ニッポン放送開局70周年を記念した特別番組『竹内まりやのオールナイトニッポンGOLD supported by アサヒ生ビール マルエフ』が10月25日(金)に放送された。ニッポン放送イマジンスタジオにて公開収録が行われ、アルバムタイトルに込められた想い、楽曲提供についてなど、ミッツ・マングローブとディープな音楽談義を繰り広げたほか、リスナーとの交流も楽しんだ。
ニッポン放送の開局70周年にちなみ、会場に集まった70名のリスナーの温かい拍手に迎えられ、竹内が登壇。「一番遠いところから来られたという自信がある方?」とリスナーに呼びかけるなど、和やかな雰囲気のなか、23日に発売された10年ぶりとなるオリジナルアルバム「Precious Days」より夫・山下達郎作曲、自身作詞の楽曲「Days of Love」で公開収録がスタートした。
ゲストには友人でもあるミッツ・マングローブが登場。2人が初めて会ったのは、2014年の『小島慶子とミッツ・マングローブのオールナイトニッポンGOLD』で、「その時、ミッツさんからオレンジ色の化粧ポーチをいただいて。今も使っています」と竹内。一方ミッツも、初対面時に竹内が披露した手品で使われていた100円玉を「寝室に飾っています」と未だに大切に保管していると明かした。
ミッツは山下達郎のライブに、竹内も夫婦でミッツの「星屑スキャット」のライブに足を運ぶなど、音楽的にも交流がある2人。最新アルバムについてミッツは「全18曲を最初から聴いても、昔のLPを聞いている感じ。あっという間というわけではないけれど、歌声と世界観や色々なものが交差していて、気付いていたら聴き終わっていました」と感想を伝えた。竹内が「アレンジャーを達郎以外にも8名の方に頼んでるので、いつもよりもアレンジの幅は広い」と言うとミッツは「彩りの豊かさもすごく楽しめる」と絶賛。
そんなミッツからは「一回休業されて。復帰されて以降の7枚のオリジナルアルバムを振り返った時に、アルバムのタイトルって、その時のまりやさん自身の人生のベースだったり、音楽キャリアにおける自分のスタンスだったり、ポリシーみたいなものが投影されると思うんですけど、復帰一枚目の『VARIETY』から、それぞれどういうフェーズにあったかっていうのをお聞きしたい」と質問が。
竹内は「タイトルに関しては全部曲が揃った時に何が一番相応しいかなということで、バリエーションがあったので『VARIETY』に、セルフカバーを歌ってくださいというリクエストがあったので『REQUEST』にして、あんまり深い意味はないんですけど。 ただ『Quiet Life』に関しては、ちょっと世の中がバブリーに騒いでた頃に、あえて自分は“穏やかな生活”を選ぶという意識があったので『Quiet Life』、“静かな生活”というタイトルにしたのを覚えてます。『Bon Appetit!』は(フランス語で)たくさん召し上がれということで、割と曲数が多いアルバムになったので、ごちそうじゃないですけど、テーブルに並べて“どれからでもどうぞ”という感じで。直接的な意味で『Bon Appetit!』にしました。その後『Denim』は『人生の扉』という年齢を歌っているものがあったので、年齢が進むにつれて、デニムが色褪せて味わいが出てくるというようなことをテーマにして歌った曲だったので、その象徴的な意味で名付けました。『TRAD』は『命の歌』や『縁の糸』とか、そういう曲が入ってたのでもう一回自分のルーツに戻るような感じで。シンプルなワードでタイトルをつけるのが好きだったの。それで『TRAD』にしたぐらいの感じですね」と解説。
自ら“面倒くさいファン”と名乗るミッツの分析に竹内がひとつひとつ丁寧に答え、当時の状況や心情、音楽への向き合い方などが語られた。
ミッツが「『TRAD』以降のまりやさんの曲って、祈りに聴こえるんですよ。少し俯瞰で歌ってるような感じだったりとか。最新シングルの『歌を贈ろう』も……」と伝えると、竹内は「やっぱりコロナ禍とかあったので、普通の一日が無事に終わることは当たり前ではないというような。
「これまでたくさんのアイドル歌手に楽曲を提供していますが、“アイドルポップス×オールド・スクールな世界観”に需要がある理由はなんだと思いますか?」という質問に、竹内は「アイドルってやっぱり音楽的な部分よりも、その人自身の、アイコンとしての存在が大きいものなので、音楽的にいろんな実験をすることによって進化していくというよりも、その人が一番光るような形で音楽がそこにあるというのがファンとしては受け取りやすいと思っていて。そこに音楽をつけるとすれば、やっぱり普遍的なものにならざるを得ないというか。もちろんそこから脱皮していく中で音楽的に進化していく人もいますけど、例えば、ティーンエイジャーの時のときめく気持ちとか、恋心みたいなのって、もう普遍的に変わらないもの。私たちがティーンエイジャーだった時と今のティーンエイジャーは、そんなに変わるものではい。だとすれば歌の要素になるものって、ときめきに関しては変わらないと思うので、そこにぴったりのキラキラしたメロディーとかアレンジを施して、彼女たちが歌うと一番輝く。それがまあオールドスクールというか、普遍的で一番ぴったりくるから変わらずに連綿と続いていくんではないでしょうか」と考察。
アイドルに対するリスペクトもあるといい、「アイドルに曲を書くときは、そのリスペクトを最大に込めて、この人に似合うメロディーは何だろうとか、 言葉は何がいいかなと考えて(作って)捧げている」とのことで、楽曲提供は「自分では発想しないメロディーとか言葉が生まれるのがすごい面白い」「これからも色々な方に(曲を)書いていきたいなと思っています」と話した。
公開収録ということで、会場のリスナーから質問やリクエストを募集するなど、直接交流する場面も。「味噌汁の具は何が好きですか?」と聞かれると「生活的な質問でいいですね。
さらに「いつもすごくお綺麗で、秘訣というか、健康法を教えてください」との質問には「しっかり寝る!睡眠をしっかり取ることと、野菜をたくさん食べるっていうのはすごく心がけていて。あと、できるだけ歩いています。ジムとかは行ってないんですけど、歩いて野菜を摂って、タンパク質も摂ってちょっと糖質は減らす、みたいな。そんな感じで健康でいたいと思います」と明かした。
エンディングでは、「公開収録ということで、どんなことができるだろうかと不安でした。ですが、10年ぶりのアルバムを皆さんに届けたいという思いと、私の楽曲を聴いているのがどんな方なのか会いたかったこともあって、今回、念願を叶えられて嬉しいです。あと何年歌えるのか、何枚アルバムを作れるのかが、頭を過る年齢になりました。曲を作れるのも歌い続けられるのも、リスナーの皆さんの存在があったからこそだといつも思っています。
そして「ラジオをお聴きの皆さんに出会えた喜びと、そして今生かされているというその命への感謝を込めて……」と「いのちの歌」をオンエアし、幕を閉じた。
【番組概要】
■番組タイトル『竹内まりやのオールナイトニッポンGOLD supported by アサヒ生ビール マルエフ』
■放送日時:2024年10月25日(金) 22時~24時
■パーソナリティ:竹内まりや
■アシスタント:上柳昌彦
■ゲスト:ミッツ・マングローブ
■番組ハッシュタグ:#竹内まりやANNG