人類安住の地・電脳世界ディーヴァが謎のハッキングを受け、捜査官アンジェラがその狙いを探るため荒廃した地上に降下。
アンジェラ役・釘宮理恵さんと、ディンゴ役の三木眞一郎さんに作品の魅力について伺った。
[取材・構成:川俣綾加]
『楽園追放 - Expelled from Paradise -』
11月15日劇場上映
http://rakuen-tsuiho.com/
■ 水島監督からの連絡で参加が決定、嬉しい反面プレッシャーも
―アニメ!アニメ!(以下、AA)
まず、どのように役が決定したのか教えていただけますか? 企画のかなり早い段階で配役が決まったと伺っています。
―釘宮理恵さん(以下、釘宮)
この役について私たちはオーディションを受けていないんです。通常はオーディションを受けてそこで選ばれることが多いのですが、今回は水島監督の中で「誰にしよう?」と思われた時に個人的にメールをいただいたようです。
「釘宮さんにお願いしようかな~」「是非やりたいです!」というやりとりがありました。
―三木眞一郎さん(以下、三木)
そこから顔合わせがあったよね。すごく嬉しかったけれど、同時にすごく怖かったですよ。半年後の自分がどうなっているかもわからないのに、年をまたいで本番を迎えることが決まっていて、プレッシャーもありました。
―釘宮
わざわざご連絡をいただけるということは、メインの役なのかと考えて、さらにプレッシャーを感じました。その後に顔合わせをしましたが、こういう顔合わせもいつもなら無いことなんです。
―三木
顔合わせでは、シナリオをいただいて世界観やキャラクターについて説明を受けました。トレイラー的な映像もその時に見て、こんな作品なんだと把握しました。
―AA
キャラクターについては、水島監督からどんな説明がありましたか?
―釘宮
ざっくりと、大人の女性で、でも生身の身体・マテリアルボディを使って地上では少女の姿をしている、と説明を受けました。
―三木
なんだ、それ(笑)
―釘宮
ちょっと省略しすぎましたが、でもそれくらいのざっくり加減だったんです。
―三木
僕のほうもざっくりだったけどね。「おっさんです」みたいな。世界観のほうは電脳世界があって、地球がこんな状態になっていて……と。
でもとにかく水島監督からメールをいただいたり、顔合わせがあるっていう流れ自体が衝撃的でした。なかなか無いことです。
―釘宮
この座組みの中に参加させていただけて、本当に幸せだなあと思いました。
―三木
「俺たち、大きなもの背負わなきゃいけないんじゃないの!?」という気負いもあって、幸せとプレッシャーが同時に押し寄せて来ましたね。
■ 芝居に集中したアフレコ現場の様子
―AA
本作では、収録を2回行ったそうですがこれはなぜでしょうか。
―三木
作品全体の尺が決まっているので、その尺をどうとるかという“合図”として仮アフレコをしたんだと思っています。決まっている総尺に対してセリフをのせた時、「このセリフはやっぱり無しにしよう」という場合もあるだろうし、音楽をのせる時の目安としての仮アフレコというのもあるのではないでしょうか。
―釘宮
他の作業のための合図という意味で仮アフレコをして、スタッフのみなさんに作業を進めてもらいつつ、期間をあけて本番の日があるという感じです。
―AA
本番のアフレコに入ってみていかがでしたか?
―釘宮
よくインタビューで質問いただくのですが、必死で会話はあまり無かったです。お互いが水島監督や音響監督の三間雅文さんを信じ、他のスタッフのことも信じて、とにかくやるしかない! という状況でした。少人数で収録したことのもあって、そういう意味ではわりと追い込まれた状況でした。
―三木
プレッシャーから解放されることはずっと無くて、でもフロンティア・セッター役の神谷君にしろ僕にしろ、みんな初顔合わせではなかったのでスタジオで、気を使うことなくのぞめました。
―釘宮
芝居に集中できて、周りに気を使うことなく1人でアップアップできました。
―三木
頑張って1日で録りきって、終わる頃には夜の12時も過ぎていて……もしあれが2日にまたがっていたらちょっと芝居も変わってたかも。アフレコ終えて飲みに行って、本当に酒がうまかった~!(笑)
―AA
アフレコするにあたって、セルルック3DCGならではの難しさはありましたか?
―三木
三木的には、カットを追うのが難しいなと思いました。手描きのアニメだとカット変わりがハッキリとわかるけれど。ただ視聴者として見ている分にはいいけれど、工程の中にはめこまれた時にこれは難しい。
―釘宮
カットの変わりが滑らかで繋がっているように見えます。カットが変わってもすごくしっくり見えるので目で追っていくのは苦労しました。特に色数が多いカットが続くと今自分がどこにいるのか方向感覚を失って迷子になってしまいます。
私たちもまだ完成版は見ていないので、この後さらに手が入って完全な状態になると思うと早く見たいです。
―三木
1人で5回は見ます、絶対に!
後編に続く