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「病院ラジオ」に涙が止まらない。サンドウィッチマンが患者や家族とトークするだけなのに

2018年8月11日 09時45分 ライター情報:井上マサキ
こんなに泣くと思わなかった。この原稿を書くために録画を見返しているが、また泣いてしまうので原稿が進まない。8月9日に放送された『病院ラジオ』(NHK総合)が素晴らしかったのだ。

サンドウィッチマンの2人が病院にラジオ局を作り、患者や家族とトークをする。文字にすればそれだけの番組だ。それなのに、なぜこんなに胸を打つのか。

徹底した引き算が心地いい


『病院ラジオ』の舞台は、大阪にある国立循環器病研究センター。その中庭にテントを張り、2日間限定のネットラジオ局を作った。ラジオを聴けるのは病院内だけ。ラジオブースには患者やその家族が訪れ、サンドウィッチマンとトークを繰り広げる。

1人目のゲストは、車椅子で現れた70代のおばあちゃん。年齢を聞かれ「52歳」とあっけらかんとウソをつき笑う。自宅で脳梗塞により倒れ、現在はリハビリの最中だという。

伊達:びっくりされたでしょう、旦那さんも
おば:でもうちのお父さん、いろいろあった夫婦だけどね……
伊達:いろいろあった夫婦? ひとつくらい教えてくださいよ
おば:それがちょっと……いろいろあって言えないのよ〜(笑)
富澤:なんすかいろいろって
おば:一番ありがちな問題!
伊達:浮気ですね。
おば:(プイッ!と黙る)
富澤:黙った(笑)

これまで家事を一切しなかった旦那さんは、洗濯をするようになり、毎日病室にも来てくれるという。しかしおばあちゃんは「優しいと思うでしょう?……罪滅ぼし」「今まで支えたぶん返してもらわないと死ねないもん」とサンドの二人を笑わせる。

一方、別のカメラは病院内でラジオを聴いている一人の男性を映していた。ナレーションや字幕による説明は全くない。だが、その表情から、この男性が当の旦那さんであることがわかる。「まだまだ借りは返してもらってません」という言葉をイヤホンで聴き、苦笑いをしている。

『病院ラジオ』では、ゲストの家族が病院内のどこかでラジオに耳を澄ませているのだ。2人目のゲストは心臓疾患を抱える娘を持つ母親。別の場所で、娘と父親が放送を聞いている。母親がリクエストした曲は、中島みゆきの『時代』。

生まれてすぐ娘の心臓病がわかり、それから聞くことも歌うこともできなくなった『時代』。そんな時代があったねと笑える日が、本当に訪れるのか不安でしかたなかった。しかし時が経ち、16歳になった娘は、酸素ボンベを抱えながら学校に通っている。娘の笑顔を見るうちに、いつのまにか口ずさむことができるようになった。

ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

「「病院ラジオ」に涙が止まらない。サンドウィッチマンが患者や家族とトークするだけなのに」のコメント一覧 5

  • 匿名さん 通報

    >番組は徹底した引き算で構成され、視聴者の感受性に全てを委ねている。その姿勢は潔く、心地良い。  24時間テレビにない真実の放送ですね❗

    21
  • Y-みん 通報

    すごく良い番組だった。

    14
  • 匿名さん 通報

    >再放送   見逃さないようにしないと❗

    9
  • 匿名さん 通報

    見てみたいけど、見れない。見る勇気が無い。見ると辛くなるから。辛いと泣くから。 泣きたくないから。

    3
  • まさ 通報

    再放送見た。素直に感動できる番組! ありがとうございます(^-^ 調べてみたら、特番の再放送だったのですね。 不定期でも良いから次もやってもらいたいなぁ。

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