「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
東北福興弁当~未来へのきざはし
東日本大震災から11年。

E5系新幹線電車「はやぶさ」、東北新幹線・那須塩原~新白河間
東北新幹線「はやぶさ」が、時速320kmで、関東平野から白河の関を越えてみちのくへと入って行きます。11年前、「はやぶさ」は、デビューから6日で運休を強いられましたが、JRグループの協力で、東北新幹線は4月29日に全線で運転の再開にこぎつけました。その後も列車の増発、スピードアップを重ねて、東北地方の復興を支えてきた「はやぶさ」。いまではすっかり、東北新幹線の看板列車に成長しました。

東北福興弁当~未来へのきざはし
この10年あまり、東日本大震災の復興を祈願して作られている駅弁があります。それは、JR東日本クロスステーションフーズカンパニーの仙台調理センターが製造する「東北福興弁当~未来へのきざはし」(1200円)。現在は、令和3(2021)年3月に登場した第10弾が販売されています。
東北福興弁当~未来へのきざはし
【おしながき】
<ごはん>
[宮城・福島・山形]
・白御飯(宮城県産米)
・宮城県産金華さば焼き
・大葉入り会津味噌
・山形県産ヤーコン粕漬け
[青森・秋田・岩手]
・青森県産さめだしと、秋田県産比内地鶏スープの茶飯
・岩手県産佐助豚焼肉
<おかず・デザート>
[青森]
・キャベツにんにく入り塩麹炒め
・青森県産帆立生姜味噌煮
・青森県産リンゴの甘煮
[秋田]
・鶏肉揚げ煮~秋田県産鮭しょっつる使用
・秋田県産ハタハタの甘辛米麹和え
[岩手]
・北三陸産わかめと玉葱のかき揚げ
・鮭の味噌漬け焼き~岩手県産大豆の味噌使用
[宮城]
・揚げ蒲鉾“遊里揚”(ゆりあげ)
・宮城県産のり佃煮
・三陸産花こえび佃煮
・厚焼き玉子
[山形]
・山形いも煮風炊き合わせ
・山形県産生芋玉こんにゃく
[福島]
・福島県産紫花豆甘露煮の天ぷら
・揚げなすのいわき遠野産トマトと、会津産牛乳のヨーグルトソースがけ
・福島県産若桃の甘露煮

東北福興弁当~未来へのきざはし
「東北福興弁当~未来へのきざはし」は、第1~9弾の弁当に使われた食材のなかから特に人気の高かった献立を選定して、一折にまとめたと言います。JR東日本クロスステーションフーズカンパニーによると、当初、今年(2022年)2月末までの販売予定でしたが、好評につき販売期間を延長しているとのこと。仙台駅はもちろん、東京駅等でも販売されており、東北の味のいいトコどりができる弁当として重宝な存在です。

E657系電車・特急「ひたち」、常磐線・山下~浜吉田間
震災で被害を受けた東北地方の鉄道ですが、令和2(2020)年3月の常磐線全線運転再開をもって、ひと区切りとなりました。常磐線には品川・上野から仙台まで、特急「ひたち」が直通。東北新幹線が運転を見合わせた際には、代替列車が運行されることもあり、首都圏と東北を結ぶルートとして、そのポテンシャルを取り戻しつつあるように感じます。いい時期が来たら、これからもずっと、東北地方へ足を運び続けたいものです。
- ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」
- E5系新幹線電車「はやぶさ」、東北新幹線・那須塩原~新白河間
- 東北福興弁当~未来へのきざはし
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連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/