清水翔太 「Friday」は僕のゴリ推しでシングルにした、すごく好きな曲/インタビュー1

■清水翔太/シングル『Friday』インタビュー(1/3)

昨年2月から今年2月までの10周年イヤーを成功裡に終わらせた清水翔太が、次の一手となるニューシングルを完成させた。表題曲「Friday」は、サントリービールのブランド「ザ・プレミアム・モルツ」による「The Premium Music」キャンペーン第一弾ソングとして3月30日から3日間限定でストリーミング配信されていた楽曲。
浮遊感と高揚感が心地良い、久々のリズミカルなナンバーだ。カップリングには実験的な志向を感じる「Letter」を収録していて、この曲からは次のアルバムに繋がるヒントもチラリ。清水翔太が目指すネクストステージとは一体?
(取材・文/猪又孝)

僕、きれいな四つ打ちが好きじゃないので、パーカッションとか入れたりして変則的な4つ打ちにしたいんですよ

――「Friday」はタイアップ先行で制作に取りかかったそうですが、先方からはどんなお題が出されていたんですか?

翔太:「ワクワクする週末」っていう、基本それだけでしたね。「お酒」というテーマも特になく、「歩きたくなる」「ワクワクする」「週末」……以上、みたいな。

――広く解釈できるからこそ、そこからどんなふうに発想していくかが重要ですね。

翔太:そう。最初はタイアップの話をいただいて曲を作るなんてあまりないことだから、ひと昔前の“気遣い翔太”がムクムクと頭をもたげてきて、ステキな曲を作っていたんです。だけど、つまらなくなって「やーめた」って。で、一旦放置していて、そろそろ作らないとなっていうときに、シンセの音色をいじっていたら今回のメインテーマにしたシンセのフレーズが出てきて「おっ、いいじゃん!」と。そこからバーッとビートを打ち込んでトラックを作っていきました。
清水翔太 「Friday」は僕のゴリ推しでシングルにした、すごく好きな曲/インタビュー1

――たしかにイントロから鳴り出すシンセの音色が特徴的ですよね。あの音色にこだわりを感じました。


翔太:僕はなるべく少ない音数で作るようにするので、そのぶん1個1個の音にはこだわるんですよ。今回はメインテーマのシンセがとにかくズバッと来ないとカッコよくならないと思ったので、そこをいちばん意識しました。僕、この曲すごく好きで。最初はキャンペーンソングとして使うだけでシングルの予定がなかったんですけど、僕のゴリ推しでシングルにしたんです。

――この曲のビートはどんなところから着想したんですか? というのは、レゲエのようなカリビアンテイストやTrapミュージック、さらにはトロピカルハウスやニューオーリンズファンクなど、いろんな要素が混ざってますよね。

翔太:最初は、週末のワクワク、歩きたくなる、じゃあ、四つ打ちって考えてキックを四つ打ったところから始めたんです。けど、僕、きれいな四つ打ちが好きじゃないので、パーカッションとか入れたりして変則的な4つ打ちにしたいんですよ。キックは4つ打ってるけど、2拍4拍にスネアが入るだけじゃなくて、その間にカコカコ言わしたり、いろいろしたくて。

――そうやって足し算をしていったら面白いカタチになっていったと。

翔太:そう。ただ、そこに僕は計算がないので。コレとコレを混ぜることによってこうなるとか、みたいなことは一切考えないんですよ。
今カッコいいと思う音をとりあえず足していくだけなので、結果トロピカルっぽくなったとか、結果カリビアンな感じになったとか、結果トラップみたいになった、っていうだけなんです。

――あと、今回は、いい意味で歌い方が脱力気味ですよね。

翔太:特にサビがね。まだまだ日本はサビでガッと上がるっていう傾向があるし、僕もその感覚は抜けきってないけど、これは歌もメロもサビで相当落ちるんで。そういう意味では今までにないパターンですね。
清水翔太 「Friday」は僕のゴリ推しでシングルにした、すごく好きな曲/インタビュー1

――さらっと流すというか、軽く乗りこなすようなアプローチで歌っているのが特徴的だなと。

翔太:軽く乗ってる方がカッコよく見える瞬間があるじゃないですか。人がリズムに乗ってるときも、軽く体を動かしてるだけなのにあの人カッコいいな、みたいな。それを今回は作品でやっているんです。

――歌詞はどんな発想で書いていったんですか?

翔太:僕、「今日は良い出会いがないかな」と思って街に出ることがあるんですよ。「奇跡の出会い、ないかな」みたいな(笑)。それをすごく強く思っているときほど出会いはなくて、別に何も考えずに出かけたときほど、良い出会いがあったりするんですけど(笑)。
だから、まずは、良い出会いを強く願っているときのBGMみたいな曲を書こうと思ったんです。

――最初は出会いをすごく求めている感じを書きたかったっていうことですか? むしろ今回の曲には大人の男の余裕みたいなものを感じたんですよ。ガツガツしていないというか、男性の方が受け身で、スマートに遊んでる感じ。

翔太:あくまでこの曲を作るときの初期衝動としては、そうだったっていうことですね。「なんかそういうときあるよなー」みたいな。でも最終的には違うものにしたいと思ってました。ステキな出会いが理想だけど、それが叶わなくて「ちくしょう」みたいな方向ではなく、逆にすべて順調にエスコートできてる姿を思い出しながら書いたんです。
清水翔太 「Friday」は僕のゴリ推しでシングルにした、すごく好きな曲/インタビュー1

――結果、歌い方とも相俟って、スタイリッシュな印象を与える曲に仕上がってるんでしょうね。

翔太:だし、自分のプライベートでもそういうシーンが増えてきた気がします。その瞬間瞬間、目の前にいる人を会話で楽しませたり、相手の誘いをフワッと交わすことも覚えてきたし。「ここから先はちょっと運転荒くなるよ」みたいな。「別に俺は構わないけど、そろそろ降りた方がいいんじゃない?」みたいな(笑)。


――それこそ駆け引きですよね。そういうスリルがある感じがドキドキ感・ワクワク感だと思うし。

翔太:エンタテインメントのプロとして、音楽に限らず、異性との関わり合いでも相手を楽しませたいっていうのが僕の中にあるんですよね。結果がすべてじゃないから。プロセスの中で「いやー、あれはドキドキしたな」とか「あれ、良かったな」って、自分も相手も、次の日、二日酔いで起きたときに思えてほしいっていう(笑)。そういうのが好きだから、その感覚を無意識に曲の中に落とし込んでいる気がします。

――インタビュー2へ




≪ツアー情報≫
【清水翔太 LIVE TOUR 2018(仮】)
2018年7月3日(火)愛知・Zepp Nagoya
2018年7月13日(金)北海道・Zepp Sapporo
2018年7月19日(木)大阪Zepp Namba
2018年7月20日(金)大阪・Zepp Namba ※追加公演
2018年7月30日(月)東京・Zepp Tokyo
2018年7月31日(火)東京・Zepp Tokyo ※追加公演
2018年8月4日(土)香川・レクザムホール 大ホール
2018年8月7日(火)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2018年8月9日(木)宮城・仙台サンプラザホール
2018年8月11日(土・祝)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2018年8月19日(日)静岡・静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール
2018年8月24日(金)広島・広島上野学園ホール
2018年8月26日(日)島根・島根県民会館
2018年8月28日(火)福岡・福岡サンパレス
2018年8月29日(水)福岡・福岡サンパレス ※追加公演
2018年9月4日(火)石川・北陸電力会館 本多の森ホール

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