◇<1>『死なないノウハウ』雨宮処凛著(光文社)
◇<2>『戦時から目覚めよ』スラヴォイ・ジジェク著(NHK出版)
◇<3>『イスラエルとパレスチナ』ヤコブ・ラブキン著(岩波書店)
<1>は、お金/仕事/親の介護/健康/トラブル/死、のお困りごと大全。どんな公的支援があるか、役所の窓口でたらい回しされる前にずばり役立つ知識が満載。
<2>は、スロヴェニア出身の現代哲学の鬼才がウクライナ戦争と格闘する書。プーチンの民族的な妄想を解き明かし、分断の時代にはびこる権威主義との戦いを呼びかけ、左派リベラルの欺瞞と弱腰を叱りつける。その通り、よく言った。
<3>は、ユダヤ教からイスラエルを告発する本。シオニズムはそもそも無神論で社会主義の過激な民族ナショナリズム。ナチスと似ている。イスラエルで強引に政権を獲り、パレスチナ人を弾圧した。ユダヤ人がシオニズムをはね除け、パレスチナ人と連帯するのが解決の希望だ。
『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社)著者:雨宮 処凛Amazon |honto |その他の書店


【書き手】
橋爪 大三郎
社会学者。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
【初出メディア】
毎日新聞 2024年12月21日