小林千晃＆川島零士が「マッシュル-MASHLE-」に感じた“懐かしさ” 演じるためにお笑いの勉強も!?【インタビュー】

「週刊少年ジャンプ」にて連載されているアブノーマル魔法ファンタジー『マッシュル-MASHLE-』のTVアニメが、2023年4月7日(金)よりスタートします。本作は、甲本一さんが「週刊少年ジャンプ」（集英社刊）にて2020年より連載している同名“アブノーマル魔法ファンタジー”を原作としたTVアニメ。魔法界を舞台に、魔法が使えない少年マッシュ・バーンデッドが鍛え抜かれた筋肉を使い、魔法学校のトップ・神覚者を目指すストーリーが展開します。アニメ！アニメ！では、主人公・マッシュ役の小林千晃さん、マッシュのルームメイトとなるフィン・エイムズ役の川島零士さんにインタビュー。マネージャーさんから受けた驚きの出演発表や、本作の魅力となる日常シーンと戦闘シーンの表現の“差”について。また、川島さんがフィンを演じる上で勉強した“あること”についてなど、たっぷりと伺いました。［取材・文：米田果織 撮影：吉野庫之介］『マッシュル-MASHLE-』出演はフェイント発表だった!?――キャスト発表時のコメントで、小林さんは「以前から一読者として原作を楽しんでいた」とおっしゃっていました。本作にどのような魅力を感じているのでしょうか？小林：僕は子どもの頃から“ジャンプっ子”で、いろんな作品を読んできました。『マッシュル-MASHLE-』は、その子どもの頃に読んでいた作品の“匂い”を感じるんです。原作者の甲本先生が『ボボボーボ・ボーボボ』や『アイシールド21』などの作品に影響されたとおっしゃっていたのですが、僕もそれらの作品が大好きだったので、なんだか懐かしさを感じつつも、新鮮さも感じられる魅力的な作品だと思って読み進めていました。――川島さんは、原作を読んでどのような印象を持たれましたか？川島：僕も『ボーボボ』と『アイシールド21』を読んでいました。それこそ『アイシールド21』が好きすぎて、学校で友達とアメフトをやっていたら、修学旅行前日なのに鎖骨を折ってしまったことがあります（笑）。それほど夢中になって毎週読んでいた作品と同じものを『マッシュル-MASHLE-』にも感じ、千晃さんと同じく“懐かしい”という感覚を持ちました。――川島さんは、キャスト発表時「マネージャーさんにフェイントを織り交ぜられながら“受かった”と伝えられた」とコメントされていました。一体どんな発表だったのですか？川島：スタジオオーディションが終わってすぐに事務所へ行ったのですが、マネージャーさんに「マッシュルのオーディションどうでした？」と聞かれたんです。それで「こんな風にやって、こんなディレクションがありました」と報告したら、「そうなんですね。受かりましたよ」とサラッと伝えられました。もう、僕は「エエェェェェェェッ！！！！？」って（笑）。小林：遊ばれてるね（笑）。川島：青二プロダクションのマネージャー陣は、フェイントを入れがちなんですよ（笑）。その時に出た「エエェェェェェェッ！！！！？」という素直な反応がフィンなのかなって、そこで掴みました（笑）。――楽しいマネージャーさんですね（笑）。小林さんは普通の発表だったのですか？小林：……いや、実は僕もフェイント発表で（笑）。マネージャーさんに「資料を2件送ったから読んどいてね」と言われたのですが、1件はメール画面が真っ白になっていて読めなかったんです。翌日「エラーになってましたよ」と伝えたら、「ちゃんと下までスクロールした？」と言われて。メールのすっごい下の方に「マッシュル合格おめでとう」って書いてあったんです（笑）。「なんだこのまどろっこしい発表の仕方は！」とツッコんだ後に、嬉しさがにじみ出てきました（笑）。回を追うごとに深まるマッシュとフィンの友情関係がポイント――マッシュとフィンを演じる上で、お2人が特に重要視した部分があれば聞かせてください。小林：マッシュは淡々として見えるのですが、実はとても友達・家族思い。なので、淡々さを表現する上で「冷たい」や「嫌なやつ」だとは思われないように、根っ子にある優しさが伝わるようにお芝居することを第一にしています。川島：フィンはどのキャラクターよりもマッシュと関わるので、視聴者さんに「良いペアなんだな」と思ってもらえるようなバランスを意識しています。ボケツッコミはもちろん、マッシュの会話をしっかり聞くところもあるので、その押し引きを大事にしました。――小林さんはフィンに、川島さんはマッシュにどんな印象を持っていますか？小林：僕は、この作品の中で友達になるならフィンが良い。マッシュに無理やり友人にされた感はありますが（笑）、だんだんとマッシュのために行動してくれるようになり、自分が傷ついてもマッシュに寄り添ってくれる、本当に良いやつだと思います。フィンのそんな部分を見て、マッシュも信頼していきますしね。魔法や戦闘能力に関しては決して強い部類には入らないですが、精神的に支えてくれる包容力のあるキャラクターだと感じます。