『範馬刃牙』の原作は、「週刊少年チャンピオン」にて連載し、累計発行部数8,500万部を突破する格闘マンガ『刃牙』シリーズ。
地下闘技場の最年少チャンピオンである範馬刃牙と、“地上最強の生物”と呼ばれる父・範馬勇次郎の壮絶な死闘を軸に、様々な格闘士たちの闘いを描いており、アニメ1期(「シャドー編」「監獄バトル編」)と2期(「外伝ピクル+野人戦争編」「地上最強の親子喧嘩編」)が現在「Netflix」にて全話独占配信中だ。
TOKYO MXほかで12月24日にオンエアされる26話「恋に殉じる」より、いよいよTV放送でも「地上最強の親子喧嘩編」がスタートする。
これを記念し、原作者・板垣恵介、範馬刃牙役の声優・島崎信長、範馬勇次郎役の声優・大塚明夫による鼎談インタビューを敢行。TV放送に対する思いと、「親子喧嘩編」の見どころについて語られた。
<以下、オフィシャル鼎談インタビュー>
勇次郎の奇想天外さに毒されてもう何が起きても驚かない(大塚)
――現在地上波で大好評放送中のアニメ版『範馬刃牙』の最終章、「地上最強の親子喧嘩編(以下、親子喧嘩編)」がついにTVでもオンエアされますね。
板垣恵介(以下、「板垣」):『グラップラー刃牙』からシリーズを通して描いてきた親子喧嘩が完全に終わるという物語のクライマックスだから、アニメ(Netflix)でも当然盛り上がったな。
大塚明夫(以下、「大塚」):「刃牙」(シリーズ)の世界って基本的に強さを競う戦いですけど、この「親子喧嘩編」はちょっと特殊なんですよね。表向きは殺し合いのようなバトル展開なのに、その中でちゃんと勇次郎と刃牙が親子の交流している。その交流が楽しみで収録は本当にワクワクしましたね。
島崎信長(以下、「島崎」):親子喧嘩の掛け合いをしていると、明夫さん演じる勇次郎がずっと嬉しそうなんですよ。作中でも「おうおう刃牙、育ったな」「生意気言ってんな」「お前やるじゃねぇか」みたいな勇次郎の嬉しい気持ちが伝わってきて。
大塚:喧嘩の最中に「撫でてやるから来い」って勇次郎が言ったりして、刃牙泣いちゃってるじゃないですか。
島崎:あれはえげつないですよ。
大塚:演じてて楽しくて仕方がなかったし、そういうストーリーを描く板垣先生ってどんな人なのって思うよね。とにかく通常の思考回路では追いつかない。勇次郎が地面に伏せられてもう駄目だっていう場面でも、アスファルトに穴をあけてその反動で拳を返すとか。強化ガラスを顔面で突き破るとか、奇想天外すぎてもう何も驚かないですね。世界で「刃牙」シリーズがウケているのは、それが楽しいんだと思うんですよ。「ありえねぇ」っていう喜びなんだと思うんですよ。
島崎:「ありえねぇ」けど納得してうなずいちゃうような説得力がありますよね。そしてアニメではストーリーや登場人物に負けず、役者も濃いんですよ。印象的だったのが、勇次郎とマホメド・アライの再会のシーン。
大塚:誰が演じているというのもあるけど、やっぱり紡いである文章にそれだけの磁力があるんだと思う。板垣先生は不思議なほどそういうものをお持ちだなと思いますね。いくらでもアイデアやセリフが出てくるのかな?
板垣:いやいや、常に出てくるわけじゃないから(笑)。出るときは立て続けに出るけど、出ないとなるといつまでも出ない。でも、今褒められたシーンは自分でも「だろうな」と思ってた(笑)。才能が出たときだった。
最後の親子喧嘩は演じていて本当に楽しくて、そして複雑だった(島崎)
――「親子喧嘩編」の見どころは?
