黄ニキビができてしまうと、痛みや痒みが出るため治るのに時間がかかります。つい気になって潰したくなりますが、間違った方法でお手入れをしてしまうと「ニキビ跡」に残って長引くこともあります。
この記事は、気になる「黄ニキビ」について基本情報をまとめました。以下の3つの内容についても詳しく解説していきます。
- 黄ニキビができる原因
- 黄ニキビの治し方
- 黄ニキビの予防・対策法
黄ニキビの予防や対策法までを理解して、正しいお手入れをしていきましょう。まずは、黄ニキビができる原因から解説していきます。
1.黄ニキビができる原因
黄ニキビは、皮膚が化膿してしまう「ニキビの最終段階」の状態。ニキビができる成長段階は、白ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビという順で変化していき、呼び方もぞれぞれ異なります。
毛穴が詰まったところに油分がたまると白ニキビができて、詰まった毛穴の中でアクネ菌が増えて免疫機能が働くと、炎症が起きて赤ニキビとなります。そして、赤ニキビがさらに悪化すると化膿して黄ニキビとなるのです。
このように黄ニキビは、できてしまったニキビが悪化することによって引き起こる症状です。できてしまったニキビが悪化する原因はひとつではありません。
黄ニキビができる原因は大きく6つあります。
- 皮脂の過剰分泌
- 毛穴の詰まり
- 皮膚の常在菌の増加
- ストレス
- 不規則な生活習慣
- 栄養不足
黄ニキビは、一時的にできる皮膚の病気です。体の不調と同じで、ストレスや不規則な生活習慣が原因でもできてしまいます。黄ニキビができる6つの原因をひとつずつ解説していきます。
1-1.皮脂の過剰分泌

黄ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因でできてしまいます。そもそも「皮脂」は、肌の潤いを守る上でなくてはならない肌の機能です。皮脂腺と呼ばれる肌内部で作られ、毛穴を通して肌表面に分泌します。
水分である汗と油分である皮脂がバランスよく分泌されることで、肌表面に潤いの膜を作って水分蒸発を予防したり外的ダメージから肌を守ったりしています。
ところが、何らかの要因で肌の機能が乱れると、皮脂が過剰に作られてしまいます。過剰に作られてしまった皮脂は毛穴に詰まり、ニキビを悪化させる原因になってしまいます。でき始めのニキビは皮脂の過剰分泌によって悪化して、黄ニキビになっていってしまうのです。
1-2.毛穴の詰まり
黄ニキビは、毛穴の詰まりが原因でできてしまいます。毛穴詰まりが起こるのは、皮脂の過剰分泌や毛穴汚れなどが要因。
皮脂が分泌される毛穴の入口が閉じていることで、毛穴内で雑菌が繁殖してしまうのです。結果、ニキビが膿んで炎症を起こして黄ニキビになってしまいます。
1-3.皮膚の常在菌の増加

黄ニキビは、皮膚の常在菌の増加が原因でできてしまいます。黄ニキビになってしまうのは、ニキビが悪化して炎症を起こしてしまった場合です。毛穴内の常在菌が増加すると、肌が菌と戦うために炎症を起こします。中心には膿が溜まり、黄色っぽい膨らみができます。
このように、皮膚の常在菌が増加することでも、黄ニキビができてしまうのです。
1-4.ストレス
黄ニキビは、ストレスが原因でもできてしまいます。ストレスが溜まると肌や体の機能が不調になります。肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れて、古い角質がそのまま残ったり毛穴が詰まりやすくなったりしてしまうのです。
また、ストレスから暴飲暴食をしたり、栄養の偏った食生活を送ったりしてしまうこともニキビを悪化させる原因のひとつ。スナックやファーストフードなどの油分が多い食事を摂る・甘いものばかり摂る、などの食生活は黄ニキビを作る原因になります。
1-5.不規則な生活習慣

黄ニキビは、不規則な生活習慣を送るとできてしまいます。健康な体や肌を維持するためには、規則正しい生活リズムを作ることが大切です。不規則な生活を続けていると、肌の機能が正しく働かずに肌荒れを引き起こします。
不規則な生活を送っているとターンオーバーが乱れ、肌の生まれ変わりが正常に行われなくなります。肌の角質が溜まり毛穴を詰まらせる原因になってしまうのです。それだけではなく、ターンオーバーの乱れは肌を乾燥させて、皮脂の過剰分泌を引き起こすことにも繋がってしまいます。
このように、不規則な生活習慣は黄ニキビを作る原因になるのです。
1-6.栄養不足

黄ニキビは、栄養不足でもできてしまいます。栄養不足になると、肌の機能が弱まり肌荒れを起こしやすくなります。また、できてしまったニキビの治りが遅くなったり症状が悪化しやすくなったりします。
特に、ビタミンB2やビタミンB6は、ニキビと深く関わる栄養素。ビタミンB2やビタミンB6が不足すると、皮脂の過剰分泌が起きたりターンオーバーが乱れたりします。栄養バランスの偏った食事やビタミン不足が原因で、黄ニキビできてしまうのです。
次は、黄ニキビの治し方についてご紹介します。
2.黄ニキビの治し方
黄ニキビは、自宅・皮膚科・美容外科で治す方法があります。
- 自宅で治す
- 皮膚科で治す
- 美容外科で治す
黄ニキビは、正しい知識があれば自宅で治すことも可能です。しかし、症状が悪化している場合は医師やプロのアドバイスのもと、薬を使った治療がおすすめです。それぞれのニキビケアをご紹介していきます。
2-1.自宅でのケア

