7月の土用の丑の日は夏バテ予防にウナギ、というのが定番ですが、ウナギに匹敵する栄養価の高い食べ物が実はドジョウなんです。この時期あっさりしたドジョウを食べて精力をつけられる食材です。

 ドジョウは、江戸時代に調理法が確立した食材。当時の庶民にとって貴重なタンパク源として非常に重宝されたそうです。栄養価の高さから「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」と言われ、カルシウムはウナギの9倍。カルシウムの消化を助けるビタミンD、ミネラルも豊富で、アツアツの鍋物・汁物として供されるため、内臓を温め代謝を活発にする効果が期待できるといわれています。

 ドジョウは身近な食材ではないため、あまりなじみのない人もいるかもしれませんが、一度味わってみれば、その魅力にハマるはず。今回は浅草にあるドジョウ専門店『どぜう 飯田屋』のドジョウ鍋をご紹介します。

安価でスタミナ満点のどぜう鍋!

食通も絶賛! 浅草『どぜう 飯田屋』で夏バテ対策のスタミナ食“ドジョウ”を堪能してきた!

『どぜう 飯田屋』は、150年ほど前、江戸末期の慶応年間に浅草の浅草寺と寛永寺の中間地点に参拝客相手の一膳飯屋「飯田」として創業した老舗です。当初からドジョウを使ったおかずも提供しており、1903年(明治36年)頃にドジョウ専門店となりました。今の屋号になったのは、昭和40年代後半だそうです。

『どぜう 飯田屋』では秋田県と協力し、ドジョウを生きたまま輸送し店舗の裏の井戸水で管理しています。十分に泥を吐き出させ、鍋にする直前にドジョウをさばいているので、新鮮で生臭さや泥臭さは一切ありません。

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 小型の鉄鍋には一番下にごぼうのささがきが敷き詰められ、その上にドジョウがきれいに一面に並べられます。

そこに出汁が効いた割下が注がれます。それと同時に、木箱に大量に入った刻みねぎが運ばれてきたら、鍋のスタートです。

 鍋を火にかけ割下がひと煮立ちしたらドジョウをひっくり返し、刻みねぎを入れていきます。ねぎの量は好みですが、鍋との相性が抜群なので大量にこんもりと(箱のねぎ全て)を入れるのがオススメです。

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 鍋はドジョウの調理法の違うものが2種類あります。「どぜう鍋」(丸鍋、通称「まる」)には骨が柔らかくなるまで下ゆでしたドジョウを丸ごと使っています。

一方、「ほねぬき鍋」には頭と骨を取って開いた生のドジョウを使っています。

 初めての人は、見た目の穏やかな「ほねぬき鍋」のほうが安心かもしれません。4人以上で行き鍋の味わいの違いを楽しむのがオススメです。

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 好みで山椒と七色(なないろ)をかけてたべると味に変化が出て、さらに楽しむことができます。山椒をかけるとピリリとしびれるさわやかな味わいが加わり、甘辛い割下がさらに引き立ちます。七色とは七味とうがらしのことで、関東では「七色とんがらし」と呼ばれていることが多いそうです。

七色を加えると、甘辛い味わいにさらにパンチが加わります。両方とも甲乙つけがたいですが、筆者は山椒をかける方がより好みです。

食通も絶賛! 浅草『どぜう 飯田屋』で夏バテ対策のスタミナ食“ドジョウ”を堪能してきた!

『どぜう 飯田屋』、実はうな重も隠れた人気メニューで、それ目的で訪れる人も多くいます。4人以上で行くといろんなメニューが楽しめるので、大人数でワイワイと暑気払いに行ってみてはどうでしょうか。一度堪能したら病み付きになること間違いなしです!

(撮影・文◎佐々木倫子)

●SHOP INFO

食通も絶賛! 浅草『どぜう 飯田屋』で夏バテ対策のスタミナ食“ドジョウ”を堪能してきた!

店名:どぜう 飯田屋

住:東京都台東区西浅草3-3-2
TEL:03-3843-0881
営:11:30~21:30(LO 21:00)
休:水曜(祝日の場合は前後に振替)
http://asakusa-ryoin.jp/iidaya/