笑いが生活習慣病を防ぎ、免疫力をアップする。
よく笑う人は脳卒中や心臓病などのリスクが低く、長生きする傾向に。
お金もかからずすぐできる究極の健康法。

笑いが健康にいいということは昔から言われていることですが、最近ではそれを裏付けるような研究結果が次々と発表されています。
例えば、東京大学の研究チームが行った調査によると、日常生活で笑うことの少ない高齢者は、よく笑う人と比べて脳卒中や心臓病になる割合が高いことがわかりました。あまり笑わない人は男性では脳卒中が1.47倍、心臓病が1.1倍に、さらに女性では脳卒中が1.95倍、心臓病が1.41倍と、その差は大きくなっています。男性より女性の方が差が大きくなっているのは、女性の方が普段からよく笑う傾向があるためではないかといわれています。

笑いはがん細胞を殺すNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化

また、私たちの体の中では毎日3000~5000個のがん細胞ができていますが、笑うことによってこれを殺してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化され、免疫力が高まることもわかっています。
外科医で「笑医塾(わらいじゅく)」を主宰する高柳和江先生によると、「乳がん患者で絶望的になった人は4年で2割程度の生存率ですが、明るく前向きな人は10年後も約8割が生き残るというデータもあります」。

ダイエットや記憶力・集中力アップにも

笑いの効果はそれだけではありません。笑うと新鮮な酸素が脳細胞に送られて記憶力・集中力がアップし、副交感神経が優位になってストレスが解消。また、笑うと表情筋が動き、顔面静脈が伸縮して血流がよくなって代謝がアップ。さらに腹筋が動くように意識して大笑いすると、血中の糖や中性脂肪が燃焼してヤセやすい体になります。

まずは人をほめて、笑いが自然に出る環境づくりを

ただ、いきなり笑えと言われてもなかなか難しいもの。
高柳先生によると、「笑うためには、笑いが自然に出る環境づくりが大切です。まずは、まわりの人のいいところを見つけてほめてみましょう。ほめる時人は自然に笑顔になり、相手の気持ちもよくなる。すると、人間関係が格段によくなって、普段から笑顔になりやすい環境をつくることができます」。

どうしても笑えないという人は、笑える本や映画を見たり、意図的に笑ったりするだけでも効果があります。笑い声を出すだけで、幸福感を感じる脳内のセロトニンが増えるのだそう。

お金もかからず病気を防ぎ、ダイエットにもなる笑いの力、さっそく試してみてはいかがでしょうか。