うことで、安心して楽しい生活を過ごすことができることでしょう。