2020年9月・10月、 「市川海老蔵 古典への誘(いざな)い」公演が、 熊本県の八千代座を皮切りに、 東京国際フォーラム、 大宮ソニックシティ他、 全国12ヶ所27公演にて、 新型コロナウイルスの感染予防対策をし、 座席は国や自治体のガイドラインに従い、 座席の間隔を空けるなどの対応で開催することが決定。 「伝統芸能を分かりやすく、 多角的に味わっていただきたい」と市川海老蔵が企画した本公演。
2012年から始まったこの企画も今回で8年目を迎えた。『寿式三番叟』は、 かつて、 正月興行や顔見世、 劇場の新開場など祝儀の場で上演された儀式舞踊で、 通常、 舞台を清める意味を込めて冒頭に上演される。 後半に海老蔵が演じる三番叟が、 五穀豊穣を祈りながら踊るのが見どころだ。 『男伊達花廓』は、 歌舞伎の人気演目『曽我綉俠御所染』(そがもようたてしのごしょぞめ)から着想を得て、 海老蔵自らが創作した演目。 粋で洒落た江戸男五郎蔵を演じます。 とても娯楽性が高く、 立ち廻りも見どころだ。
侠気溢れる粋な男振りの五郎蔵が向かうのは、 大勢の客で賑わう吉原仲之町。 五郎蔵がこの廓へやって来たのは、 恋人の傾城から文が届いたゆえ。 その傾城との馴れ初めをはじめ、 折々に交わす逢瀬の様子を語る五郎蔵。 そこへ五郎蔵に遺恨を抱く男伊達たちが現れ、 恨みを晴らそうと打ちかかります。 しかし、 五郎蔵はこれを難なく退け、 恋人の許へと向かうのでした。
編集部おすすめ