辛坊)オンラインライブだと救済できないのが現場で働いている膨大な人です。オンラインでも設備がいるとは言いながら実際のコンサートとは違うと思います。リアルなコンサートが少しずつ始まっているとはいえとてつもない打撃ですね。
中西)「ライブ(をやる)」と言うと、ミュージシャンとか演者とかに一般の方から「何でやるのか」という話が行って、我々も困っています。そうではなく、我々は関連産業を支えながらやっている業界だと思いますよ。例えばGo ToトラベルとGo Toイート、Go Toイベントにしても、音楽にインクルードされていると思います。そういう意味で言うと多大なる影響を与えている産業です。
辛坊)そうですよね。

(左)一般社団法人日本音楽制作者連盟理事長・野村達矢氏、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会会長・中西健夫氏
ライブ従事者を支援する民間の基金「Music Cross Aid」
辛坊)ちなみに中西さんは協会の会長でもありますが、会社(ディスクガレージ)の社長でもありますよね。一般によく知られているミュージシャンの人たちとお付き合いがあるのですね。うらやましいです。
中西)まったく逆で、アーティストと飲むのはきついです。「いつライブできるのか」と言われて困ります。昨日も(アーティストと話したのですが)、そのアーティストにはライブをやるやらないで葛藤があり、どちらにせよ正義はありません。昼間から長時間話して、「やる」という話に落ち着きました。この苦しさはアーティスト本人もあります。