神奈川県藤沢市、相談AI「つながりAIチャットふじさわ」の実証実験を開始 LINE経由で孤独・孤立の声を可視化
つながりAIは、神奈川県藤沢市と連携協定を締結し、約44万人の市民を対象とした相談AI「つながりAIチャットふじさわ」の実証実験を9月22日より開始すると発表した。生成AIを活用したチャットサービスにより、従来相談窓口につながりにくかった若年層などの孤独・孤立の声を可視化し、必要な支援へつなげることを目指すという。


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藤沢市、相談AI「つながりAIチャットふじさわ」の実証実験を開始今回の実証実験は、孤独・孤立対策を目的とした取り組みで、LINE上で24時間相談が可能なAIキャラクター「ふじさわAIちゃん」を通じて市民の悩みを受け止める構成となっている。気軽に相談できる環境を提供することで、精神的ハードルの高い人との対話を促し、児童虐待、DV、自殺といった深刻なケースの早期発見も期待されるとしている。

神奈川県藤沢市、相談AI「つながりAIチャットふじさわ」の実証実験を開始 LINE経由で孤独・孤立の声を可視化
ふじさわAIちゃんAIが相談の初期対応を行い、緊急性の高い内容に関しては心理士や社会福祉士など専門職が対応。必要に応じて警察や児童相談所などへの連携も行う体制を整備しているとのことだ。

背景には、孤独・孤立がもたらす健康被害への社会的な危機感があるという。内閣府の調査では、16歳以上の約4割が孤独感を感じており、特に20~30代で高い傾向が確認されている。加えて、児童虐待件数や自殺者数も高水準で推移しており、孤立感がその一因であるとする調査報告も複数存在する。世界保健機関(WHO)や米国公衆衛生局も社会的孤立を深刻な健康リスクとして警鐘を鳴らしている。

実証実験の対象は藤沢市在住・在勤・在学の約44万人で、期間は2025年9月22日から2026年1月末までを予定している。評価指標としては、「相談のしやすさ」「利用者数」「深刻な課題の早期発見件数」「孤独・孤立感の軽減」などが設定されている。
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