中国の科学者がこのほど、超深海の微生物、無脊椎動物、脊椎動物を対象とした世界初の超深海生態系マップを権威ある国際学術誌「セル」に発表した。人類が超深海の体系的な生命科学研究を実施したのはこれが初めてとなる。

超深海は水深6000メートルを超える深海域を指し、水圧が極めて高く、氷のように冷たく暗い環境のため、かつては「生命の立ち入り禁止区域」と考えられていた。研究者は、有人潜水艇などの設備や遺伝子配列解析技術を駆使し、マリアナ海溝やジャワ海溝など超深海海溝から採取した超深海堆積物やヨコエビ類、魚類のサンプル2000点余りを分析。その結果、これらの海洋最底層部に住む生物が共同で独自の生態系を形成していることが明らかになった。

研究者は、微生物7564種のゲノムを特定し、このうち89.4%が新種であることを確認した。その多様性は、現在知られている海洋微生物の総数に匹敵する。

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これらの成果は10年余りにわたる研究の末に得られたものであり、中国の科学者が発起した「世界超深海潜水探査計画」が大きく貢献している。計画にはニュージーランドやインドネシア、ロシア、フランス、ポルトガル、日本、ドイツなどが参加や支援を行い、超深海の学術分野の発展を共に推進した。【新華社海口】

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