5月10日(金)より全国ロードショーがスタートする劇場アニメ『トラペジウム』のプレミア試写会が、4月25日(木)に東京・新宿バルト9で開催。原作者である高山一実や監督、キャスト陣らが、本作へ込めた想いなどを熱く語ってくれた。


『トラペジウム』は、2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載を開始し、2018年に単行本化された高山一実による青春小説。現役トップアイドルが描くリアルな描写と等身大の青春像が読者の共感を呼び、累計30万部突破の大ヒット作となった。今回の映画化にあたっては、『ぼっち・ざ・ろっく!』『SPY×FAMILY』など、数々の人気作品を手掛ける「CloverWorks」がアニメーションを制作。原作者である高山一実がシナリオ制作など映画制作に深く関わり、アニメーション制作スタッフとともに完全版『トラペジウム』として再構築された内容となっている。

高校1年生の東ゆうは ”絶対にアイドルになる” ため、自らに4箇条を課して高校生活を送っていた。「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」。
別々の高校に通う東西南北の”輝く星たち”を仲間にしたゆうが、高校生活をかけて追いかけた夢の結末とは――。

【関連写真】高山一実、結川あさき、木全翔也(JO1)の舞台挨拶を見る(写真7枚)

今回のプレミア試写会では原作者である高山一実、ヒロインの東ゆう役の結川あさき、ゆうの協力者である工藤真司役の木全翔也(JO1)、篠原正寛監督の4人が登壇。
初のお披露目となる本作について、高山は「数年前に書いてた小説がこんなに大きなものになるとは……ありがたいなという思いでいっぱいです」と感無量といったようす。
アニメの制作にも深くコミットしていたらしく「初めての経験だったのでプロの方にアドバイスをいただきつつ、小説内では見えなかった風景や雰囲気を聞いていただけたのは嬉しかったです。私もそれに応えたいという思いで意見を挟ませていただきました」と感慨深げに制作現場での思い出を振り返ってくれた。
また完成した映像を見たときには「小説とは全然違うものになっていますね。
同じ東ゆうですが、けっこう雰囲気が変わってますし、それぞれ魅力がありますので、ぜひ感想をいただけたら」と小説、アニメのどちらも楽しんでほしいと笑顔を見せた。

篠原監督は『トラペジウム』という作品を読んだ感想として「高山さんの味や毒をはじめとしたいろんなものが詰まっていたので、そういった部分を大事に作っていこうと思った」とコメント。そのためシナリオを担当した高山と密に意見交換しながら「小説で描ききれなかったものや、描きたかったものをアニメの中で少しでも届けられたら」という意気込みで制作を進めたと語った。

東ゆう役を演じた結川は今回が映画初主演。「高山さんをはじめ監督やスタッフの皆さんに、東ゆうとして私を選んでいただいたことがとても嬉しくって」とはにかみつつ、「まだ経験が少ない頃だったので、けっこう拙いところもあったと思うんですが、スタッフの皆さんがすごい優しくて」と緊張や責任の重みを感じたとアフレコ当時の思い出話などを披露。特に高山からは「ゆうそのまんまです」と言葉をかけてもらえたそうで、「その言葉を胸に、頑張って収録に臨みました」と嬉しそうに語ってくれた。


そんなゆうのオーディションには高山と篠原監督も同席。篠原監督はテープ・オーディションの段階から高山やスタッフと「結川さんはすごくゆうだね」と話をしていたほど、結川の演技が気になっていたようす。実際にスタジオでのオーディションで聞い際も「ゆうだね」と断言できる演技だったそうで、高山も「第一声発したときに、監督と私で無言でうなずき合ったことをよく憶えています」と即決で結川に決まったという裏話を紹介。二人からの高い評価に結川は「嬉しい! ありがとうございます」と満面の笑みを浮かべていた。

木全は出演のオファーに「すごくビックリした」とコメント。映画での声優仕事は初ということで、「すごい緊張しました」と語ったように収録は手探り状態で進んでいったとのこと。
完成した映像を見ての感想としては「僕の人生とも重なる部分が多かったので、泣きながら観させてもらいました」と心に強く響いたようす。また自身が演じた真司とは身長がほとんど一緒だったりと共通点も多かったらしく、「真司を僕に巡り合わせてくださって感謝の気持ちでいっぱいです」とアイドルとして夢を追いかける自分とよく似た、真司というキャラクターを演じることが出来たことを喜んでいた。

ここで高山とも親交があり、本作ではボランティアで外国語通訳をしているお爺さん・伊丹秀一役を演じたお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良によるビデオメッセージがスクリーンに映し出されることに。
内村は6ヶ国語を話すボランティアガイトの伊丹について「本編では一切英語とか話していません。オール日本語でお送りします」と会場を笑わせつつ、「監督からは『もっとお爺さんで』と繰り返し言われて、すごい爺さんの声になっています。そこら辺も楽しみにしていただけたら(笑)」と演じた伊丹の見どころをプッシュ。
本作についても「アニメ化にあたって全編高山一実の色が溢れておりますので、そこもぜひ楽しんでいただけたらと思います」と力強くアピールをしてくれた。

トークのエンディングには高山から上映を楽しみに待つファンへ向けて、「おこがましいのですが、みなさんの背中を少しでも押せるような物語を作りたいなと思って描いたものです。いろんな方たちの、いろんな思いと時間が詰まっている作品ですので、どうぞ楽しんでください!」とメッセージが。
最後に高山の「トラペジウム!」の声に続いて、結川が「5月10日公開!」と呼びか、キャノン砲を発射。華やかに舞うテープと大きな拍手に包まれながら、『トラペジウム』のプレミア試写会での舞台挨拶はファンの期待感を高めながら終了となった。

映画『トラペジウム』は5月10日(金)から全国公開がスタート。
5月11日(土)には新宿バルト9で公開記念舞台挨拶も予定されている。高山一実の描く、アイドルを夢見た少女の10年間の物語。ぜひ劇場の大スクリーンで楽しんでほしい。