――作品屈指の常識人でもありますよね。小林：彼がいなかったら話が成立しないところも多々ありますからね（笑）。他のキャラクターの個性が飛び抜けすぎている分、視聴者が感情移入しにくいところがあると思うのですが、その点フィンは一般的な感覚を持ち合わせているので、感情移入しやすいところも魅力だと思います。――川島さんはいかがですか？川島：マッシュとフィンの関係で魅力的だなと思うのが、ジャンプ作品なんだけど「俺たち友達だろ」と言わないところ。お互い口に出すわけじゃないけれど、徐々に信頼感を高めていき、支え合うようになる。回が増すごとに距離感が縮まっていく2人の絶妙で曖昧な関係が気持ち良いなと思っています。――キャスト発表時、小林さんの髪型がマッシュに「似てる」と話題に。そのほか、性格面でお2人がキャラクターに共通点を感じた部分があれば教えてください。小林：僕もマッシュも、そんなにアゲアゲな性格ではないところが似ているのかなって。テンションの上がり下がりがないところが、演じていてやりやすいと思った部分でもありました。また、仲間や家族を大事にしているところも共通しています。自分だけじゃなく誰かのために、ということを働く（戦う）原動力にしているところ。川島：千晃さんがアゲアゲになる瞬間ってあるんですか？小林：あるよ。――例えばどんな時？小林：お酒を飲んでいる時ですかね。それ以外だと…（長考して）…ないかもしれない（笑）。お酒を飲んでいる時だけアゲアゲになります（笑）。――川島さんはフィンと共通しているところはありますか？川島：小市民で臆病なところでしょうか。現場に先輩方がたくさんいらっしゃったり、作品のプレッシャーに過剰に緊張してしまう時があるのですが、今回フィンを演じる上で「このドキドキは、あの時のドキドキだな」と演技のタネに出来ています。日常シーンと戦闘シーンのメリハリを重要視 ツッコミの勉強も？――シュールなギャグシーンと熱いバトルシーンとのギャップが魅力の本作。小林さんは淡々と話すマッシュを演じる上で、どのように差を付けたのでしょうか？小林：最初は演技に変化を持たせず、絵に任せようと思っていました。マッシュは戦闘だからといって気合いを入れるタイプではないので、日常シーンとほぼ同じトーンで戦闘にも臨んだ方が良いと思ったんです。しかし、田中智也監督が「戦闘シーンはエンタメとして楽しんでもらいたい」とおっしゃったので、少し声を張って、決め台詞はしっかり決めて……という割と王道のアクションシーンに近い演技に切り替えました。――なるほど。では、そうやって日常シーンとのメリハリを付けたのですね。小林：はい。その分、日常シーンはお芝居しすぎない、情報量を入れすぎない、淡々とした演技を求められました。川島：マッシュが「フン」といって攻撃するところ。シーンによって絶妙に言い方が違うと思っていたのですが、何か理由があるんですか？小林：マッシュがふざけた顔をしている時は「フン」で、まじめに戦っている時は「フッ」にしようと僕の中で意識的に切り替えています。川島：そういう理由があったんですね！――一方、フィンはツッコミ役として作品にメリハリを付けてくれています。アニメ作品で演じることが「難しい」と言われるツッコミ役を務めるにあたり、何か気を付けたことや事前に準備したことはありますか？小林：お笑いの勉強したんでしょ？川島：そうなんです（笑）。「おもろい話し方」という本を読んで……。小林：怪しいタイトル（笑）！川島：その中に「ツッコミの極意」が書いてあったので、それをしっかり読み込んで、現場で試しています（笑）。アニメでツッコミが「難しい」と言われる理由は、台詞の間や口パクが決まっているということが大きいです。特に『マッシュル-MASHLE-』は口パクをきっちり合わせる現場なのですが、その中で「ここは早めにいけるかも！」という細かい隙を狙って演じています。あとは、マッシュのボケのテンポや話のテンションに合わせて少し引いてみたり、神経を研ぎ澄ませて微妙に変えている感じですね。――なるほど、では本は役に立ったんですね。川島：もちろん！ 熟読したので、良ければ読んでみてください（笑）。――機会があれば（笑）。ありがとうございました！TVアニメ「マッシュル-MASHLE-」■放送情報4月7日(金)24:00より、TOKYO MXほかにて放送開始!■スタッフ原作：甲本一（集英社「週刊少年ジャンプ」連載）監督：田中智也シリーズ構成、脚本：黒田洋介キャラクターデザイン：東島久志音楽：横山克制作：A-1 Pictures■キャストマッシュ・バーンデッド：小林千晃フィン・エイムズ：川島零士ランス・クラウン：石川界人ドット・バレット：江口拓也レモン・アーヴィン：上田麗奈ナレーション：平田広明レイン・エイムズ：梶裕貴アベル・ウォーカー：梅原裕一郎アビス・レイザー：七海ひろき（C）甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会