野村)非常に大きな打撃を受けています。ライブエンターテイメントのマーケットというのは6千億強くらいあります。夏フェスなどでそういったものが盛んになっていて、ライブエンターテイメントは毎年増えていっていました。去年が80%減ですね。2020年度は1300億ぐらいになってしまうのではないでしょうか。外食産業が2020年12月が前年度月比で15%減と言っていましたが、我々は80%減です。

新型コロナウイルスの感染防止をめぐり、東京ドームで開催される予定だったPerfume(パフューム)のライブが開場直前に急遽中止となり、電光掲示板に表示された中止のお知らせ =東京都文京区 撮影日:2020年02月26日 写真提供:産経新聞社
飲食業とは違い直接的な補助金がない音楽業界
辛坊)きついですね。いま小さい飲食店は、休業あるいは時短にすると1日6万円というのがありますが、音楽業界への国から補助金はどうですか。
野村)直接的なものはないです。ライブをやったときに補助されるJ-LODlive(ジェイロッドライブ)という補助金とか、文化庁から文化表現する演者に対して多少の手当てが出ることはあります。基本的に直接的なものはいまのところないです。
辛坊)一部のミュージシャンの皆さんはネットを使ったライブ配信のようなものを始めている方は多いですが、ある程度商売になっているのですか。
野村)いままでなかった分野として、オンラインライブという配信によるライブの新しい表現、興行が始まりました。たしかにいままでなかったものから新しくできたのでマーケットは増えましたが、ライブの代替になるかと言うとそうではありません。オンラインを通して伝えられるものは視覚と聴覚だけです。ライブ会場で体験できるような温度感や臨場感はそこまで伝えきれない部分もありますし、技術的な部分でも送信の費用や制作の費用がかかるのでペイメントするのはなかなか難しい状況です。