金融庁の報告書に端を発して話題となった「老後2000万円問題」など、老後の心配事といえばやはりお金ではないでしょうか。もっと出世しておけばよかったと現役時代に後悔を持つ人もいるようです。


現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、大阪府在住85歳男性のケースをご紹介します。

■回答者プロフィール
回答者本人:85歳男性
同居家族構成:本人、妻(81歳)
住居形態:持ち家(戸建て)
居住地:大阪府
リタイア前の雇用形態:正社員
リタイア前の年収:1100万円
現在の預貯金:100万円、リスク資産:1億円
これまでの年金加入期間:厚生年金440カ月

■現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):6万5000円
老齢厚生年金(厚生年金):15万5000円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし

配偶者の年金や収入:年金6万6000円、株の配当70万円(年額)

■「年金だけでは毎月足りないが、上を見ればきりがない」
現在の年金額について満足しているか、の問いに「どちらでもない」と回答した今回の投稿者。

その理由として「上を見ればきりがない」と語っています。

ひと月の支出は約「12万~13万円」とありますが、不測の事態で出費が増えることもあり実感として年金だけでは「毎月足りない」と回答されています。

■「年金不足分は株の配当金で賄っている」
年金で足りない支出については「株の配当金が年に240万円あるので、そこから引き出して」賄っているという投稿者。

株式投資は「学生時代からやっていた」そうで、「50歳の頃のバブルで1億円になるも、その後のバブル崩壊で5分の1の1800万円になる。その後も懲りずにコツコツと売買し、定年の60歳のころには3500万円に増えた」と言います。

いっぽうで「同年代で株の投資をしている人が少ないように感じている」と投稿者。貯蓄派の人には「比較的安心な株もあるし、配当3%は確実という株も多くある。株や投資信託などにお金の流用を考えた方がいいと思う」とすすめます。

また年金生活においては節約も心掛けているそう。
「家内がスーパーの期限切れの野菜などをよく利用していて、すぐ食べるのなら大丈夫と言っている。また家内の衣類などはネットの中古品も利用しているようだ」とあります。

■「日本人のお金の運用が活発になり、少しでも幸せな毎日を送ってほしい」
現役時代にもっとこうしておけばよかったことがあるか、との問いには「株の売買」と回答。「ブラックマンデー、バブル崩壊等の直前は株が高くなる。売って利益を確保することが必要になるが、難しくてできなかった」と悔やんでいるそう。

今の現役世代に伝えたいこととして「これから年金生活に入る人のもらえる金額が、どんどん減ってきている。彼らに幸せな老後をといつも願っている。政府もNISAなどを推奨して、みんなのお金の有利な運用を考えている。世界に比べて遅れている日本人のお金の運用が活発になり、少しでも幸せな毎日を送ってほしい」とコメント。

一方で今の生活の楽しみは、「『ああ今晩も酒がうまいなあ』といいながら家内と一杯やること。孫やひ孫たちの話題に花を咲かせているひと時が最高。あとは旅行。
この年になると外国よりも、国内の温泉でのんびりするのが一番。他にはレコード鑑賞や、ボケ防止に株の値動きをPCで確認すること」とあり、憩いの時間や趣味を大事にされているようでした。

※本文カッコ内の回答者コメントは原文に準拠しています
※エピソードは投稿者の当時のものです。現在とはサービスや金額などの情報が異なることがございます
※投稿エピソードのため、内容の正確性を保証するものではございません
編集部おすすめ