米電気自動車(EV)大手のテスラはこのほど、中国ネット大手のバイトダンス傘下で法人向け技術サービスを手がける「火山引擎(Volcano Engine)」と提携を結び、火山引擎がテスラのスマートコックピットの音声アシスタント機能に大規模言語モデル(LLM)を導入することで合意した。

まずは上海工場で生産される中国市場向けの新型EV「モデルY L」が対象となる。

6人乗りの多目的スポーツ車(SUV)で、広い室内空間や高級感を増した内装が特徴。価格は33万9000元(約710万円)からで、8月19日に受注を開始しており、9月以降の納車を予定している。

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スマートコックピットの音声アシスタント機能には、バイトダンスのLLM「豆包(Doubao)」とDeepSeek(ディープシーク)の対話型AI「DeepSeek Chat」が組み込まれる。豆包はナビ設定やオーディオ操作、エアコン調整のほか、マニュアル検索などの音声指示を担い、DeepSeek Chatが音声チャット機能を提供する。

自動車世界大手が中国向け車両に中国製AIを搭載する動きが広がりつつある。独BMWは3月、アリババグループとの戦略提携を強化すると発表。同社のLLM「通義千問(Qwen)」を基盤にAIエンジンを共同開発し、中国向けの次世代モデルに導入すると明らかにした。

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*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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