今回は、配偶者が過去に厚生年金に25年間加入していた場合、加給年金はどうなるのかについてです。
■Q:妻の私は55歳で無職ですが、過去に会社員として25年間厚生年金に加入していました。夫が来年65歳になったら加給年金はもらえる?
「加給年金についておうかがいします。現在、夫は64歳で会社員として働いており、給与から厚生年金保険料が引かれています。妻である私は55歳で無職ですが、過去に会社勤めをしており、25年間厚生年金に加入していました。
夫が来年65歳を迎えて厚生年金を受給する際、加給年金を受け取ることはできるのでしょうか。また、妻が25年以上厚生年金に加入していた場合には加給年金を受け取れないと聞きましたが、それは本当でしょうか」(かくさん)
■A:相談者の夫が65歳に到達した時点で、相談者である妻が、夫に生計を維持されていれば、夫の老齢厚生年金に加給年金額が上乗せされて受け取れます
加給年金は、厚生年金の被保険者期間が原則20年以上ある人が、65歳に達した時点で「生計を維持する配偶者または子(18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)」がいる場合に、その人の老齢厚生年金に上乗せして支給される制度です。
令和7年度(2025年度)の配偶者加給年金額は23万9300円+特別加算額17万6600円(受給者の生年月日は昭和18年4月2日以後の場合)合計で41万5900円が加算されます。
加給年金が受け取れる配偶者の要件とは以下となっています。
①65歳未満であること(大正15年4月1日以前生まれの方を除く)
②生計を維持されていること(同居・仕送り・扶養など)
③前年の収入が850万円未満(所得655万5000円未満)
ただし、配偶者に厚生年金の被保険者期間などが20年以上あり、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受ける権利がある間は、加給年金は支給停止されます。
相談者(妻)は2025年9月時点で55歳(昭和45年生まれ)。
詳細は、最寄りの年金事務所で確認してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。