声優、アーティストとして活躍中のニノミヤユイさんの3rdシングル「今世大革命」が本日、2月28日にリリース! TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』EDテーマなどが詰まった注目のシングルについて、ニノミヤさんに制作秘話や曲に込めた思いなどを語っていただきました。

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――コンセプトミニアルバム「本壊」のリリースから約4ヵ月が経過しました。
その間に開催された「ニノミヤユイ LIVE TOUR ~本壊~」の感想からお聞かせください。

ニノミヤ これまでの我慢が報われた気がしました。というのも、アーティストデビューからの3年間、声出しOKのワンマンライブ開催をずっと願っていたので、それがついに実現して、一生忘れられない思い出になりました。
実は、開催するまでは「ファンの皆さんに心から楽しんでもらえるだろうか」という不安もあったんです。でも、当日皆さんが思いっきり身体を揺らして、全力で声援を送ってくれていたのをみて、私の心配は杞憂だったんだと安心しました。

――ニノミヤさん自身も心からライブを楽しんでいたのが伝わって来ました。


ニノミヤ 本当に楽しかったんですよ! セットリストの中には、コロナ禍にリリースした曲もあって、声出しOKのライブで初披露する楽曲もあったんですけれど、皆さんが全力でコールアンドレスポンスをしてくれて、本当に嬉しかったです。

――そんな中、3rdシングル「今世大革命」がリリースとなります。「本壊」制作時と比べ、音楽活動のスタンスに変化はありましたか?

ニノミヤ ありました。当時と今では、目指しているポイントが違うんです。「本壊」を制作していた時は「自分の新たな一面を見せたい」という思いがあり、これまでに挑戦したことがないジャンルの曲にどんどんチャレンジしていましたが、今回は「ニノミヤユイらしさを突き詰めていきたい」という気持ちが強くて。なので「今世大革命」はニノミヤユイ要素が強く感じられる楽曲になっています。


――本楽曲制作はいつ頃スタートしたのでしょうか?

ニノミヤ 「本懐」の収録楽曲を作っている最中だったと思います。ある日、突然小さな箱をスタッフさんから渡されまして。それを開けたら「『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』エンディングテーマを担当することが決定しました!」と書いたメモが入っていたんです(笑)。

――粋な知らせ方ですね! メモを見た瞬間は驚いたのでは?

ニノミヤ もちろん驚きました! その瞬間を撮影した動画もあるのですが、アタフタしてまともにしゃべれなくなってしまって、お蔵入りになっています(笑)。

――そんなことがあったとは(笑)。では、『ようこそ実力至上主義の教室へ』(以下『よう実』)という作品の第一印象もお聞かせください。


ニノミヤ 最初に作品のことを知ったのは、主題歌を担当することが決まるより前でした。その時はタイトルを見て「”学園物” かつ ”バトル物”!? そんなの好きに決まってるじゃん!」と思ったのを覚えています。きっとみんなで一致団結したり、甘酸っぱい恋愛があったりとかするんだろうな、と想像していたのですが……。

――読んでみたら想像と違ったと?

ニノミヤ そうなんです。まさかこんなにシリアスな作品だなんて……。容赦無く相手を絶望に追い込み心を折ったりするので衝撃でした。
加えて、そのシリアスさが、物語が進むにつれて加速していくことにも驚かされました。果たしてここにどんなエンディング曲を用意すればいいのか……とても悩みました。

――楽曲のテーマはどのように決めていきましたか?

ニノミヤ 第一に、とにかくインパクトのある楽曲にしたいということを考えました。作品に寄り添いつつも、これまでのエンディングとは一線を画す楽曲にしたかったんです。ただ、具体的なアイディアは何も思いつかなくて……。そんな中で100回嘔吐さんに相談することころから制作がスタートしていきました。


――100回嘔吐さんとはどんな話をしたのでしょうか?

ニノミヤ まずは私が『よう実』の物語に寄り添った歌詞の原案のようなものを書いたんです。それを100回嘔吐さんにお渡しして、楽曲については「インパクトのある楽曲を作ってください」とだけお願いして作っていただきました。

――出来上がった楽曲を聴いた時の印象は?

ニノミヤ こんなポップなナンバーになるとは思わず、最初は驚きました! ただ、よくよく聴いてみるとダークな部分もあり、作品の空気感も上手くすくい上げてくれているなと。100回嘔吐さんにしか作れない、素晴らしいバランスの曲だと感じました。

――歌詞は、ニノミヤさんと100回嘔吐さんの連名になっていますが、どのように作詞されたのでしょうか?

ニノミヤ 曲に合わせて100回嘔吐さんに書き直してもらっているのですが、ところどころで私が書いた原案からキーワードを拾って入れ込んでいただいています。「打算的に平凡」なんかは、原案にあったフレーズをそのまま活かしてもらっています。


――レコーディングはいかがでしたか?

ニノミヤ 100回嘔吐さんにディレクションをしていただきながらレコーディングしていきました。その時に印象的だったのが「歌声に ”冷静さ” と ”可愛いさ” を両立させてほしい」というディレクションでした。

――”冷静さ” と ”可愛いさ” 、ですか。

ニノミヤ はい。最初はどうしたらこの二つを両立させることができるか悩みました。ただ、歌っていく中で、もしかして100回嘔吐さんがおっしゃっているのはボーカロイドっぽい歌い方なんじゃないかと考えるようになって。ボカロPでもある100回嘔吐さんらしいディレクションだったと感じました。

――完成した楽曲を聴いていかがでしたか?