黄ニキビは、自宅でのケアで治すことができます。使用するのは、ドラッグストアなどで手に入る一般用医薬品や化粧品です。薬ではなく市販のアイテムを使って、セルフケアをしていきます。
しかし、自宅でのケアが有効なのは、黄ニキビのなかでも炎症がひどくない初期の段階のみです。
炎症が強い黄ニキビを無理やりセルフケアで治そうとすると、悪化してニキビ痕になってしまう場合もあります。炎症が強い黄ニキビは、次にご紹介する皮膚科や美容外科での治療がおすすめです。
2-2.皮膚科でのケア

黄ニキビは、皮膚科でのケアで治せます。皮膚科では、専門医に相談をしながら症状に合わせて治療ができるのがメリット。黄ニキビ治療の多くには、抗菌薬が使用されます。炎症が起きている状態や膿んでいる状態でも効果を発揮しやすいのが特徴です。
特に、ニキビ跡を残さずに治したい方やニキビを繰り返したくない方には、皮膚科での治療がおすすめ。皮膚科での治療は、炎症を抑えるだけでなく新くできてしまうニキビの予防にも効果的だからです。ビタミンや抗菌薬などの内服薬を使って、体の中から炎症を抑えたり予防したりできます。
保険適用している皮膚科もあるため、美容外科などで治療するよりも安く通えることも嬉しいポイントです。

2-3.美容外科での治療

黄ニキビは、美容外科でも治療ができます。特に、ニキビ跡を残さず綺麗に治したい方におすすめです。専門家が肌質やニキビの症状に合わせて最適な方法で治療をしてくれます。
美容外科でできるニキビの治療方法は、ひとつではありません。
- 内服薬
- ピーリング
- ダーマペン
- レーザー治療
- イオン導入
美容外科でも、内服薬が処方される場合があります。また、エステサロンなどで使用されるピーリングやイオン導入など、幅広い治療の方法があるのが魅力です。それぞれの治療の効果や方法を簡単に解説していきます。
内服薬
美容外科では、黄ニキビを治すために抗菌作用や抗炎症作用がある内服薬を処方されます。内服薬は、体の中から炎症を抑えたり、皮脂分泌を抑制したりする効果が期待できます。できてしまったニキビに効果的な治療方法です。
ピーリング
美容外科では、黄ニキビを治すためにピーリングによる治療をする場合があります。ピーリングは、肌の古い角質を取り除くことができる方法。肌のターンオーバーを促すため、ニキビの治りを早めたりニキビ跡を残りにくくしたりする効果があります。定期的に行う必要がありますが、ニキビ治療だけではなくエイジングケアとしても有効な方法です。
ダーマペン
ダーマペンによる治療も、黄ニキビに効果的です。ダーマペンとは、専用の細い針を使って肌に穴を開けていく美容施術のことです。肌を刺激することで、肌自体の細胞の生まれ変わりを促進する効果があります。自然治癒力を高めて肌の生まれ代わりを促進させるため、ニキビだけではなくエイジングケアとしても効果的です。
レーザー治療
レーザー治療も、黄ニキビを治療するときに使われます。レーザーを肌に照射することで、ニキビ跡や毛穴の開きを治療できます。肌質を改善する効果が期待できるため、長期的なニキビ予防にも効果的です。
イオン導入
黄ニキビを治すために、イオン導入を使う場合もあります。イオン導入は、専用の機械を使って肌に弱い電流を流す方法です。肌の奥まで栄養を届けたり、ニキビの改善に効果的なビタミンを浸透させたりできます。肌の内部に栄養を届けることで、ニキビ予防への効果が高まります。
自宅・皮膚科・美容外科でできる黄ニキビの治し方を知ることができましたね。次は黄ニキビの予防・対策法をご紹介していきます。
3.黄ニキビの予防・対策法
黄ニキビの予防・対策方法は、6つあります。
- 肌を清潔にする
- 正しいスキンケアをする
- 紫外線に注意する
- 肌に優しいメイクをする
- 規則正しい生活をする
- むやみに触らない
黄ニキビ予防の基本は「肌を清潔にする」こと。それ以外にも、正しいスキンケアをすることや規則正しい生活を送ることも重要です。黄ニキビの6つの予防・対策方法を詳しく解説していきます。
3-1.肌を清潔にする