島崎:やはり今までになかった”父としての勇次郎”がどんどん出てくるところですよね。勇次郎の魅力は作中でもたくさん語られてるんですけど、まずシンプルに「やっぱ最強ってかっけぇ」ですよね。誰しも最初は最強になって腕力一本で全てを通すことに憧れたと思うんです。でも少しずつ大人になって現実を知っていくんですよね。
大塚:急に見えてくるよね。
島崎:「最凶死刑囚編」から刃牙と勇次郎の親子としての関係性が増して、過保護とは言わないまでも「これは親から子へのアドバイスではあるよな」「心配してんだよな、見守ってんだよな」みたいなセリフやシーンがあって。それを積み重ねたうえでの最後の親子喧嘩は演じていて本当に楽しくて複雑だったんですよね。
勇次郎に「褒めてやる」って撫でられるのも、刃牙は「こんなことされたことなかったし、ずっと欲してたから嬉しい」って。口では「いや、ふざけんなよ!」って言いつつもやっぱり嬉しくて拒否しきれない。その勇次郎の父性はずるいですよね。”最強”っていう肩書があるからこそ、勇次郎の人間的な部分や父の部分が浮き彫りになるんですよね。……長々と話しましたが、勇次郎の魅力は本当に語り尽くせない。
大塚:勇次郎は最初、刃牙にとって”ただ越えるべき山”という存在だったのかもしれないけど、先生が描いているうちに、先生の勇次郎へ想いが乗り移ってるんじゃないかなって感じます。
板垣:物語の中で勇次郎も成長して、どんどん魅力的になっていったな。
大塚:ちょっと重なってませんでした? 先生ご自身が勇次郎に。
板垣:……重ねたかった。自分の父親がまるっきり勇次郎と対極のタイプだったんで、父親に敵わなさを思い知らされたかった。こんなふうに圧倒されたかったなっていう想いが勇次郎には反映されてる。
大塚:息子としての父親像なんですね。
板垣:俺は娘3人だけど、息子がいたら本当に迷惑かけたと思うわ。「俺を抜くことがお前の仕事なんだ、お前の役割、責務なんだ」そんなことをどこかで必ず言ったはずだなと。適当な距離感が持てなくて迷惑だったろうな。
島崎:板垣先生に「俺を超えろ」と言われるのはきついですね。
大塚:超えられない壁だよね。
板垣:だから「刃牙」(シリーズ)に自分の想いを描いたんだよな。「あの親父が会釈するんだ!」って、そんなふうに驚けたら嬉しいだろうと。「ちゃんとしていてマナーもいい。ああいうふうに親父を見上げたいな」って。
大塚:なるほど。先生の理想像を勇次郎が全部体現したわけですね。
板垣:非常識に見えても、ちゃんと俺の中に憧れがあるんだよ。
島崎:最初は強さを求める戦闘狂みたいなイメージで勇次郎を憎んでいたはずの刃牙も、彼を知っていくほどどんどん誇らしくなっちゃうんですよね。
板垣:とにかく超えようとしてたんだけど、一方で「親父が強いと嬉しい」んだよね。これは多くのファンと共有できるところだろうなと思いながら描いた気がする。
このオフィシャル鼎談インタビューの全容は、12月28日発売の「週刊少年チャンピオン」4+5号に掲載。
また、「TMSアニメ公式チャンネル」でもインタビュー動画が公開中だ。
「地上最強の親子喧嘩編」突入となる26話「恋に殉じる」は、2023年12月24日よりTOKYO MXほかにてTVオンエア開始。
Netflixシリーズ『範馬刃牙』2期 作品概要
Netflixにて
<外伝ピクル+野人戦争編>
<地上最強の親子喧嘩編>
世界全話一挙独占配信中ッッ!!
TOKYO MXほかにてTV放送中
TOKYO MX 毎週日曜 23:30~
サンテレビ 毎週日曜 23:30~
BS日テレ 毎週日曜 23:30~
テレビ愛知 毎週月曜 26:05~
HTB北海道テレビ 毎週月曜 26:25~
TVQ九州放送 毎週月曜 27:00~
KBS京都 毎週水曜 25:30~
※放送予定は変更となる場合がございます。
<STAFF>
原作:板垣恵介(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:平野俊貴
シリーズ構成:浦畑達彦
キャラクターデザイン:石川晋吾
色彩設計:宮脇裕美
美術監督:吉原俊一郎
撮影監督:野口龍生
編集:佐野由里子
音楽:藤澤健至
音響監督:浦上靖之 浦上慶子
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:範馬刃牙製作委員会
野人戦争編オープニングテーマ「The Beast」和楽器バンド(UNIVERSAL SIGMA)
野人戦争編エンディングテーマ「WILDER」UPSTART(avex trax)
地上最強の親子喧嘩編オープニングテーマ「Sarracenia」SKY-HI(B-ME)
地上最強の親子喧嘩編エンディングテーマ「Salvia」BE:FIRST (B-ME)
<CAST>
範馬刃牙:島崎信長
範馬勇次郎:大塚明夫
ピクル:草尾毅
アルバート・ペイン:飛田展男
徳川光成:麦人
ゲリー・ストライダム:土師孝也
烈海王:小山力也
愚地独歩:菅生孝之
愚地克巳:川原慶久
渋川剛気:島田敏
花山薫:江口拓也
松本梢江:雨宮天
ビスケット・オリバ:大塚芳忠
ジャック・ハンマー:三宅健太
郭海皇:緒方賢一
鎬紅葉:成田剣
鎬昂昇:山崎たくみ
寂海王:青山穣
柴千春:鈴木達央
鮎川ルミナ:潘めぐみ
朱沢江珠:林原めぐみ
範馬勇一郎:柴田秀勝
カイザー:立木文彦
ナレーション:古谷徹
(C)板垣恵介(秋田書店)/範馬刃牙製作委員会