ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月9日放送)に自由民主党の甘利明税制調査会長が出演、日本の未来についての提言をテーマとしたインタビューに回答した。

なお、このインタビューは菅総理が総裁選出馬断念を表明する前に行われたもの(9月1日収録)で、ここでは環太平洋パートナーシップ(TPP)について、今後の貿易ルールについての話が中心となっている。

甘利税調会長がTPP担当大臣としてアメリカに臨んだ際の「ある...の画像はこちら >>

TPPについての日米閣僚協議を受け記者団の質問に応じる甘利明TPP担当相=2015年4月21日午前、東京・永田町 写真提供:産経新聞社

TPPや「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想など、日本がルールメーカーになったのは安倍政権が初めて

今週の「OK! Cozy up!」は、『「ワクチン 経済 総裁選」~河野大臣 甘利税調会長も登場!~Cozy未来提言』と題し、構成。今回は自民党・甘利明税調会長に環太平洋パートナーシップ(TPP)について、今後の貿易ルールについて訊いた。

飯田)閣僚として環太平洋パートナーシップ(TPP)の形をつくるというところに、非常に尽力されました。あれは、まさにグローバルなサプライチェーンを広げて行く、あるいは壁を低くしようという試みのようにも見えるのですが、そこと経済安全保障はつながるものですか?

甘利)以前までの日本政府というのは、世界が提案した規格や標準、ルールにどうやって参加するか、どうやって早く馴染ませるかという政策でした。しかし、安倍内閣になって、TPPや「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想など、日本が提案したものに、アメリカをはじめ各国が乗って来るということになりました。日本がルールメーカーになるということは、おそらく安倍内閣が歴史上初めてだと思います。

飯田)そうですね。

甘利)自由貿易は、間違いなく世界経済を発展させます。貿易自由度が高まり、国際間取引が増えて行くに従って、GDPはパラレルに増えて行くわけです。それが機能不全を起こそうとしているということで、全世界ではないけれど、ある程度の規模のマルチな仕組みをつくり、それを世界標準にして行くという取り組みがTPPなのです。

TPPに日本が入り、ASEAN諸国は日本を頼りに~アメリカに臆せず、対等に交渉

甘利)そこに日本が入りました。私は、TPP担当大臣をやるときに、覚悟を決めて臨もうと自分に言い聞かせたのです。それは何かと言うと、アメリカに絶対に臆せず、対等に交渉する。「アメリカと同等にやれなければ負けだ」と自分に言い聞かせて、向こうの大臣と話すときも、「忘れないでくれ。

日本はアメリカの最大のパートナーだけれど、対等なパートナーだからね」と必ず言ったのです。

飯田)対等だと。

甘利)その結果、「象とアリの集団にライオンが入ってくれた、虎が入ってくれた」という評価になったのです。日本をASEANの人たちが頼りにしたのです。ベトナムの大臣からは、「日本が入ってくれて、イメージで言えば兄貴分になってくれて、アメリカにものを言ってくれている。日本が入ってくれてありがたい」と直接言われました。

TPPでは日米でルールをつくり、それを世界基準にする

甘利)TPPをやったときに、関税障壁を取っ払い、それから関税以外のいろいろな貿易障壁を取り払うことが大事なのですが、もう1つ、新しくデジタル化、データ経済を目前にして、データの取り扱い、あるいは知財の取り扱いなどのルールをつくらなければいけないと思ったのです。だから、私はアメリカのフロマン元通商代表と話すときに、「日本とアメリカでルールをつくって、それを世界標準にする目論見なのだからね」と。データの対応ルールや、知財や投資のルール。これを世界標準にするのだから、よく考えて欲しいと。関税も大事だけれど、世界のルールを我々がつくることの方がもっと大事だということを言ったのです。

安倍前総理が提案した「大阪トラック」~日米でつくったルールを広げる

飯田)データに関しては、その後、大阪でG20が行われました。そこで「大阪トラック」というものができて、各国合意もできた。

まさに日米でつくったルールを広げて行くということが具体化した例と見ていいですか?

甘利)あれも安倍さんがダボスで提言したわけです。

飯田)スイスのダボス会議で。

甘利)日本の提案、国際ルールになろうとしていると。

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