2025年10月6日から募集開始した個人向け国債・変動10年(第187回債)の金利は「1.08%」です。今回は、個人向け国債・変動10年を100万円購入した場合、半年後にもらえる利息はいくらになるのか解説します。


■個人向け国債・変動10年を「金利1.08%」で100万円購入すると、半年後にもらえる利息はいくら?
個人向け国債・変動10年(金利1.08%/年)を100万円購入した場合の6カ月後の利息の計算は以下のとおりです。

【半年後にもらえる利息】
・100万円×1.08%×1/2(半年間であるため)=5400円

実際は、受け取った利息から、税率20.315%分の「1097円」が差し引かれます。税率の内訳は、「所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%」です。

そのため、個人向け国債・変動10年を金利1.08%で100万円購入すると、半年後にもらえる税引き後の利息は「5400円-1097円=4303円」となります。

参照:変動10年「第187回債」財務省

■個人向け国債の3つの魅力
個人向け国債は、国が発行する安全性の高い金融商品です。1万円から購入でき、元本保証付き。投資初心者にとっても安心して始められる点が人気の理由です。ここでは、そんな個人向け国債の3つの魅力をご紹介します。

●個人向け国債の魅力1:元本割れがない
個人向け国債は、満期になると最初に預けたお金(元本)がそのまま返ってきます。たとえ景気が変動しても、元本価格が変動することはありません。利子も半年ごとに国から支払われるので、「お金を減らしたくない」という人にも安心して始められる商品です。

●個人向け国債の魅力2:最低金利を保証
個人向け国債には、「変動10」「固定5」「固定3」の3タイプがあり、いずれも年「0.05%」の最低金利が保証されています。


●個人向け国債の魅力3:少額から始められる&柔軟に使える
個人向け国債は、1万円から購入できるため、まとまった資金がなくても無理なくスタートできます。また、購入から1年間は解約できませんが、それ以降はいつでも1万円単位で中途換金(解約)が可能です。

さらに、個人向け国債は、1万円単位で譲渡や相続も可能です。将来の資産移転や相続対策としても活用できます。

■個人向け国債の「中途換金」とは?
個人向け国債は、購入から1年間は解約できませんが、それ以降はいつでも1万円単位で中途換金が可能です。急な出費が必要なときにも対応できる点が安心ですね。

ただし、中途換金をするときは、「直前2回分の各利子(税引き前)相当額×0.79685」が差し引かれるため、受け取れる利息が減る点には注意が必要です。

なお、1年以内でも特例として換金できるケースがあります。

・口座名義人が亡くなった場合
この場合は、相続人の方による中途換金が可能です。申請の際には、相続人たる地位を証明する書類などが必要です。

・災害救助法が適用される大規模災害で被害を受けた場合
この場合は、災害救助法が適用された市区町村に居住されている口座名義人による中途換金が可能です。申請の際には、罹災証明書、罹災届出証明書といった公的機関が証明する書類などが必要です。


いずれの場合も、詳しい手続きについては口座を開設されている取扱機関へお尋ねください。

参照:個人向け国債「中途換金についてのよくある質問」財務省

■まとめ
個人向け国債は「大きなリターン」よりも「安全に資産を守る」ことを重視したい人に適した商品です。

「元本保証」「最低金利の保証」「少額から始められる」など初心者の方にも安心な仕組みに加え、購入から1年経過後からは、1万円単位で中途換金が可能という柔軟性も魅力です。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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