老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。


今回は年金支給額についての質問に専門家が回答します。

■Q:事前に知らされていた年金額と、もらえる年金額に5万~6万円の差があるのですが、どうして?
「自分の年金額がいくらもらえるのか気になり、事前に年金事務所で確認したところ、年額がいくらになり、年額を12で割ったものが月額になる、と用紙に印刷され渡されました。

ところが、65歳の年金支給開始前に、年金決定通知書が届き、もらえる年金額を見て愕然としました。事前に知らされていた年金額と5万~6万円の差があったのです。年金事務所では『多少差が生じることがあるかも』と聞いていましたが、どうしてこんなことが起きるのでしょうか?」(1958年2月生まれ・男性・ぱつぷりんこさん)

■A:加給年金の一部支給停止や在職老齢年金による減額が考えられます。年金事務所で再確認してみましょう
事前に知らされていた年金額と、年金決定通知書の金額が違っていたとのこと。疑問に思われるのも無理はありません。数万円が減額となった理由としては、以下のようなことが考えられると思います。

・加給年金が減額となった
加給年金は要件を満たした65歳未満の配偶者がいる場合に支払われますが、配偶者が20年以上の厚生年金に加入し特別支給の老齢厚生年金の受給権を得た場合等には、支給停止となります。加給年金額が2~3カ月支給停止になって、その分が減額となった可能性はあります。

・在職老齢年金によって老齢厚生年金が減額された
現在厚生年金に加入して働いている場合、給与などと老齢厚生年金月額を足した合計が一定額以上になると、老齢厚生年金額が減額となります。最近の給与が上がったなど、変動などはなかったでしょうか?

なぜ年金額が知らされた額と異なるのかを年金事務所で再度、確認することをおすすめします。


文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
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