生成AI「Stable Diffusion」を全編に使用した世界初の長編アニメ映画として制作された『死が美しいなんて誰が言った』が、「アヌシー国際アニメーション映画祭」および「富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」にオフィシャルセレクションとして入選し、上映されることが決定した。

『死が美しいなんて誰が言った』は、パンデミックが広がる絶望的な社会の中で生きる意味を問い直す物語を描くゾンビアニメとして、2023年12月に劇場公開された映画だ。
『なつやすみの巨匠』や『兄友』、『アパレル・デザイナー』などで知られる映画監督・中島良が初めてアニメ映画を手掛けた。

キャストにはミュージカル『ヘタリア』の長江崚行のほか『賭ケグルイ』シリーズの中村ゆりか、私立恵比寿中学メンバーの真山りか、俳優の山田ジェームス武らが名を連ねる。主題歌「記憶」はアカペラアーティストのももんぬが担当した。

そんな本作はAIとモーションキャプチャーによって、これまで多人数で制作されていた緻密なアニメ制作を一桁の少人数で完成させることに成功していた。画像生成AI「Stable Diffusion」とモーションキャプチャー技術、ゲームエンジン「Unity」を駆使して制作された作品として劇場公開時に話題を呼んだが、このたびついにその試みと独特な世界観が海外でも注目を集めたかたちだ。

入選を果たした2つの国際映画祭のうち、「アヌシー国際アニメーション映画祭」は「アニメーション界のカンヌ映画祭」と称されるほど伝統と権威のある映画祭として知られる。
本作が選出された「ミッドナイトスペシャル部門」は、クレイジーで制約のない才能を感じさせる作品が選ばれる枠として注目を集める。

もう一方の「富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭」は、アジアを代表するジャンル映画祭であり、「ラブ、ファンタジー、アドベンチャー」をテーマに掲げる。毎年約300 作品が11日間にわたって上映される本映画祭で、今年は本作も上映ラインナップに加わることになった。

AI 作品の選出について、「アヌシー国際アニメーション映画祭」からは選出理由の声明が出されるなど、ネットではAI作品の是非を問う物議が起きている。これはアニメ映画の新たな歴史の幕開けなのか。本作をきっかけに、AIの利用について議論がなされることになりそうだ。
なお本作の公式サイトではメイキングも公開されており、どのように制作されたのかを詳しく知ることができるのでぜひチェックしてみたい。

映画『死が美しいなんて誰が言った』
出演:長江崚行、中村ゆりか、真山りか、山田ジェームス武
監督:中島良
脚本:都築隆広・本庄麗子
キャラクターデザイン:六角桂・横井三歩
音楽:清川進也
製作:合同会社ズーパーズース
配給:トリプルアップ
上映時間:70分
(C)ズーパーズース