TVアニメ『光が死んだ夏』第3話「拒絶」が7月19日に放送され、スイカをめぐる微笑ましい日常から一転、ヒカルの本性が垣間見える後半の展開に視聴者が震撼した。SNSでは「感情が壊れていく演技がすごい」「狂気と哀しみが紙一重」といった感想が相次いだ。
『光が死んだ夏』は、モクモクれんによる漫画を原作とする青春ホラーストーリー。高校生・よしきと、親友・光(ヒカル)の姿をした“ナニカ”との奇妙な交流を描く。「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門Global特別賞、「このマンガがすごい!2023」オトコ編1位を獲得した話題作だ。
とある集落で幼馴染として育ったよしきと光。半年前に山で行方不明となった光は、1週間後に何事もなかったかのように戻ってくる。しかしその中身は、もはや“光”ではなかった――。声も姿も確かに光だが、その奥にいるのは、得体の知れない“ナニカ”。そんな友人の顔をした何かとの日常は、少しずつよしきの心をむしばんでいく。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さい。
第3話では、ヒカルの無邪気なスイカの食べ方に、よしきが“光”を重ねてしまう印象的なシーンから幕を開ける。すでに「光」はいないはずなのに、自分だけが日常を享受していいのか――そんな葛藤が胸をよぎる。
スイカの種をめぐる日常の小さなやりとりに、「焦る2人が可愛い」「この平和な時間がずっと続いてほしい」といった声も見られた。
その一方で、よしきは前回、スーパーで不気味な忠告をしてきた主婦・暮林理恵に連絡を取る決意をする。そしていよいよファミレスでの暮林とよしきの対面が実現。ここで、暮林が感じてきた町を蝕む異変の一端が語られる。
「……死んだ夫がね、昔一回帰ってきたんよ。でもダメやった。結局、息子の身体に一生治らん傷を残しただけやったの」
「誰かに罰されたって自分が楽になるだけ。死人はなんとも思わん。ただ私たちが亡くなった人に汚く執着してる事実だけやあるのは……」
そう語る暮林の言葉は、自身も大切な人を亡くした経験から来ているものだった。夫を亡くし、なお再会を願った結果、取り返しのつかない代償を払った彼女の言葉は、よしきの胸を深く打つ。主婦のまっすぐな忠告と、その背景にある哀しみに対し、「優しすぎる……」「よしきいうこと聞いて!」といった声が上がる一方、「絶対にフラグ」「お願いだから無事でいて」と彼女の安否を心配する声も広がった。
暮林との出会いをきっかけに、よしきはヒカルに対して徐々に距離を取り始める。しかしその態度が、ヒカルの心を大きく揺さぶってしまう。
「あーあ、そんな顔せんとってよ。……だって、おれ、よしきが居らんとだめなんよ」
「……だって俺の初めての……。もうさ、どこまでが自分の感情なんか分からん……ッ。つらい。どうしたらええの。分かってても、お前を好きなん、やめられん……ッ!!」
ヒカルは、感情を押し殺すことも、自分を抑えることもできず、よしきと混ざることで取り込もうとする。闇のような感情が噴き出すように、よしきの体を包み込んでいく黒いナニカ。ふたりの心と身体が境界をなくしていくその瞬間、視聴者の緊張感は頂点に。
この終盤のヒカルがよしきを取り込むシーンにおける、小林千晃(よしき役)と梅田修一朗(ヒカル役)の演技はまさに圧巻。特に梅田のヒカルは、涙声と絶望、執着と孤独をないまぜにした芝居で、視聴者の心を鷲掴みにする。
また、小林もまた、ヒカルの感情に揺さぶられ、巻き込まれていくよしきの内面を繊細に表現。拒絶と戸惑い、どこかに残る「光」への未練と情が声ににじみ出ており、ふたりの演技の掛け合いとしての精度の高さが、多くの視聴者に深い印象を残した。徐々にヒカルを受け入れていくラストシーンに「特殊ED最高」「曲名が『あなたはかいぶつ』なのもずるい」といった声が上がった。
回を追うごとに深まる“ナニカ”とよしきの距離。その境界が溶け合うように曖昧になっていく『光が死んだ夏』第3話「拒絶」は、揺れる2人の関係性と恐怖の狭間を鮮烈に描き出し、視聴者の心に大きな衝撃を残したのではないだろうか。
TVアニメ『光が死んだ夏』
放送局情報
7月5日(土)よりTVアニメ放送開始
日本テレビ系にて毎週土曜24:55より順次全国放送
Netflix世界独占・ABEMA無料独占配信開始
スタッフ:
原作:モクモクれん(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載)
監督・シリーズ構成:竹下良平
キャラクターデザイン・総作画監督:高橋裕一
ドロドロアニメーター:平岡政展
プロップデザイン:應地隆之介
サブキャラクターデザイン:渡辺舞、西願宏子、長澤翔子
美術設定:多田周平、高橋武之、曽野由大
美術監督:本田こうへい
色彩設計:中野尚美
色彩設計補佐:越田侑子
3D監督:中野祥典
撮影監督:前田智大
2Dデザイン:永良雄亮、津江優里
編集:木村佳史子
音響演出:笠松広司
音響制作:dugout
音楽:梅林太郎
オープニング主題歌:「再会」Vaundy
エンディング主題歌:「あなたはかいぶつ」TOOBOE
アニメーション制作:CygamesPictures
キャスト:
辻中佳紀:小林千晃
ヒカル:梅田修一朗
田中:小林親弘
暮林理恵:小若和郁那
山岸朝子:花守ゆみり
巻ゆうた:中島ヨシキ
田所結希:若山詩音
(C)モクモクれん/KADOKAWA・「光が死んだ夏」製作委員会
