「離婚しても同じ家に住み続ける」──そんな選択肢があるとは、考えたこともなかったという人も多いかもしれません。ところが、タレントの加藤ローサさんが実際に選んだのは、「籍は抜いても同居は続ける」というスタイルでした。
夫婦という枠組みを手放しつつも、子どもの生活環境は変えずに済む……これは、これからの時代を象徴する“もめない離婚”の新しい形を示しているのではないかと感じます。そこで今回は、「離婚しても同居」するメリットと、同じような選択を検討する際に大切にしたい視点について解説します。
■加藤ローサさんが選択した「離婚しても同居」とは?
「離婚したのに一緒に暮らすなんて意味があるの?」そう思う人もいるのではないでしょうか。
しかし実際には、籍を抜いても日常の暮らしを変えない夫婦が少しずつ増えています。特に子どもがいる夫婦がこの形を選ぶことが多く、離婚により泥沼化しがちな親権争いや養育に関する問題を回避する手段として注目されています。
例えば、筆者が実際に経験したケースでは、「子どもは絶対に渡したくない」と親権を強く主張したり、「離婚後は子どもに会わせたくない」と強く言い張る相談者もいました。
「離婚しても同居」は、そうした“もめる離婚”のリスクを避けつつ、子どもの環境を大きく変えずに親子関係を維持する方法の1つです。
■子どもにとっての最大のメリット
子どもにとって、もっとも大切なのは「安心して暮らせる毎日」。夫婦仲がどうであっても、子どもにとって両親はかけがえのない存在です。離婚によって突然どちらかと離れ離れになったり、引っ越しや生活環境が激変したりすることは大きなストレスとなります。
一方、「離婚しても同居」という形なら、子どもはこれまで通りの生活を続けられます。父と母、両方の存在を身近に感じながら成長できることは、子どもにとって大きな安心感につながるメリットです。
もちろん、夫婦間の葛藤を子どもに見せない努力は必要ですが、少なくとも「子どもに余計な負担をかけない」という点において、この選択は非常に有効と言えるでしょう。
■「結婚は修行」加藤ローサさんの言葉に見る意味
ちなみに筆者が今回注目したもう1つのポイントは、加藤ローサさんの「結婚は修行」という言葉でした。
もともと結婚願望が強くなかったとされる彼女が、結婚、出産、海外生活、そして離婚という一連の経験を経て、自分らしさを取り戻したのではないか……そう考えると、この離婚は決して後ろ向きなものではなく、むしろ人生を前向きに進めるための選択だったのではないかと思います。
しかも「もめる離婚」ではなく「もめない離婚」を選びました。その背景には、子どもに余計な負担をかけたくないという強い思いと、自分の人生を見据えた冷静な判断があったのではないでしょうか。
結婚を“修行”ととらえ、その経験を糧に新しい人生を築く。これは、同じ女性として大きな勇気と学びを与えてくれる姿だと感じます。
■「もめない離婚」の時代がやってくる
今後の人生をどう生きるか。そのために「離婚」という選択をするのは決して珍しいことではなくなりました。経済的な自立や子どもの成長、年齢を重ねてからの人生設計を考慮し、自分の幸せを見据えて選ぶ“今”の離婚は、むしろ前向きなステップと言えるでしょう。
「夫婦という形を変えることは怖くない」。加藤ローサさんのケースは、そのことを私たちに教えてくれました。
そして、これからは「もめない離婚」の時代。自分の人生を自分らしく生きるために、勇気を持ってこの選択をする女性が、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
離婚という言葉には、どうしてもネガティブな響きがつきまといますが、「同居を続ける離婚」という選択肢は、子どものためにも自分の人生のためにも、十分に価値のあるものです。
大切なのは、夫婦という枠にとらわれず、自分らしい幸せの形を見つけていくことです。そのための一歩として、「離婚しても同居」という選択は、これからの時代の大きなヒントとなるでしょう。
▼岡野 あつこプロフィール夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。
夫婦という枠組みを手放しつつも、子どもの生活環境は変えずに済む……これは、これからの時代を象徴する“もめない離婚”の新しい形を示しているのではないかと感じます。そこで今回は、「離婚しても同居」するメリットと、同じような選択を検討する際に大切にしたい視点について解説します。
■加藤ローサさんが選択した「離婚しても同居」とは?
「離婚したのに一緒に暮らすなんて意味があるの?」そう思う人もいるのではないでしょうか。
しかし実際には、籍を抜いても日常の暮らしを変えない夫婦が少しずつ増えています。特に子どもがいる夫婦がこの形を選ぶことが多く、離婚により泥沼化しがちな親権争いや養育に関する問題を回避する手段として注目されています。
例えば、筆者が実際に経験したケースでは、「子どもは絶対に渡したくない」と親権を強く主張したり、「離婚後は子どもに会わせたくない」と強く言い張る相談者もいました。
「離婚しても同居」は、そうした“もめる離婚”のリスクを避けつつ、子どもの環境を大きく変えずに親子関係を維持する方法の1つです。
■子どもにとっての最大のメリット
子どもにとって、もっとも大切なのは「安心して暮らせる毎日」。夫婦仲がどうであっても、子どもにとって両親はかけがえのない存在です。離婚によって突然どちらかと離れ離れになったり、引っ越しや生活環境が激変したりすることは大きなストレスとなります。
一方、「離婚しても同居」という形なら、子どもはこれまで通りの生活を続けられます。父と母、両方の存在を身近に感じながら成長できることは、子どもにとって大きな安心感につながるメリットです。
もちろん、夫婦間の葛藤を子どもに見せない努力は必要ですが、少なくとも「子どもに余計な負担をかけない」という点において、この選択は非常に有効と言えるでしょう。
■「結婚は修行」加藤ローサさんの言葉に見る意味
ちなみに筆者が今回注目したもう1つのポイントは、加藤ローサさんの「結婚は修行」という言葉でした。
もともと結婚願望が強くなかったとされる彼女が、結婚、出産、海外生活、そして離婚という一連の経験を経て、自分らしさを取り戻したのではないか……そう考えると、この離婚は決して後ろ向きなものではなく、むしろ人生を前向きに進めるための選択だったのではないかと思います。
しかも「もめる離婚」ではなく「もめない離婚」を選びました。その背景には、子どもに余計な負担をかけたくないという強い思いと、自分の人生を見据えた冷静な判断があったのではないでしょうか。
結婚を“修行”ととらえ、その経験を糧に新しい人生を築く。これは、同じ女性として大きな勇気と学びを与えてくれる姿だと感じます。
■「もめない離婚」の時代がやってくる
今後の人生をどう生きるか。そのために「離婚」という選択をするのは決して珍しいことではなくなりました。経済的な自立や子どもの成長、年齢を重ねてからの人生設計を考慮し、自分の幸せを見据えて選ぶ“今”の離婚は、むしろ前向きなステップと言えるでしょう。
「夫婦という形を変えることは怖くない」。加藤ローサさんのケースは、そのことを私たちに教えてくれました。
離婚は終わりではなく、新しい関係の形を築くための手段。
そして、これからは「もめない離婚」の時代。自分の人生を自分らしく生きるために、勇気を持ってこの選択をする女性が、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
離婚という言葉には、どうしてもネガティブな響きがつきまといますが、「同居を続ける離婚」という選択肢は、子どものためにも自分の人生のためにも、十分に価値のあるものです。
大切なのは、夫婦という枠にとらわれず、自分らしい幸せの形を見つけていくことです。そのための一歩として、「離婚しても同居」という選択は、これからの時代の大きなヒントとなるでしょう。
▼岡野 あつこプロフィール夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。
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