「まさか、うちの夫に限って」。そう思い込んでいたら、ある日突然、裏切りの事実が発覚する……。
悲劇を防ぐには、その「前兆」を見逃さないことです。

今回は、夫が浮気に走りやすい5つのタイミングと、その場面ごとに妻ができる「防止の一手」をご紹介します。

■1. 子どもが生まれた時
子育てがはじまると、夫婦にとって子どもは世界の中心になるもの。もちろん、これは自然なことですが、一部の夫にとっては突然、妻が「自分に関心を持たなくなってしまった」と感じる大きな転機でもあります。

孤独感の高まった夫は、家庭の外に癒しを求めようと浮気に走るパターンもあるのです。

この時期に浮気を防ぐには、たとえ数分でも子育ての合間に夫婦で向き合う時間を確保すること。そして「おつかれさま」「ありがとう」といった感謝やねぎらいの言葉を忘れず、口に出すことです。

■2. 夫婦間の会話が減った時
「仕事で疲れているから余計なおしゃべりをしたくない」「最低限の連絡事項だけで十分」などと、夫婦間の会話が激減するのも夫の浮気スイッチが入りやすくなるタイミング。

会話が減って、どこか冷たい空気が流れはじめた家庭を、夫は居心地がよくないと感じ、安らぎを求めて妻以外の女性に逃げたくなるからです。

こうなってしまった場合に妻が最初にすべき夫の浮気予防策は、「笑顔でいること」です。急におしゃべりになったり、無理に明るく振る舞うのは不自然かもしれませんが、せめて笑顔で「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえりなさい」を言ってみてください。

それだけで夫婦間の空気はすっと軽くなるはずです。


■3. 夫の仕事に感謝や共感しなかった時
昇給や昇進といった夫の仕事での成功や努力に対してよろこんだりねぎらったりするどころか、「もっと稼いでくれたらいいのに」「家事も手伝わないくせに」などと、つい不満をぶつける妻は意外と少なくないようです。

ところが、そんなふうに努力を認めず批判ばかりする妻より、「自分を理解してくれる人にそばにいてほしい」と夫は思うもの。そして、妻以外の女性に心が傾くようになるのです。

夫が仕事でうまくいった時こそ、妻の共感力は試されるもの。成功の背景にある努力をねぎらい、認める姿勢が夫の心が離れていかない予防策になります。

■4. 妻が「女」を忘れた時
「家にいる時くらいはラクな恰好をしていたい」という気持ちはよくわかります。ですが、着古した部屋着とすっぴんの姿で毎日いるのは、夫の浮気のリスクが高まることにもつながります。

家庭内の妻の姿しか見ていない夫は、キレイを心がけている妻以外の女性に出会った瞬間、ときめいてしまうかもしれないのです。

毎日ではなくても、たとえば週末の1回だけ「いつもより少しだけおしゃれをして食卓を囲む」といった、小さな工夫をしてみてください。夫のためだけではなく、自分の幸せのためにもキレイで可愛くいましょう。

■5. 妻が夫以外のことに夢中になった時
妻が自分より大事な何かに心を奪われていると感じた時、夫は浮気に走ることもあります。

「仕事に復帰して毎日いきいきしはじめた」「新たな趣味に夢中になって外出も増えた」といった、一見、よろこぶべき妻の変化にもかかわらず、「自分を置いて変わってしまった妻」に対し疎外感や嫉妬を感じ、「もっと自分を大事にしてくれる女性といたい」と考える夫もいるのです。


この場面での夫の浮気の芽をつむには、「あなたの理解があったから今の私がある」というように、夫の存在感の大きさをきちんと肯定し、伝えるようにします。夫婦の間にほかの女性が入り込む余地をつくらないことが大切です。


■浮気を防ぐ「小さな気づき」と「少しの努力」
夫が浮気をするタイミングには、必ず「心のスキマ」があります。その心のスキマは妻の「気づく力」と「寄り添う工夫」で埋められるもの。

もしも今の夫婦関係に不安を感じているなら、今日から小さなアクションを起こしてみてください。「前兆」を見逃さずに行動することが、いつまでも円満な夫婦関係を続ける秘訣です。

▼岡野 あつこプロフィール夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。

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