『光が死んだ夏』は、モクモクれんによる漫画を原作とする青春ホラーストーリー。高校生・よしきと、親友・光(ヒカル)の姿をした“ナニカ”との奇妙な交流を描く。「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門Global特別賞、「このマンガがすごい!2023」オトコ編1位を獲得した話題作だ。
とある集落で幼馴染として育ったよしきと光。半年前に山で行方不明となった光は、1週間後に何事もなかったかのように戻ってくる。しかしその中身は、もはや“光”ではなかった――。声も姿も確かに光だが、その奥にいるのは、得体の知れない“ナニカ”。そんな友人の顔をした何かとの日常は、少しずつよしきの心をむしばんでいく。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さい。
第3話では、ヒカルの無邪気なスイカの食べ方に、よしきが“光”を重ねてしまう印象的なシーンから幕を開ける。すでに「光」はいないはずなのに、自分だけが日常を享受していいのか――そんな葛藤が胸をよぎる。
だがヒカルはそんなよしきの思いも知らず、「お前と一緒におるだけで楽しい」と屈託なく笑う。
スイカの種をめぐる日常の小さなやりとりに、「焦る2人が可愛い」「この平和な時間がずっと続いてほしい」といった声も見られた。
その一方で、よしきは前回、スーパーで不気味な忠告をしてきた主婦・暮林理恵に連絡を取る決意をする。そしていよいよファミレスでの暮林とよしきの対面が実現。ここで、暮林が感じてきた町を蝕む異変の一端が語られる。
「……死んだ夫がね、昔一回帰ってきたんよ。でもダメやった。結局、息子の身体に一生治らん傷を残しただけやったの」
「誰かに罰されたって自分が楽になるだけ。死人はなんとも思わん。ただ私たちが亡くなった人に汚く執着してる事実だけやあるのは……」
そう語る暮林の言葉は、自身も大切な人を亡くした経験から来ているものだった。夫を亡くし、なお再会を願った結果、取り返しのつかない代償を払った彼女の言葉は、よしきの胸を深く打つ。主婦のまっすぐな忠告と、その背景にある哀しみに対し、「優しすぎる……」「よしきいうこと聞いて!」といった声が上がる一方、「絶対にフラグ」「お願いだから無事でいて」と彼女の安否を心配する声も広がった。
暮林との出会いをきっかけに、よしきはヒカルに対して徐々に距離を取り始める。しかしその態度が、ヒカルの心を大きく揺さぶってしまう。
「あーあ、そんな顔せんとってよ。……だって、おれ、よしきが居らんとだめなんよ」
「……だって俺の初めての……。もうさ、どこまでが自分の感情なんか分からん……ッ。つらい。どうしたらええの。分かってても、お前を好きなん、やめられん……ッ!!」
ヒカルは、感情を押し殺すことも、自分を抑えることもできず、よしきと混ざることで取り込もうとする。闇のような感情が噴き出すように、よしきの体を包み込んでいく黒いナニカ。ふたりの心と身体が境界をなくしていくその瞬間、視聴者の緊張感は頂点に。
この終盤のヒカルがよしきを取り込むシーンにおける、小林千晃(よしき役)と梅田修一朗(ヒカル役)の演技はまさに圧巻。特に梅田のヒカルは、涙声と絶望、執着と孤独をないまぜにした芝居で、視聴者の心を鷲掴みにする。
「演技やばすぎ」「“好き”が重くて最高」「声の芝居が神すぎる」といった声が相次いだ。
また、小林もまた、ヒカルの感情に揺さぶられ、巻き込まれていくよしきの内面を繊細に表現。拒絶と戸惑い、どこかに残る「光」への未練と情が声ににじみ出ており、ふたりの演技の掛け合いとしての精度の高さが、多くの視聴者に深い印象を残した。徐々にヒカルを受け入れていくラストシーンに「特殊ED最高」「曲名が『あなたはかいぶつ』なのもずるい」といった声が上がった。
回を追うごとに深まる“ナニカ”とよしきの距離。その境界が溶け合うように曖昧になっていく『光が死んだ夏』第3話「拒絶」は、揺れる2人の関係性と恐怖の狭間を鮮烈に描き出し、視聴者の心に大きな衝撃を残したのではないだろうか。
TVアニメ『光が死んだ夏』
放送局情報
7月5日(土)よりTVアニメ放送開始
日本テレビ系にて毎週土曜24:55より順次全国放送
Netflix世界独占・ABEMA無料独占配信開始
スタッフ:
原作:モクモクれん(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載)
監督・シリーズ構成:竹下良平
キャラクターデザイン・総作画監督:高橋裕一
ドロドロアニメーター:平岡政展
プロップデザイン:應地隆之介
サブキャラクターデザイン:渡辺舞、西願宏子、長澤翔子
美術設定:多田周平、高橋武之、曽野由大
美術監督:本田こうへい
色彩設計:中野尚美
色彩設計補佐:越田侑子
3D監督:中野祥典
撮影監督:前田智大
2Dデザイン:永良雄亮、津江優里
編集:木村佳史子
音響演出:笠松広司
音響制作:dugout
音楽:梅林太郎
オープニング主題歌:「再会」Vaundy
エンディング主題歌:「あなたはかいぶつ」TOOBOE
アニメーション制作:CygamesPictures
キャスト:
辻中佳紀:小林千晃
ヒカル:梅田修一朗
田中:小林親弘
暮林理恵:小若和郁那
山岸朝子:花守ゆみり
巻ゆうた:中島ヨシキ
田所結希:若山詩音
(C)モクモクれん/KADOKAWA・「光が死んだ夏」製作委員会
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