ニノミヤ すごくいい曲ができたと手ごたえを感じました。一見ポップだけど、その向こう側に孤独や闇が垣間見える……『よう実』の世界観に寄り添いつつ、インパクトも感じられる曲になりました。ただ、実際にアニメのエンディング映像を観るまでは「本当にこれで良かったのだろうか?」という不安もあったんですよ。

――どういった部分に不安があったのでしょうか?

ニノミヤ これまでの『よう実』のエンディングは、ダークさを前面に押し出した曲が多かったので、いきなりこんなポップな曲を持ってきて視聴者の皆さんに受け入れてもらえるのかしらと……。

――放送を観た後、不安は晴れましたか?

ニノミヤ 晴れました! アニメのラストにこの楽曲が流れているのを観て、私の考えは間違ってなかったと思うことができました。加えて、映像も魅力的で……坂柳(有栖)ちゃんが最高に可愛かったです!

――もともとエンディング映像に坂柳が登場するというお話はお聞きになっていたのでしょうか?

ニノミヤ 知りませんでした(笑)。なので、映像を観た時は驚きました。エンディングの映像を観ると坂柳ちゃんに向けて作った曲のように聴こえて……アニメ制作サイドの粋な計らいだなと感じています。

――表題曲は、ニノミヤさんがライバーを演じるMVも公開されています。

ニノミヤ そうなんです。私が扮する底辺配信者・ニノマエハジメが成り上がっていく姿を描いたストーリー性のある映像になっています。完成した曲を聴いてイメージを膨らませて作っていただいたMVとなっているので、是非とも観ていただきたいです。

――第5話のエンディングでは、3rdシングルの「よう実盤」に収録される「Fixer」も使用されました。

ニノミヤ こちらは「今世大革命」があらかた出来上がってから依頼をいただいて作った楽曲です。『よう実3rd Season』のストーリー上、シリアスな終わり方になるエピソードが出てくるので、その時に使うエンディングを別途作ってほしいというお話をいただき、こちらも100回嘔吐さんにお願いして作ってもらいました。

――届いた曲を聴いた際の印象はいかがでしたか?

ニノミヤ こんなに静かさとダークさを全開にした曲を作るイメージが100回嘔吐さんに無かったのでとても驚きました。サビの最初に「誰も信じない」がくるとか、歌詞もすごいんです! 100回嘔吐さんの心の深いところを垣間見た気がしました。

――「今世大革命」のアーティスト盤に収録されるカップリング曲「メロディー」についても伺います。こちらは作曲を早川博隆さんが担当していますね。

ニノミヤ 「今世大革命」アーティスト盤のカップリング曲をどうしようかと考えた時、ジャズっぽい曲を作りたいと思ったんです。それで、二ノ宮ゆいとして参加させていただいている『swing,sing』のサウンドプロデューサーの早川博隆さんに相談して作ってもらったのがこの「メロディー」です。

――ジャズをやりたいと思ったのは何かきっかけがあるのでしょうか?

ニノミヤ 「ライブ映えする曲が作りたい」という思いがあったんです。これまでにもジャズテイストの曲を何曲か歌わせていただいているのですが、その全てがライブですごく反響があって。そこに仲間入りする曲を作りたいと思ったんです。

――「メロディー」の第一印象を教えてください。

ニノミヤ いつもそうなのですが、早川さんが作る楽曲ってすごく難しいんです。ボーカルの人が歌えるギリギリの難易度みたいな曲を作るので、今回も受け取った時は「これ本当に歌えるのかな……」と思いました(笑)。

――作詞作業はどのように進めたのでしょうか?

ニノミヤ この曲も、作曲の依頼をする段階で仮の歌詞を私が書いて早川さんにお渡ししたんです。それに合わせて曲を作っていただき、曲に合わせて私が歌詞をリライトするという流れでした。
早川さんの作る曲はジャズでありながら日本語が映える作りになっているので、作詞はすごく楽しかったです。

――「メロディー」が収録される「アーティスト盤」のジャケットからもニノミヤさんらしさを感じました。

ニノミヤ それはよかったです! 自分の中で「ニノミヤユイは明るい昼っぽいアーティストではない」という意識があって。どちらかというと夜……その中でも物寂しい感じの空気感が私にはしっくりくるんです。なので、今回のジャケットも夜の誰もいない公園で撮影させていただきました。

――次にチャレンジしてみたい曲の構想はありますか?

ニノミヤ 今回はダンスミュージック系の楽曲を制作したので、次はストレートなロックナンバーに挑戦できたらと思っています。聴いていてヘドバンしたくなるような曲だけど、私に合うちょっとダークな雰囲気の曲を作ってみたいですね。

――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

ニノミヤ 前作「本壊」でのチャレンジングな楽曲たちを経て、今回は原点回帰、まさにニノミヤユイと言える楽曲ができたと思っています。是非ともたくさん聴いてもらえたらと思います。今後とも応援よろしくお願いします。