暑い夏を健康に乗り切るために、まず大切なのは十分な水分補給です。そして、水分補給においても食生活においても、間違いやすいポイントがあります。
■真夏の水分補給は最重要だが「冷た過ぎ」はNG!
水分補給はまず何よりも大切なのですが、注意すべきは飲み物の温度です。暑いからと、キンキンに冷やした冷たいものばかりを飲んではいけません。
暑いと、よく冷えた飲み物で、芯から体を冷やしたいと思うかもしれませんが、体が冷える感覚は一瞬です。外気温で暑くなってくると、また冷たいものを求める悪循環に陥りがちになります。これを繰り返すことで、夏の間に胃腸がすっかり冷え、消化吸収の妨げになってしまうのです。
結果的に、疲れが残りやすい体になってしまうので、飲み物の冷たさは適度におさえましょう。
■簡単な食事は栄養バランス面でNG! 一方で、無理に食べ過ぎるのも逆効果
食欲がわかないからと、そうめんなどの手軽な食事で済ますのも、おすすめできません。夏の暑さを乗り切るために必要な栄養素が不足してしまうからです。
反対に、夏バテ対策のために、無理をしてでもしっかり食べようとする人もいます。しかし、無理に食べようとするのもまた、実は逆効果。量は多くなくてよいので、なるべく多くの種類の食材を少量ずつ食べるようにすることが大切です。
■食欲が出ないときは「香り」の力を上手に活用して
ほどよい食欲がわかないときは、香りの力を利用してみてみるのもおすすめです。カレー粉などの香辛料や、大葉、ニンニク、しょうがなどの香味野菜を上手に取り入れることで、食欲がわきやすくなります。
「夏バテしそうだな」と感じたら、まずは適温を心がけながらしっかりと水分補給を。そして体に無理のない方法で、上手に栄養バランスのよい食事を心がけることが、暑い夏を元気に乗り切る助けになります。
■参考
・夏バテを防止するには?(農林水産省)
・8月 夏バテしない生活習慣を! | 健康サポート (全国健康保険協会)
▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。