新曲リリースのHYDE×STARSET 日米盟友対談<後編>「彼らは僕より日本に詳しいよ(笑)」
撮影/キムラタカヒロ

――【HYDE×STARSET】日米盟友対談<前編>より

僕はもうずっとSTARSETに感心していて(HYDE)

――HYDEさんの新曲「FAKE DIVINE」は、ハロウィンをイメージした楽曲とのことですが、「Monster」と共通した世界観があるのかな?とも感じました。それそれの正義を信じながらも戦いが絶えないこの世の中が描かれているように思いましたが、どんな想いを込めてつくられたのでしょうか?

HYDE:うーん……どうだったかな?(笑)  

――(笑)。
かなり前に書かれたのですか?

HYDE:いつだったかな……?(と、手元の歌詞を読み返しながら)

ダスティン:もう僕らは聴かせてもらったよ? 

HYDE:あはは! ……そうそうそう(と、ふと思い出したように)、よくある“正義と悪”って、正義(とされているもの)が正しいとは限らないんだよね。悪のほうが実は正しいこともあるし、どちらが正解か分からないよね。

――そこには、ご自身の何か悩ましい想いも重ね合わせて書かれているんでしょうか?

HYDE:うーん……世の中ってもう、マニュアルでどうのこうのって決まっていることも多いじゃないですか? だから、正しいことという“形”はあるけど、実際は「え? そんなことないのにな」って、普段思うことが多いかな。サウンドはマイファス(MY FIRST STORY)のShoくんが作ってくれて、自分たちにない雰囲気だったので、すごく気に入ってます。

――そして、カップリングでは、映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の主題歌として書き下ろされた「人類滅亡の歓び」をHYDEバージョンで収録されています。

HYDE:はい。元々は映画で「こういう曲を作ってほしい」と言われて、僕はそれに合わせて作った、という感じです(笑)。そうしたら、出来上がってきた歌詞がなんか結構怖い歌詞だったので、映画の世界観にはぴったりだけど自分が歌うにはちょっと違うな~と思って。だからタイトルは「監獄ROCK」にして、歌詞も全部変えました。

――HYDEさんとSTARSETの皆さんには、ライヴを観ていても「共通する部分があるのかな?」と感じたんです。想像力を大切にして、未来への不安に果敢に立ち向かいながら、すべてを芸術に昇華していく。そして、そこには美しさがある……そんなところが通じ合うのではないか?と。
いかがでしょうか?

HYDE:僕はもうずっとSTARSETに感心していて。日本人だともう、何か決まりきった演出があって、その枠からはみ出せないようなところがあるけど、彼らはやっぱり全然発想が違うから。「あ、これは今までやったことないな!」と思うものが結構あるんです。「Monster feat. HYDE」を歌った後も、ステージが完全な闇になるの。あれ、なかなか日本人はやらないよね。歌い終わって帰る時、どこ歩いていいか分からなかった(笑)。

――(笑)。たしかに、観ていても新鮮でした。そういう新しいことに果敢にチャレンジしていく姿勢に刺激を受けるんでしょうか?

HYDE:国民性が違うというのもあるかもしれないけど、日本人の場合はどうしても、人と同じことをやっちゃうんだよね。それでなかなか殻を壊せないけど、彼らはすごく自由な発想でやってるから。「あ、そうだよな。そうあるべきだよな」って。
勉強になりますね。

ダスティン:僕らとしても、ここまでシアトリカル(演劇的、劇場風)な演出をするHYDEのようなバンドと一緒にライヴをできるって、あまりないことなんだよね。しかも、本当によく練られているし。演出・デザインからストーリーの全編を通して語っていくところ、あとはやっぱり自分自身の美意識がクリアに描かれている、というところに、僕らと共通するものを感じた。観ていてとにかく感心したし、素晴らしいと思いましたね。

新曲リリースのHYDE×STARSET 日米盟友対談<後編>「彼らは僕より日本に詳しいよ(笑)」
撮影/キムラタカヒロ

――ブロックさんはHYDEさんのライヴの照明を褒めていらっしゃいましたが……?

ブロック:僕が観ていて一番印象的だったのは、曲によってその光景がガラッと変わるところ。一つ一つの曲によってまるでセットが違うものになっているかのように、照明が各部でパッパッと変わっていくのがすごく印象的だったよ。

――皆さんのステージも、曲ごとにまるで違う星へ行ったかのような気持ちになれるものでした。

ダスティン:別世界に運んでいく、というのは僕らの目標でもあるので、そういうふうに感じてもらえるのはすごくうれしい。アメリカでは、僕らのショウのことをデモンストレーションと呼んでるんだけど、その世界にみんなを引きずり込むように、ってことを考えて最善を尽くしているんです。行き先は宇宙かもしれないし、別の銀河系かもしれないし、何か全然違った光景なのかもしれないし。そういった感じをこれからもどんどん強化していきたいな、と思っています。


――HYDEさんの音楽もそうなんですが、そうやって違う世界を体験できることが音楽の一番の醍醐味かな?と思います。

HYDE:うん、そうかもね。

――アダムさんが「次が楽しみだ」と序盤でおっしゃっていましたが、今後またコラボレーションをされるなら、どんな形が理想でしょうか?

アダム:絶対、また一緒にやりたいよね。でも、それにはe-mailのやり取りとか、しなきゃいけないことがいっぱいあって……。

HYDE:あはは!

アダム:いっぱい手続きを踏まないと(笑)。

HYDE:でも、やりたいよね。今回は日本でだったけど、次は彼らのホームであるアメリカでやるなら、そこでどこまで自分たちが現地の人を興奮させられるか?というのが自分のテーマだし、大事なところになると思う。そういうところを楽しみたいです。

――皆さん、今回の滞在中は一緒に食事をされたり飲んだりする時間は持たれました?

HYDE:一日だけありましたね。でも、彼らは結構エンジョイしてて、昨日なんかロボットカフェに行ったんでしょ?

STARSET:Yeah!

ダスティン:カッコよかったし、クレイジーですごくクールだったよ!

HYDE:へぇ~そうだったんだ? いろいろエンジョイしてるよね。富士山に登ったり(笑)。

――翌日にライヴを控えているのに、すごい体力ですよね(笑)。
HYDEさんから「ここへ行ったらどう?」みたいな日本のおすすめアドバイスはないんですか? 

HYDE:いや、もう彼らは僕より詳しくなってるよ(笑)。だって僕、ロボットカフェは行ったことないから。

STARSET:(笑)。

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