『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開後さらに大きな注目を集めるなか、2025年8月17日に東京のTOHOシネマズ新宿にて舞台挨拶が開催された。MCを務める高橋祐馬プロデューサーに呼び込まれ、胡蝶しのぶ役の早見沙織、栗花落カナヲ役の上田麗奈が温かい拍手に迎えられながらステージに登場した。


舞台挨拶への登壇は初となる2人だが、この日を迎えられた気持ちについて聞かれると、早見は「感慨深い気持ちですし、こうやって2人で登壇させていただく機会というのは本当に貴重だなと思い、幸福です!」と柔らかな笑顔を見せる。

上田も「私も本当に嬉しいです!カナヲ役としてステージに立つ日が来たということが、物語が進んできて、しのぶさんとカナヲの信頼関係というものがより増していった証拠なのかなと思い、すごく感慨深いです」と頬を緩ませた。

『無限城編 第一章』の公開から約1か月が経ち、改めて本編の感想を尋ねられると、早見は「約2時間35分という上映時間を感じないくらいあっという間でした。スクリーンから色んな人の想いが、画面を超えて自分の心に刺さってくるような、心を揺さぶられる感覚がずっとあって、気づいたらエンドロールでした」と回顧する。また、自身が演じたキャラクター以外のシーンで印象に残ったシーケンスを聞かれると、「沢山あるのですが、猗窩座の物語です」と目を輝かせながら回答した。

続けて上田は「エンドロールで涙が溢れて前が見えない状態になってしまいました。涙が溢れてきた理由というのが、これからカナヲも鬼に立ち向かうであろう、どうしていけばよいのだろうという想いで胸が押しつぶされそうになったから。そして、しのぶさんとカナヲだけではなく、無限城で戦っているメンバー以外の人たちも含めてみんなの想いが繋がっているのが伝わってきて感動しました」と、その魅力を熱量たっぷりに語った。

続いて、各キャラクターの演技についての話題へと移行。収録当時のアフレコに挑むにあたっての気持ちを聞かれると、早見は「しのぶさんはずっと姉さん(胡蝶カナエ)の想いを纏って生きてきた人なのだろうと思います。本来のしのぶさんが持っている、強気で活発な部分というのは姉さんという羽織を纏うことで、自分の中に閉じ込めて育て続けた想いにもなって。それが、童磨と対面した時に、徐々に上がっていくのではなく、『もっとだよね』と。
『この人が抱えているものはこんなものではない』という想いになって」と真摯に回答する。早見にとって3姉妹の存在は特に大きかったようで「アフレコ中、『今日は家族がいてくれるから心強いな』と感じました」と、収録エピソードも交えながら役と向き合った胸中を明かす。

「そんな早見の芝居をみてどう感じたか」という質問に、上田は「今までしのぶさんが考え続けてきた時間の長さだったり重さというのが、沙織さんが考え続けてきたものと重なって、すごく説得力のあるものに感じました。熱量が本当に高くて、空気がピリッと、しのぶさんらしく染まっていたのが、アフレコブースの中にいて感じました。また、こんな声色のしのぶさんは聞いたことがないと思いましたし、それがかっこよくもあり、美しくもあり、覚悟がビシビシ伝わってきました。」と、敬意を込めて回答した。

姉・胡蝶カナエについて聞かれると、早見は「隣でアフレコされている(カナエを演じる)茅野さんが、『立ちなさい!』という時に、(私が想定していたより)強く言ってくれて、アフレコしながら血が通いだすのを感じました。それが胡蝶カナエの強さだと感じましたし、姉さんは全部わかっていてああいうことを言ってくれたんだと思いますし、すごく心を鷲掴みにされた気がします」と、一言一言を噛みしめるように語った。

