
「風流堂」という名前もイキな和菓子屋さんから届いたのは、その名もシブい「日本海」という即席しるこ。レトロなデザインのパッケージにもかなりそそられるものが…。
この店の先代は100年前の日露戦争に出征し、幸いにもぶじ生還。その時、日本の大勝利を記念してこの「日本海」というお菓子をつくったのだそうだ。そして日露戦争から100年が経過した現代に、風流堂四代目がこれを復刻版として蘇らせた。説明書も日露戦争の戦局を伝える当時の号外をデザインにあしらったりして、かなり凝っている。
食べ方としては、まずパッケージをはがすと四角いおしるこのモトがでてくるので、「上」と書かれた方が見えるように腕に置きお湯を注ぐ。すると、なんともいえないあまい香りと共に日本の国旗とロシアの国旗がぷか〜りと浮かびあがってくるのだ!
しかもこれ、百年前のオリジナル・ヴァージョンでは、海に見立てたお腕の中で日本の旗(せんべい製)はいつまでも浮き続け、ロシアの旗(もち製)は水分を吸ってそのうち海の底ならぬ腕の底に沈んでしまう…というものだったらしい。現代の視点から見るとかなりブラックなアイデアだが、当時の庶民の戦争への考え方を伺い知るという意味では興味深い気も。発売当時にはこの愛国気分を盛り上げるアイデアに人々は拍手喝采、つくった本人も得意満面だったとか。
もちろん、復刻ヴァージョンでは日本の旗もロシアの旗もせんべいでできており、両国の末永い友好を願って2つの旗がいつまでもぷかぷかと仲良く浮きつづける平和型になっているのでご安心を。
小さな子供にもウケそうだし、歴史の勉強にもなりそうなこの異色スイーツ。