食料品や日用品の値上がりが続き、毎月の出費にじわじわと負担を感じている方も多いのではないでしょうか。そんな今こそ見直したいのが、日々の支出でポイントを効率よく貯める「ポイ活」です。


中でも注目したいのが、支払い方法やアプリの組み合わせによって、もらえるポイントが2倍、3倍に増える、ポイントの「2重取り」「3重取り」。今回は、コンビニやドラッグストアなど、身近なお店で手軽にできるテクニックを紹介します。

■そもそも「2重取り」「3重取り」ってなに?
まずは、ポイントの「2重取り」「3重取り」がどんな仕組みなのか、その基本から整理してみましょう。

普段の買い物では、つい現金で支払ってしまう方も多いかもしれません。しかし、現金払いではポイントは付きません。その点、クレジットカードで支払えば、カード会社からのポイントが加算されます。さらに共通ポイントカードやお店独自の会員証を提示すれば、同じ支払いから複数のポイントを同時に獲得できます。

これが「2重取り」「3重取り」と呼ばれるテクニックです。ここからは、ポイントの2重取り、3重取りの具体例を紹介しましょう。

■いつも利用するお店で賢く2重取り!
街のスーパーやコンビニでは、クレジットカードと共通ポイントカードを組み合わせると、効率的にポイントを貯められます。最近では、電子マネーやスマホ決済と、ポイントカードを組み合わせて使う人も増えています。こうした方法を上手に活用すれば、1回の買い物でも複数のポイントを同時に貯められます。


例えば、セブン-イレブンでは「セブン-イレブンアプリで会員コードを提示」と「三井住友カードのスマホタッチ決済」を組み合わせると、最大で10%のVポイント還元が可能です。

ただし、最大10%のポイント還元を受けるためには事前の準備が必要で、アプリのインストールや会員登録、「7iD」と「Vポイント」のIDとの連携などを済ませておくことが必須となります。

面倒に思う人もいるかもしれませんが、一度設定を済ませてしまえば、その後は普段の買い物で自動的にポイントが貯まり、200円(税抜)の購入で10%つまり、20円相当がお得になります。

■ドラッグストアは、ポイントの宝庫!3重取りも可能!
ドラッグストアは、ポイントを効率よく貯めるための「ポイント多重取り」が実践しやすい代表的な場所です。

多くの店舗では、共通ポイントと店舗独自のポイントを同時に貯められるだけでなく、クレジットカードやスマホ決済、アプリクーポンなどを組み合わせることで、さらにお得にポイントを獲得できます。

実際にどんな組み合わせで、どれだけのポイントをもらえるでしょうか?

例えば、dポイント加盟店である「マツモトキヨシ」や「ココカラファイン」では、d払いの支払い方法にdカードを設定したうえでd払いすることで、①d払いで200円(税込)で1ポイント、②dカードをd払いの支払い方法に設定することで、200円(税込)で1ポイントと合計1%の還元率を得られます。

さらに、③dポイントカードを提示することで、100円(税込)で1ポイント(還元率1%)も得られ、1回の買い物で3重取りができ、2%(200円で4ポイント)のポイント還元を得られます。

月5000円(税込)の買い物をするなら……
・d払いの支払い方法にdカードを設定(0.5%)=25ポイント
・d払いでの決済(0.5%)=25ポイント
・dポイントカードの提示(1%)=50ポイント
合計で100ポイントとなり、実質還元率は2%です。

年間に換算すると1200ポイント(100ポイント×12カ月)となり、日常の買い物でも節約効果が期待できます。

さらにdポイントの場合、5段階のランク制でさらに特典ポイントも得られるため、筆者もdポイントを意識して貯めています。例えば、たくさん買い物した翌月は5段階中、上から2番目の4つ星になり、3重取りで還元率3%をいただいています。

■最初の準備で、ポイントの取りこぼしを防ぐ
決済をよりスムーズにし、ポイントを取りこぼさないためには、ポイントカード一体型のクレジットカードや会員証機能のあるアプリを活用するのがおすすめです。
最近では、「電子マネー」や「QRコード決済」と共通ポイントが連動する店舗も増えているため、定期的に確認して効率よく貯めましょう。

このように、ちょっとした工夫でポイントの「2重取り」「3重取り」は十分可能です。最初は少し準備が必要かもしれませんが、一度設定してしまえば、あとは普段通りの買い物でもポイントがしっかり貯まるようになります。

月々はわずかでも、年間で見れば数千円から1万円以上の差になることも。無理のない範囲で、まずは1つの組み合わせから始めてみてはいかがでしょうか。

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)

「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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