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杉田水脈議員は自民党女性活躍推進の申し子だと思う

2018年7月25日 14時50分

ライター情報:勝部元気


自民党の杉田水脈衆議院議員が、月刊誌「新潮45」2018年8月号に「LGBTは『生産性』がない」という主張の寄稿をして、大きな非難を浴びています。

杉田氏はこの手の発言は決して初めてではなく、国会議員の落選中だった2013年に出演したインターネットTV『日いづる国より』でも、「生産性の無い同性愛の人たちに皆さんの税金を使って支援する、どこにその大義名分があるのですか?」と述べており、改めて自分の主張を述べた形です。

ようやくマスコミで問題視され始めた杉田発言


既に多くの論者が指摘しているように、国会議員という立場になった者の発言として、当然許されないものでしょう。生身の人間に対して「どれだけ利益を生むか」という“生産性”でジャッジすること等、全てにおいて問題点しかありません。

杉田氏の酷い発言はLGBT差別だけに留まりません。たとえば、BBCが日本の性暴力の現状を報道した『Japan Secret Shame』のインタビューでも、彼女はジャーナリストの山口敬之氏から受けた性被害を告発している伊藤詩織氏を、「女として落ち度があった」とVictim Blaming(被害者叩き)をしたことで、世界の視聴者から非難を受けていました。

それでも一部の界隈だけで問題になるばかりで、これまでマスコミの動きはとても鈍かったと感じていますが、ようやくここに来て、取り上げるメディアも増えて来た印象です。権力ある国会議員による度重なる差別発言は当然社会への悪影響は大きく、議員辞職に相当するレベルであると言えるでしょう。

自民党の二階幹事長は「人それぞれ政治的立場、色んな人生観もある」として問題視しない方針のようですが、以前から同様の発言を繰り返していたことが自明の彼女を比例当選圏内にリスト入りさせた自民党の責任も大いにあります。

ただし、先月6月26日「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」と発言し、杉田氏と類似の考えを持っていることを表明した人が今なお幹事長を務めているわけですから、杉田氏が自民党の考えに反するとして問題視されるどころか、むしろ「よく言った」と思われていそうです。

杉田氏相手でも自己責任論で責めてはいけない


一方、この発言を機に、杉田氏の元にはメールで殺害予告が届いたとのことです。これは絶対にやってはいけないことです。たとえ、どのような人物が相手であろうと、生命に加害を加えられても良い理由は一切ありません。早く加害者が特定され、杉田氏の身が守られることを願います。

ただし、この殺害予告に対して、インターネットでは「殺害予告を受けたのは、差別発言をした杉田氏にも責任があるのではないか」という趣旨の自己責任論的批判が少なくありませんでした。

これに関しては明確に反対しておきたいです。確かに杉田氏の発言は許されないものですが、それによって殺害予告がなされることの因果関係を少しでも正当化してよい理由にはなりません。完全に別問題として捉えるべきでしょう。

「本人に責任がある」と自己責任論で責め立てるのは、伊藤詩織さんに対して杉田氏がやったことと同じです。もちろん過失が一切ない伊藤詩織さんのケースとは同列に並べることはできないですが、杉田氏と同じようなやり方は用いてはいけないのです。

ライター情報: 勝部元気

株式会社リプロエージェント代表取締役社長。社会派コラムニスト。1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。専門はジェンダー論や現代社会論等。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。著書『恋愛氷河期』(扶桑社)。所有する資格数は66個。