炊飯器の内釜を洗ったあと、外側に水滴がついた状態で本体にセットしてしまっている人もいるかもしれません。なにか問題はないのでしょうか。


「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。

(今回の質問)
炊飯器の「内釜の外側」、濡れたまま本体にセットするのはNGですか?

(回答)
内釜の外側は拭いてからセットするのをおすすめします。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■ショートや故障の恐れがあります
炊飯器の内釜を本体にセットする際、外側や底が濡れたまま入れるのはおすすめしません。炊飯器の故障だけでなく、火災や感電といった重大な事故につながる可能性があるためです。

内釜を収納する本体内部の底には、内釜を温めるためのヒーター(加熱部)や、炊飯時の温度を正確に検知するための温度センサーなどが配置されています。水は電気を通しやすい性質を持っているので、もし内釜の外側や底に水滴が付いた状態で本体にセットしてしまうと、水滴が通電部に流れ込み、回路がショートしてしまう危険性があるのです。

実際にショートすると、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。

▼炊飯器の故障電気回路が損傷し、炊飯器が正常に動作しなくなります。場合によっては、修理不能な状態になることもあります。

▼感電ショートした電流が本体を通じて伝わり、炊飯器に触れた人に感電の危険が及びます。

■内釜をセットする際に徹底すべきことは?
このようなリスクを避けるために、内釜を本体にセットする際には、以下の点を必ず徹底してください。


▼外側全体を拭く内釜で米を研いだり、洗ったりした後、水滴が外側に付着していることがよくあります。側面から底にかけて、しっかりと拭き取ってください。

▼底面を重点的に拭く内釜の底面は、本体のヒーターやセンサーと直接触れる部分であり、最もショートのリスクが高い箇所です。指で触って水気がないことを確認できるまで、丁寧に拭き上げてください。

このひと手間を習慣にするだけで、炊飯器を安全に、そして長く使い続けることができます。水滴の拭き取りは、炊飯器の取扱説明書にも必ず記載されている基本的な使用方法です。安全においしいごはんを炊くために、内釜をセットする前の水滴拭き取りは、決して怠らないようにしましょう。

この記事の執筆者: 安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手がける。
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