「斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編」神谷浩史「世界で評価される日本のアニメに」ワールドプレミアレポ

Netflixオリジナルアニメシリーズ『斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編』が12月30日からの全世界独占配信に先駆け、12月15日に東京・イイノホールにてワールドプレミアを開催した。主人公・斉木楠雄役の神谷浩史、燃堂力役の小野大輔、海藤瞬役の島崎信長、才虎芽斗吏役の松風雅也、斉木空助役の野島健児、斉木國春役の岩田光央ら豪華声優陣、そして桜井弘明監督を合わせた総勢7名が登壇すると、会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。イベントには、タイトルの「Ψ」を用いて本作に関連したお題が描かれたΨ（サイ）コロが登場。登壇ゲストがそれぞれΨコロを振り、出たお題に答えていくという流れでトークが展開された。最初のお題「『Ψ始動編』の見どころ」については、“音速レベルのアフレコ”が見どころのアニメ『斉木楠雄のΨ難』シリーズとして、最新作ではテンポ、リズム、スピードが格段に上がったという点が明かされ、声優陣が口を揃えてとにかく大変だったと語る。特に主演を務めた神谷は「斉木楠雄もすごく早いセリフが多いけれど、第2期からキャラクターそれぞれが猛烈に喋る回が増えたんです。それで、周りのみんなに『神谷さん、第1期の時こんなに大変だったんですね……』ってやっとわかってもらえました。今回は満遍なくそれぞれのキャラクターの回があったので、みんなが等しく大変ってことかと（笑）」とコメント。アフレコ当時の苦労を回顧した。 また『Ψ始動編』第2話では、同じく麻生周一を原作者とするマンガ『ぼくのわたしの勇者学』のキャラクターが出演していることも話題になっている。「『ぼくのわたしの勇者学』を見た感想」というお題について、神谷は「とにかく苦労した。その苦労が一番報われた回だと思います。台本にその当時言われた演出などを書き込んでいたけど、今見返すとどういう法則で台本をチェックしたんだろうって思うくらい自分でもよく分からないメモがある」とトーク。海藤役の島崎は「原作を漫画連載の時から読んでいて、オファーがきた時も『あっ！勇者学の！』って思った。僕にとっては原点回帰の作品なんです。だから『ぼくのわたしの勇者学』でももっとアニメとして何かできるのではと思います！」と、『勇者学』についてもアニメ化への期待を述べた。続いて出たお題は「最近『やれやれ』もしくは『おっふ』と思った出来事」というもの。サイコロを振った松風は「収録で『おっふ』を言っていると、意外と日常的に使いやすく出てしまうんです。今日も会場のトイレに行ったら、いつも多いなと思っている自動のハンドソープが程よい量で出てきて『おっふ』となりました（笑）」と、まさに最新の『おっふ』なエピソードを披露する。小野は「『やれやれ』ですよ！実は今日のイベントにあわせて、メイクさんに（燃堂のように）モヒカンとアゴを割るメイクをお願いしていたのに……『今日はそういうのではないので』と言われたんです！メイクさんにはそのために、いつもより30分も前に入ってもらったのに……」という裏話を語った。さらに、Netflixで配信されるとスマホやタブレットで観られる機会が増えるということで、ファンから「ここは画面を拡大してみてほしい！／イヤホンで聴いてほしい！というところは？」という質問も。これには桜井監督が「教室のシーンはメインの後ろでいろんなキャラクターがセリフを言っているので、ぜひイヤホンで聞いてほしいです。声のバランスについては研究中です。初期の頃を見るとまだまだだなと思います」と回答し、声優陣のみならず、スタッフ一同もあくなき探究心に溢れる現場であったことを明かす。野島は「Netflixで配信されることでいつでも手軽に観られるからいいなと思います。テンションが落ちている時とかに観たらいつでも笑えるので！」と配信のメリットに触れ、改めて『斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編』への喜びをのぞかせた。イベント中盤には、アニメ第2期より登場し、楠雄を超能力者だと見抜いた謎の転校生・明智透真の声を務めた梶裕貴よりサプライズのスペシャルコメントが到着。梶は惜しくもこの日登壇できなかったことから「絶対に盛り上がりますよね。楽しそうだもん！行きたかったもん！」と悔しさを滲ませつつも、本シリーズで再び作品に携われたことについて「明智がまたみんなと一緒に過ごしている……いや、ちょっと引かれているあの空気感を演じることができてうれしかったです！」と喜びを語る。さらに神谷に対して「まるまる1話斉木楠雄だけが喋り続ける回があるとしたら、どう立ち向かいますか？」という質問が飛ぶと、キャストの中で最も“音速レベルのアフレコ”を経験している神谷は「実は第1期でそういう回があったんですが、大変すぎて何も覚えていないんです」と、記憶が飛ぶほどに挑戦の連続であった第1期を回想。また桜井監督の「個人的にはみんなでわちゃわちゃしてるシーンの方が楽しいし好きなんだよね！」という意見には一同が「確かに！」と共感する場面もあり、声優陣とスタッフ自らが楽しみながら作り上げている様子もうかがわせた。このほか、この日のために実際に現場で使用した台本を持参した神谷は、台本の厚みを観客に見せながら「明智が登場した回は本当にエグいセリフの量でした。台本も1つだけ厚さが違う！」と、アフレコ現場の過酷さを強調していた。そしてサプライズとして、この日に61回目の誕生日を迎えた桜井監督のバースデーケーキも登場。全く知らされていなかったという桜井監督は、驚きつつも「この日にイベントをすることを狙ったわけではないのですが嬉しいです！」と満面の笑みを浮かべる。神谷は「監督61歳なの!? 俺らと馬鹿みたいなことやってる年齢じゃないじゃん！（笑）」とツッコみ全員が爆笑するという、常に笑いに溢れた現場そのままの風景がステージ上に再現され、ファンたちの笑顔を誘った。イベントの最後には、神谷が「最初にアニメ『斉木楠雄のΨ難』をNetflixで配信するときいて本当に驚きました。『完結編』、そして『Ψ始動編』までできるとは、本当に幸せな作品だと思います。漫画原作をアニメーションにすることには責任が伴います。それでもこれだけ長い間、余すところなくほとんどのエピソードがアニメ化できたことは嬉しいです。アフレコは大変ですが、日本が誇る漫画原作のアニメーションが190か国に配信されて、これからさらに日本のアニメーションが世界で評価されるといいなと思います。この作品はアニメーションで命となる“画”が、あまり動かないのに面白いんです。それは監督とスタッフ、そして原作の麻生先生の力だと思います。またこの座組みでできたら嬉しいです！」とあいさつ。改めて全世界配信の喜びと、本作を通して出会えた仲間たちとの絆が語られ、本編さながらの温かい笑いに包まれながらワールドプレミアの幕が閉じられた。 Netflixオリジナルアニメシリーズ『斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編』ワールドプレミア■日時：12月15日（日）■会場：イイノホール■ステージ登壇者（敬称略）：神谷浩史（斉木楠雄役）、小野大輔（燃堂力役）、島埼信長（海藤瞬役）、松風雅也（才虎芽斗吏役）、野島健児（斉木空助役）、岩田光央（斉木國春役）、桜井弘明監督（C）麻生周一／集英社・PK学園R