
かく言う私も、千葉県の最南端館山市での高校時代に、マクドナルドやロッテリアのオープンにともない店を閉めざるを得なかった地元の「マックスバーガー」を目の当たりにしている。そんな、生き残り厳しいご当地バーガー界にあって、何と30年も営業を続けているお店を発見した。
兵庫県は加古川市大川町にある、その名も「ピープル加古川店」。加古川店とはいってもチェーン展開しているわけではない。周囲にはマクドナルドやフレッシュネスバーガーもある激戦区だ。
そこで、老夫婦の営むこの店が地元に愛される理由を探った。
まずは店内に入って驚かされるのが所狭しと殴り書きされたメニュー貼り紙の数々。豊富な品揃えで、マヨネバーガー100円などの廉価バーガーから4段バーガー400円など本格バーガーまでメニュー数は膨大。おっちゃんが思い付くとすぐメニューにしてしまうため、常時100種類以上あるらしい。大手チェーンには真似できないフレキシビリティーではある。
さっそく、おばちゃんにツナカレーポテトタマゴレタスバーガー(名前ながっ!)、略称「ツカレポタバーガー」(略称もながっ!)を注文すると、「それ、おばちゃんやとできひんねん。
そんなピープルが今、廃業の危機にあるという。周辺では道路拡張工事のための地上げが進められているそうだ。夫婦は地主ではないので立ち退きに応じたところで、到底新規開店資金にはならないという。地元小学生たちが書いた「ピープルは加古川のシンボル」の応援メッセージを見るにつけ、ピープルはその名の通り「人間」の繋がりを大切に30年間続いて来たんだなあと改めて実感。こんな素敵なお店が無くなるかもしれないなんて、どうにかならないものか。(吉田ジョージ)