■注目の7月の優待銘柄!
株主優待が人気の企業は、権利確定日に向けて優待目的の買いが入りやすくなります。早いうちに株主優待銘柄に注目することで、値上がり益が期待できるでしょう。
■7月のおすすめ優待銘柄その1:稲葉製作所<3421>
【業務内容】物置やオフィス家具などの製造・販売
【単元株数】100株
【最低購入金額】17万900円(2025年5月29日時点)
【権利確定月】1月末、7月末
【優待内容】
・100株以上:オリジナル図書カード1000円分(7月末)
・300株以上:オリジナル図書カード・複数の地域特産品の中から1品選択(3000円相当/7月末)
・1000株以上:オリジナル図書カード・複数の地域特産品の中から1品選択(3000円相当/7月末)、およびオリジナル図書カード1000円分(1月末)
稲葉製作所<3421>の株主優待は、オリジナル図書カードです。図書カードは汎用性が高いため、個人投資家にとても人気が高い優待と言えるでしょう。優待権利確定日に近づくほど投資家の注目を浴び、買いが入りやすい傾向にあります。
では、同社株を今のうちに購入した場合、どのようなパフォーマンスになるか検証してみましょう。今回は、同社株を5月末に購入し、7月権利確定日前に売却した場合の検証を行います。この検証のとおりに売買をすると、株主優待は取れませんが売買益のパフォーマンスの大きさを確認できます。
▼検証結果

勝率:88.00%
勝ち数:22回
負け数:3回
引き分け数:0回
平均損益(円):10,215円
平均損益(率):5.11%
平均利益(円):11,797円
平均利益(率):5.90%
平均損失(円):-1,381円
平均損失(率):-0.69%
合計損益(円):255,387円
合計損益(率):127.70%
合計利益(円):259,529円
合計利益(率):129.77%
合計損失(円):-4,142円
合計損失(率):-2.07%
PF(プロフィット・ファクター):62.658
平均保持日数:52.00日
検証結果を見てみると、勝率は88.00%、1トレード当たりの平均損益は+5.11%です。勝率も高く、平均損益もプラスとなっていることから、良好な成績と言えるでしょう。
■7月のおすすめ優待銘柄その2:きんえい<9636>
【業務内容】映画館「アポロ」や複合商業ビル「ルシアス」などを運営、賃貸ビルの経営・管理
【単元株数】100株(優待は75株以上から)
【最低購入金額(75株)】30万6750円(2025年5月29日時点)
【権利確定月】7月末、1月末
【優待内容】映画招待カード(月間利用回数)
・75株以上:毎月1回
・150株以上:毎月2回
・300株以上:毎月4回
・450株以上:毎月6回
・750株以上:毎月10回
・1050株以上:毎月14回
※招待カードの提示により、自社劇場で利用可
※招待カードは株主本人用1枚、家族用2枚を発行し、3枚合計で上記回数を招待
きんえい<9636>の株主優待は、自社劇場の映画招待カードです。毎月無料で映画が見られるという魅力的な内容から、投資家からの人気が高く、買いが入りやすくなる傾向にあります。直前にあわてて同社株を購入すると、高値づかみをしてしまう場合もあるので注意が必要です。
では、同社株を今のうちに購入した場合、どのようなパフォーマンスになるか検証してみましょう。今回は、同社株を5月末に購入し、7月権利確定日前に売却した場合の検証を行います。この検証のとおりに売買をすると、株主優待は取れませんが、売買益のパフォーマンスの大きさを確認できます。
▼検証結果

勝率:90.48%
勝ち数:19回
負け数:2回
引き分け数:1回
平均損益(円):5,963円
平均損益(率):2.98%
平均利益(円):7,463円
平均利益(率):3.73%
平均損失(円):-5,310円
平均損失(率):-2.66%
合計損益(円):131,181円
合計損益(率):65.60%
合計利益(円):141,800円
合計利益(率):70.91%
合計損失(円):-10,619円
合計損失(率):-5.31%
PF(プロフィット・ファクター):13.353
平均保持日数:52.09日
検証結果を見てみると、勝率は90.48%、平均損益は+2.98%です。勝率が高く、平均損益もプラスであるため、株価の値上がりが期待できる銘柄と言えるでしょう。
注目度の高い人気の銘柄は、権利確定日が近づくにつれて株価が上昇していく傾向にありますが、権利確定日直前にあわてて購入すると、高値づかみして不用意な損失を被ることもあるでしょう。先回りして、お得に優待銘柄を獲得しましょう。
なお、一年の中で7月は優待銘柄の数が少ない月の1つです。数が少ない分、優待狙いの投資家の買いも集まりやすく、権利確定日直前は株価が上昇しやすくなります。今のうちに7月の優待銘柄を仕込んでみてはいかがでしょうか。
株の売買に際して、今回のように簡単な検証をすると、これから行おうとしている投資で「どの程度リターンを期待できるか」「どの程度リスクがあるのか」を事前に把握できます。検証を行ってから投資すれば、きっと安心感が違うことでしょう。
※このテーマでの検証は、【システムトレードの達人】を使っています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。