実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』より2025年12月5日の公開に向け、柔らかな筆致のコンセプトアートが立体的なセットへと変貌していく瞬間を収めた特別映像がお披露目された。原作の世界がオール沖縄ロケで再構築された街並みや店舗の“誕生”を、ビフォー・アフター形式で体感することができる映像だ。


『WIND BREAKER』は、2021年に「マガジンポケット」で連載が開始されたにいさとるによるマンガだ。物語は、ケンカだけが取り柄の孤独な高校生・桜遥が、不良の巣窟と恐れられる風鈴高校のてっぺんをとるため街にやってくるところから始まる。しかし風鈴高校の生徒たちは<防風鈴=ウィンドブレイカー>と呼ばれ、街を守る存在へと変貌を遂げていた。桜は戸惑いながらも防風鈴のメンバーとして、仲間と共に街を守るための戦いに身を投じていくことになる。

若い世代を中心に大きな反響を集め、連載開始の翌年には「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」を受賞した。2024年には待望のTVアニメ化を果たして各配信サービスで視聴ランキング上位を席巻し、2025年4月期には早くもTVアニメ第2期が放送された。載開始からわずか4年で世界累計発行部数が1,000万部を突破し、舞台化、ゲーム化とその人気ぶりはますます加速を続ける。

このたびの実写映画化は、『ブルーピリオド』や『サヨナラまでの30分』など新たな青春映画を生み出してきた萩原健太郎監督のもと、脚本を『ハケンアニメ!』で「日本アカデミー賞」の最優秀脚本賞を受賞した政池洋佑が担当する。街を守る正義の不良軍団<防風鈴>のキャストには、桜遥役を務める主演の水上をはじめ楡井秋彦役に木戸大聖、蘇枋隼飛役に綱啓永、杉下京太郎役にJUNON(BE:FIRST)、柊登馬役に中沢元紀、梅宮一役に上杉柊平が名を連ねる。

そんな本作において正義の不良軍団<防風鈴>が守る「東風商店街」は、物語の心臓部ともいえる大切な舞台だ。精鋭美術チームの手で、一軒一軒が息づくリアルな街として組み上げられた。そこには、主人公・桜遥(水上恒司)ら防風鈴メンバーの憩いの場である、紅一点・橘ことは(八木莉可子)が切り盛りする「喫茶ポスト」や、パン屋「さぼてん」、お好み焼き屋「まっするぱわー」など、原作やアニメでもおなじみの店も勢揃いする。
八百屋や精肉店まで並ぶその風景は、キャラクターたちが実際に暮らしているかのような“生きた空間”になっている。

これらの店の外観は、実際に営業している店舗の外装をこの作品の撮影のために特別に許可をもらいイチから塗装することで再現したもの。また、街の象徴ともいえる商店街のアーチは、実際に道路に穴を開けて建造されたという日本映画の中でも類を見ない徹底ぶりだ。沖縄の金武の地に再現された東風商店街は、まさに実在する街のような息遣いを感じられるほどのリアリティをもって生み出された。

そして今回の映像で際立つのは、街そのものがドラマを語っているかのようなディテールだろう。乾いた砂や土の質感で、荒々しい世界に立ち向かう防風鈴を表しつつ、防風鈴総代・梅宮一(上杉柊平)が作物を育てる設定ともリンクする。街の風景がキャラクターの心情や物語とシンクロすることで、ただのセットを超えた“物語のもう一人の登場人物”として存在感を放つ。
水上恒司をはじめ、いま最注目のキャスト陣もこの完成度に大興奮していたとのこと。圧倒的な美術の中で、胸アツの人間ドラマと極限アクションがどんな化学反応を起こすのか、本編の仕上がりに期待が高まるばかりだ。

実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』は、2025年12月5日より公開される。今後のさらなる続報を楽しみに待ちたい。

『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』
2025年12月5日(金)全国公開
原作:にいさとる『WIND BREAKER』(講談社「マガジンポケット」連載)
出演:水上恒司 木戸大聖 八木莉可子
綱啓永 JUNON(BE:FIRST)中沢元紀 曽田陵介 萩原護 高橋里恩(高は「はしごだか」)
山下幸輝 濱尾ノリタカ 上杉柊平
監督:萩原健太郎
脚本:政池洋佑
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)にいさとる/講談社(C)2025「WIND BREAKER」製作委員会
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