老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、60歳前半にもらえる特別支給の老齢厚生年金は、現在66歳で65歳から年金を受給している方でももらえるのか説明します。

■Q:現在66歳の女性です。65歳から年金をいただいています。60歳前半にもらえる特別支給の老齢厚生年金を今から請求できますか?
「現在66歳の女性です。65歳から年金をいただいています。最近目にする60歳前半にもらえる特別支給の老齢厚生年金とはどういったものでしょうか? 今からでも請求できるものなのでしょうか?」(匿名希望)

■A:相談者に特別支給の老齢厚生年金の受給資格があった場合、65歳になられ年金請求をした時に、未支給の年金(特別支給の老齢厚生年金)は一括で支給されています
特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金に加入していた期間が1年以上ある人のうち、要件を満たした生年月日の人が、65歳になる前に受け取れる年金です。昭和60年の法律改正で設けられた制度です。特別支給の老齢厚生年を受け取れる人は、次の要件を満たしている必要があります。

【特別支給の老齢厚生年金の受給資格】
・男性:昭和36年4月1日以前生まれ。
・女性:昭和41年4月1日以前生まれ。
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある。

・厚生年金保険などの加入期間が1年以上ある。
・生年月日に応じた受給開始年齢に達している。

相談者は、66歳の女性ということで昭和34年生まれと考えられます。厚生年金の加入期間が1年以上あるなどの受給要件を満たしていれば、61歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

相談者は、すでに老齢年金を受け取っているとのことですので、厚生年金の加入期間が1年以上あれば、61歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れる要件を満たしています。

その場合、61歳になるおよそ3カ月前に、緑色のA4サイズの封筒で年金請求書類が郵送されていたと考えられます。その際に特別支給の老齢厚生年金の請求をしていなかった場合でも、65歳で年金を請求した際に、特別支給の老齢厚生年金分が一括で支払われている可能性があります。

詳細については、年金事務所に確認してみるといいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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