黄ニキビは、肌を清潔にすることで予防できます。ニキビはもともと、毛穴詰まりが起きて毛穴内で菌が繁殖することで炎症が悪化します。毛穴を詰まらせないために、肌の汚れを綺麗に取り除いておくことがとても重要なのです。
肌を清潔にするために、自分の肌質に合わせたクレンジング製品を使いましょう。洗浄力が高いアイテムは毛穴汚れまでしっかりと洗い流してくれるので、黄ニキビ予防に効果的です。理想的なクレンジングは、1日2回。朝目覚めたあとと、1日の終わりに顔を洗うようにします。
黄ニキビを作らないためには、毎日のクレンジングで肌を清潔にしておくことが大切なのです。
3-2.正しいスキンケアをする

正しいスキンケアをすることは、黄ニキビの予防に繋がります。正しいスキンケアとは、以下のようなことを指します。
- 肌に合わせた保湿ケア
- 肌に負担をかけないスキンケア
黄ニキビを作らないための基本は、正しい洗顔をして肌を清潔にしておくこと。洗顔やクレンジングだけではなく、潤いを補給するための保湿ケアを取り入れたり、肌の触り方を工夫したりするのも「正しいスキンケア」をするためのコツです。
肌に合わせた保湿ケア
大人になってからできる黄ニキビは、乾燥が原因でも引き起こります。肌の潤いをキープするために、肌に合わせた保湿ケアを取り入れましょう。化粧水だけではなく美容液や乳液、クリームなどを使用して肌に潤いを与えます。
肌が潤うことで皮脂の過剰分泌が防げるため、黄ニキビの予防になりますよ。
肌に負担をかけないスキンケア
肌に負担をかけないスキンケアとは、「スキンケア中の肌への摩擦を少なくする」ことです。スキンケアはついつい自己流になりがち。指の力が入りすぎたり、不必要に擦ったりしてしまいます。
繰り返される摩擦は肌への負担が大きく、ニキビの症状を悪化させます。スキンケアをするときは力を入れないで、優しく触るようにしましょう。肌に負担をかけないスキンケアは、黄ニキビ予防に繋がります。
3-3.紫外線に注意する

紫外線に注意することも、黄ニキビ予防に効果的です。ニキビ予防に紫外線対策を取り入れる方法は、特に乾燥肌や敏感肌の方に有効。乾燥肌や敏感肌の方は、紫外線に当たると肌の細胞がダメージを受けやすいからです。肌のバリア機能が低下してしまい、乾燥したり赤みが出たりします。
紫外線対策として、必ず日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなどがあります。夏場だけではなく、1年を通して紫外線をブロックするように心がけましょう。紫外線対策は黄ニキビの予防に効果的です。
3-4.肌に優しいメイクをする

黄ニキビができているときは、肌に優しいメイクをするようにしましょう。肌に優しいメイクとは、塗り方を工夫したり使用するアイテムを工夫したりすることです。
ニキビ部分への摩擦を減らすように、毛質の柔らかいブラシを使うようにします。ソフトタイプのスポンジを使うのもおすすめです。また、メイクに使用するツールは常に清潔な状態にしておくのが重要なポイント。メイクに使用した後は、汚れやメイク製品を落としておきましょう。
ノンコメドジェニックコスメを活用する
最近では「ノンコメドジェニック」と表記がある、コメドができにくいメイク製品が多く販売しています。特に、ニキビ部分に直接塗るベースメイクなどは、ノンコメドジェニックのアイテムを選ぶようにするのがおすすめです。
また、ベースメイクは厚塗りをすると毛穴につまる原因になるので注意が必要。最低限の量でメイクをするようにするのも、ニキビを作らないためのポイントです。
ニキビを悪化させないためにも、メイクをするときには上記のような工夫をしてみましょう。肌に優しいメイクをすることは、黄ニキビの対策に効果的です。
3-5.規則正しい生活をする

規則正しい生活をすることは、黄ニキビの予防に繋がります。特に睡眠不足は、肌の不調を引き起こす原因になります。毎日決まった時間に寝る、睡眠時間をたっぷりとると、体内時計も整いやすいです。
体内時計が整うと、良質な睡眠がとれて肌の機能も整います。また、睡眠時間が整った健康的な生活を送るとストレスも溜まりにくくなりますよ。
食事では、肌の健康に欠かせないビタミン、食物繊維などを積極的に摂るようにしましょう。規則正しい生活を送ることは、黄ニキビの予防や対策に効果的なのです。
3-6.むやみに触らない

黄ニキビは、むやみに触らないようにしましょう。ニキビができると無意識に触ってしまいますが、触るたびに手や指の皮脂が付着します。その結果、菌の繁殖を増やしたり炎症を悪化させたりする原因になるのです。
特に、口周りのニキビは触る回数が増えやすいので気をつけてください。感染予防のマスクがあたりやすい場合は、市販のニキビ用保護シールなどを利用するのもおすすめです。
黄ニキビを見つけても決して触らず、ニキビ部分へ負担をかけないようにしてください。肌を触る癖がある方は、この機会に自分の癖を見直してみましょう。
4.まとめ
黄ニキビは、肌に炎症が出ている状態です。間違った方法でお手入れをしてしまうと、ニキビ跡に残ってしまいます。
黄ニキビができる原因や黄ニキビの治し方を理解して、正しくケアをするようにしましょう。ニキビを作らないために、ご紹介した予防策を試してみてくださいね。