老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、74歳で退職する場合に、失業給付金的なお金にがもらえるかについてです。

■Q:契約満了で74歳退職。失業給付金的なお金はもらえますか?
「65歳で転職し、73歳まで老齢基礎年金を受給しながら働いてきました。年収は約650万円で、70歳まで厚生年金にも加入していました。雇用保険も現在まで支払っています。74歳になりますが、自己都合退職ではなく、契約期間満了で会社の都合で退職した場合、ハローワークで再就職を希望すると失業給付金的なお金はもらえますか?」(自己都合退職ではありませんさん)

■A:再就職の意思があれば「高年齢求職者給付金」の対象になる可能性があります
74歳で契約期間満了によって退職され、再就職を希望されている場合、いわゆる失業給付(雇用保険の基本手当)とは異なりますが、65歳以上の方向けに用意されている『高年齢求職者給付金』という制度があり、一時金として支給される可能性があります。

この制度は、退職後も働く意思と能力があり、求職活動をしているにもかかわらず就職できない高年齢者に対して、一時金として支給されるものです。

高年齢求職者給付金は、原則として一時金での支給となり、その額は雇用保険の加入年数によって異なります。

・被保険者期間が1年未満の場合:基本手当の30日分
・1年以上の場合:基本手当の50日分

この「基本手当」とは、退職前6カ月間の賃金総額を180で割り、その金額の50~80%に相当する額で、賃金の低い方ほど給付率が高くなります。上限と下限も定められています。

注意点として、給付を受けられる期間は退職日の翌日から1年間です。
求職申し込みが遅れると、本来受けられるはずの給付の一部を失ってしまう可能性がありますので、退職後はなるべく早くハローワークで求職の手続きを行いましょう。

自己都合で退職した場合は、7日間の「待期期間」に加えて、原則として1カ月間の給付制限期間があります(※2025年4月以降の制度改正により、従来の2カ月から短縮されました)。

ただし、今回のように契約期間満了であり、かつ本人が継続を希望していた場合など、会社都合とみなされるケースではこの1カ月の給付制限は適用されません。

今回のように契約期間満了での退職であっても、本人が継続雇用を希望していた場合や、契約更新の可能性が示されていた場合には、「会社都合退職」として扱われる可能性が高くなります。

さらに安心していただきたいのは、この給付金は老齢年金と同時に受け取ることが可能という点です。年金と並行して受給することで、再就職までの生活費の補てんとして役立つでしょう。

申請には以下の書類が必要です。

・離職票(1および2)
・マイナンバーカード(または個人番号と身元確認書類)
・最近撮影した顔写真(縦3.0cm×横2.4cm)
・本人名義の通帳またはキャッシュカード(金融機関により異なる場合あり)

詳しくは、厚生労働省の案内資料をご確認ください。

以上のことから、再就職の意思があり雇用保険の条件を満たしていれば、ハローワークにて説明を受けたうえで申請することをおすすめします。高年齢求職者給付金は、今後の生活の安定にもつながる有効な制度です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。
日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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