するとここで、胡蝶カナエ役の茅野愛衣からの手紙が到着した。
「はやみん、ぽんちゃん、そして劇場へお越しの皆さま、こんにちは!いつも作品と、妹達への応援をありがとうございます。本来ならば、皆さまへの感謝を直接お伝えすべきところ、お手紙でのご挨拶にて失礼いたします。劇場でご覧になりたてホヤホヤの皆さま、映画は如何でしたか?私もつい先日、映画館で鑑賞したのですが、しのぶ、カナヲ、柱や鬼殺隊の皆さんの頑張っている姿。そして、善逸や猗窩座の物語まで、登場人物達の生き様が深く心に刺さり、何度も、何度も、涙してしまいました。
カナエを演じている身としては、しのぶのシーンは、上手く呼吸が出来ない程スクリーンに観入ってしまい、握りしめた拳が痛くなるほどで……収録時の、スタジオに響くはやみんの魂の叫びと、その姿を震えながらも目に焼き付け、今にも怒りで弾けてしまいそうなぽんちゃんの空気を思い出し、また熱い思いがみ上げるようでした。カナエとして、スクリーンの中で生きられた時間はごく僅かではありましたが、確かに姉妹の生きてきた時間はそこにあったと、今回の映画を観て感じられました。そして改めて、心を揺さぶられる素敵な作品に参加出来た事を嬉しく思っています。いつか三姉妹集まって、作品を語れる機会があったら素敵ですね。まだまだ暑い日が続いている事と思います。皆さまどうかご自愛くださいませ」という温かいメッセージに、早見、上田ともに感極まった様子を見せた。

さらに、しのぶと童磨の戦いが描かれた第4弾キービジュアルがスクリーンに投影されると、早見は「映像で観た力強さが、この一枚に込められているように感じます!」と、ビジュアルの迫力に興奮を隠せず、絶賛のコメントを寄せた。

イベントも終盤、最後に上田は「(しのぶさんには)戦わないで欲しい、幸せにずっと笑っていて欲しい。とずっと思っていたのですが、想いを尊重したい、守りたい。という気持ちもすごく強くて、今回の映画の収録も大変悩みました。でも本当にしのぶさんが力強く、覚悟を持って戦っているのを見て……。しのぶさんの想いが皆さんに伝わっていたら何よりだなと思います。
これからもまだまだ『鬼滅の刃』を楽しんでいただきたいですし、沢山観ていただいて、心を震わせていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!」と涙ぐみながらコメントする。

早見は「公開から今まで多くの皆様に、本作に触れていただいてとても嬉しいなと思っております。しのぶさんの想いというものは、このスクリーンの中に詰め込まれていますし、だからこそ何度でもそれを劇場で感じていただきたいなと思います。私自身もこれからも『鬼滅の刃』に想いを注いでいきたいなと思っています。そして、ここから続いていく物語に、ぜひ『頑張れ!』と応援していただけると嬉しく思います。引き続きよろしくお願いいたします!ありがとうございました!」と呼びかけた。

それぞれから心のこもったメッセージが贈られ、会場が感動的な空気に包まれる中、イベントは幕を下ろした。

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
公開御礼舞台挨拶 弐 イベント概要
■日にち:8月17日(日)
■場所:TOHOシネマズ新宿 (東京都新宿区歌舞伎町1丁目19−1 新宿東宝ビル 3階)
■登壇者(敬称略):早見沙織、上田麗奈
■MC 高橋祐馬(プロデューサー)

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
公開中
【スタッフ】
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島 晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸・梶山庸子・菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二
撮影監督・フィニッシング演出監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野 学
音楽:椎名 豪・梶浦由記
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤 光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
【キャスト】
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野 紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
栗花落カナヲ:上田麗奈
不死川玄弥:岡本信彦
冨岡義勇:櫻井孝宏
宇髄天元:小西克幸
時透無一郎:河西健吾
胡蝶しのぶ:早見沙織
甘露寺蜜璃:花澤香菜
伊黒小芭内:鈴村健一
不死川実弥:関 智一
悲鳴嶼行冥:杉田智和
猗窩座(上弦の参):石田 彰
※ 禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記。
※ 鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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